海と聖女とサムライと

clown

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第2章 勇者の証

第26話 上陸開始

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【攻略法だが、俺がマリア殿を背負って、潜る。以上?だ。】

(え?それだけですか? 私達はどうするんですか? 師匠。後、新技はいつ教えてもらえるのですか?)

コイツ、しれっと新技の催促してる。
そっちの方が、気になるのか?

『私にも新技ちょうだい!』
なんか話がそれていく。

【新技は、今回の件が終わってからだ。
船と洞穴を頑丈な紐で繋ぐ、それを辿ってくれば良い。】

(は~い。)
『判った。』

「で、私はどうするの?おぶってくって、何?どういうこと?」

【そのままさ。俺が連れて行くから、あんたは、ただ、目を瞑って、息を止めていればいい。】

「でも、最後まで持つかしら?」

【大丈夫さ。あれだけ息を止めていられれば。】

うーん、何か話が合わない。

詳しく聞き出すと、洞穴の入口上部を大幅にに削ったので、ずいぶんと距離が短くなっているそうだ。

相変わらず、やる事が滅茶苦茶だ。

【風魔法ってのは、海中でも結構威力があるんだなあ。】

「そ、そう、良かったわね。」

私は、運ばれてきた料理を楽しむ事にした。

他の連中は、新技の話で盛り上がってた。

はあー、私も新技を教えてもらって、コイツをぶっ飛ばしてやろうかな。

【ああ、大事な事を忘れていた。攻略は、明後日。あと各自、武器は持参だ。】

『ムサシのおじちゃん、私も武器、欲しい。』

【判ったよ。用意しといてやるさ。】

当日、私達は、小舟に揺られていた。

船頭は居ない。男が船を漕いでいる。

船には何やら荷物が積まれている。

中身を聞くと、食料と水との事だった。

じっくりと島を攻略するつもりのようだ。
島の絶壁に着くと、岩刺さった杭に船を繋ぐ、いつの間に準備したのだろう。

男は、丈夫な紐を腰に巻きつけると反対側を船に固定して、海に飛び込んでいった。

マリーナが、スルスルと引っ張られていく紐の束が、絡まないように紐海に送り込む。
やがて、紐が引っ張られなくなった。

しばらくすると、男が戻ってきた。
船には上がらずに荷物を海に落とす様に指示され、マリーナと2人で海に落とすと、荷物についた紐を引っ張って、潜っていった。

直ぐに戻ってきて、私に手招きをする。
え、いきなり私? まだ、気持ちの準備ができてないよ。

私は、覚悟を決めて海に飛び込んだ。
そして、男におぶさると、紐でグルグルと私の身体を固定する。

【準備は、良いかい?】
「う、うん。」
【じゃあ行くぞ。目を瞑って20数えるんだ。楽しい事でも、考えていればあっとゆう間さ。】

【3つ数えたら潜るぞ、どうしても苦しかったら、俺の身体を抓ってくれ。杖を落とすなよ。】

コイツって、こんなに優しかったっけ。
思わずボーっとしていると、数を数え出した。

私は、思いっきり抱きつくと、男のうなじに顔を付けた。

【1。2。3。】
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