海と聖女とサムライと

clown

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第2章 勇者の証

第25話 特訓の成果

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それから、日に2回、走って、走って、走った。
不思議なもので、毎日、続けているうちに段々と慣れてきた。

朝夕は、浜辺を走り、昼は神殿のお手伝いの日々。

疫病騒ぎは、収まったが様々な病気の患者が神殿を、訪れて来る。

マリーナは、冒険者ギルドの練習場で、剣術の練習に明け暮れている。
たまに、男に稽古をつけてもらっているらしい。

てか、ルトの町までって話は何処に行ったんだろう。
そういえば、男との約束もそうだったはずだ。
報酬も払ってない。

男に、報酬の話をしたら、
【勇者の島を攻略してからだ。】
と言われた。

男は、昼間どうしているのか?聞いても
【色々だ。】としか答えない。

いつも、少女と一緒なので、聞いてみると、
『勇者の島で釣り。後、時々潜ってる。』
どうも、勇者の島付近で何やらしているみたいだ。

訓練を始めて10日ほど経った。

【よし、再試験だ。】
【マリーナから。棒の間を泳ぎきったら、新しい技を教えてやるぞ。】
(本当ですか?)
マリーナが燃えている。
結果は、合格だった。

次は、私の番だ。
【よし、マリア殿も新技で良いかい?】
「いりません。」

私は、頑張った。
でも、中間地点あたりが限界だった。

【よし、合格だ。】
「本当?でも、半分しか届かなかった。」
【確かに、距離は全然だが、潜っている時間は、合格だ。】
「え、どうゆうこと?」
【まあ、直ぐに判るさ。】
【まあ、続きは、飯を食べながらにしようぜ。】

夜になり、私達は宿屋の食堂に集まった。

こうやって、皆で集って一緒に夕食を食べるのも久しぶりだ。

各自、思い思いに注文をする。
みんな、肉系を中心だ。特訓を始めてから、食欲が増した。

私と少女は神殿の宿舎で、マリーナとあいつは宿屋で寝泊まりしている。

もっとも、少女は朝起きると直ぐにあいつのところに行くが。

【よし、じゃあ、説明するぞ。実は昨日島の海中の洞穴から、島に上陸した。】
【ただし、正確には、洞穴の出口までだが。出口には結界が有ってそれ以上進めなかった。】
【試しに、この子を連れて行ったが、結界は破れなかった。】
【後、可能性があるのは君だ。】

私はいきなりの衝撃的な内容に驚き、飲み物を吹き出した。

「あなたも潜ったの?」
少女に訪ねると、肉を口いっぱいにほうばって、ニコニコと頷く。

【この子は優秀だぞ。素潜りは、俺と遜色ないからな。】
そう言って、男が少女の頭をポンポンと叩いた。

少女は、口いっぱいの肉を飲み込めずに、モゴモゴしながら頷いている。

終いには、早く飲み込もうとして喉に詰まりそうになり、背中を叩いてもらっている。

男は、少女の背中を叩きながら、話の本題に入った。

【それじゃあ、俺が考えてた勇者の島攻略法を説明する。】

『ゴクリ。』



ようやく、肉を飲み込めた様だ。
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