34 / 66
4章
女なんか信用できねぇ
しおりを挟む
あれから半年すぎた。
その頃には、別に予想できてたってのもあったし母さんの事なんか気に留めてなかった。
そしてある時、俺に彼女ができた。
俺は渚みたいに周りに馴染めないし、あそこまで明るくない。
こんな俺でも、渚じゃなくて俺がいいって言ってくれる奴がいたんだ。
「あ、あのっ!いきなり呼び出したりしてごめんね?私、雷君の事が好きです!私と付き合ってください!」
ある日の放課後、俺は彼女から屋上に呼び出された。
今俺の目の前にいる女子は、同じクラスメイトで、俺とよくいる男子友達と仲がいいと思っていた女子だった。
彼女の名前は飯田 伊織。
仲のいい友達は彼女の事をいおりんと呼んでいた。
俺も、そいつの事がその頃はどちらかというも好感をもっていた。
そしえ今、彼女は顔を真っ赤にして俯いて、そんなセリフを俺に言った。
俺はその告白が嬉しかった。
その日から、その子は俺の彼女に。
俺はそいつの彼氏になった。
それからは、幸せな日々だった。
同じクラスだから一緒に話したり、一緒に帰って放課後デートしたり。
彼女の笑顔を見るだけで幸せだった。
彼女もそんな風に思ってくれてるのかな。
そんな事を毎回考えていた。
「さーてっ、やっと放課後だー!俺、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
伊織に一言言って席を立つ。
「わかった!待ってるね!」
「おう。」
待ってる。
そう言われるだけで嬉しかった。
今日も彼女と帰れる。
まだ一緒にいて幸せな時間を共有できると思ってたから。
彼女は、すごくまっすぐな性格だ。
自分の思った事をストレートに言葉にして言ってくれる。
かと言って、それを押し付けるんじゃなくて俺の話もきいて考えてくれる。
一緒に悩んで、一緒に喜んでくれた。
そんな彼女が好きだった。
「ふぅ。そろそろ戻らないとな。伊織待ってるからな。」
俺はそう思うと嬉しくて、早足で教室に戻る。
「お待たせ!いお…」
ドアに手をかけながら伊織に声をかけようとして言葉が止まる。
だって、他の女の子と俺と仲のいい、伊織とも仲のいい男子が話してたから。
それだけなら別にいいんだけど
「ねぇねぇ。伊織って、なんで雷君の事好きになったの?」
そんな声が聞こえたから。
その答えが気になって、俺はドアの向こうで聞き耳を立てる。
悪いと思っても、彼女が他の子に自慢してくれるのは嬉しいし、俺も気になったから。
「それはねぇ…」
彼女が口を開く。
もう、ドキドキで心臓の鼓動がやばい。
俺はガラにもなくウキウキしてしていた。
「自分の価値がその方が上がるでしょう?あんなスペックいい男子と付き合ってるって言ったら。」
え?
なんて言ったんだ?
理解が追いつかない俺はわけがわからなかった。
でも、それを更に彼女の言葉が追い打ちをかける。
「告白したのもそのためかな?実際自分からきてくれるような、そんな理想の性格なら好きになったかもだけど、あいつ受け身ばっかで自分の意見言わないし、もうそろそろ別れてもいいかなぁ。」
「いおりんマジで?なら俺と付き合わねぇ?」
仲のいい男子が、彼女に詰め寄る。
俺はわけがわからなかった。
好きだったのは俺だけ?
そんなの否定してくれよ。
今までのは嘘だったのか?俺はただのアクセサリーみたいなものだったのか?
「それもいいかもね。面白そうだし!」
彼女のその言葉を聞いた時、俺の中で何かが壊れる音がした。
ガラッ
俺は教室の扉を開けて、いつも通りを装ってみんなに近づいた。
男子は顔が凍りついてるし、伊織も若干焦った顔している。
さっきあんな事言ってたくせにな。
俺はそれに気づかないフリをして話しかける。
「ねぇ、みんなそろって楽しそうだね。何の話してたの?俺もまぜてよ~。」
いつも通りそう言うと、聞かれてなかったと思ったのかホッとした顔をみんなして口を開いた。
「いやぁ。いおりんは雷君みたいなかっこいい彼氏がいていいなぁ。って話をしてたんだよ!」
周りの女子が空気をよんだみたいでそんな事を言う。
「そうそう。みんなそんな事言ってくるんだよ~。でも本当だし、雷君の事大好きだから否定できなかったら余計からかってくるんだよー?」
伊織まで俺に嘘つくのか。
「ふーん。まぁ、確かに伊織は俺の事大好きだもんなぁ?いっつも言ってくれるしな!」
「ちょっとぉ!みんなの前で言わないでよぉ。恥ずかしいじゃんか!」
そう言って顔を真っ赤にする伊織。
「いやいや、みんなにお前は言いたいだろ?………俺はお前のアクセサリーにするために付き合ったんだから。」
「え…?」
さっきまで真っ赤になってた彼女の顔が、サッと青くなる。
そりゃそうだよな。
さっきの話聞かれてたとは思わなかっただろうし。
「何言ってるの?私は雷君の事大好きなんだよ?そんな事思うわけないじゃん!」
「へぇ?そんな事言っちゃうんだぁ。…………もう俺ら別れよう。」
自分でも一瞬何を言ったかわからなかった。
でももう嫌悪感の方が上回っていたから。
「え…?嘘…だよね?やだよ!大好きだもん!」
そう言って俺の腕に抱きついてきた。
「やめろ!くるな!」
バシッ
「え?」
何が起こったか分からないという表情で立ち尽くす伊織。
そしてハッとしてまた俺に触れてこようとする。
それを俺は振り払う。
他の女子も止めようとするが、もう近寄ってくるだけで裏切られるのが怖い。
純粋に信じて傷つけられる。
大好きだった人も怖い。
その時、今まで女の人がやってた裏切りの場面がフラッシュバックする。
俺が目を背けて忘れてたこと。
母さんは、あの男と部屋で行為をしていた。
俺は信じられなくて逃げたが、捕まって母さんたちにいろいろされたこと。
彼女が他の男と隠れるようにイチャイチャしてて、その手で、その唇で俺に触れていた事。
それを考えると気持ち悪さに吐きそうになる。
その日から、俺の女嫌いができあがった。
その頃には、別に予想できてたってのもあったし母さんの事なんか気に留めてなかった。
そしてある時、俺に彼女ができた。
俺は渚みたいに周りに馴染めないし、あそこまで明るくない。
こんな俺でも、渚じゃなくて俺がいいって言ってくれる奴がいたんだ。
「あ、あのっ!いきなり呼び出したりしてごめんね?私、雷君の事が好きです!私と付き合ってください!」
ある日の放課後、俺は彼女から屋上に呼び出された。
今俺の目の前にいる女子は、同じクラスメイトで、俺とよくいる男子友達と仲がいいと思っていた女子だった。
彼女の名前は飯田 伊織。
仲のいい友達は彼女の事をいおりんと呼んでいた。
俺も、そいつの事がその頃はどちらかというも好感をもっていた。
そしえ今、彼女は顔を真っ赤にして俯いて、そんなセリフを俺に言った。
俺はその告白が嬉しかった。
その日から、その子は俺の彼女に。
俺はそいつの彼氏になった。
それからは、幸せな日々だった。
同じクラスだから一緒に話したり、一緒に帰って放課後デートしたり。
彼女の笑顔を見るだけで幸せだった。
彼女もそんな風に思ってくれてるのかな。
そんな事を毎回考えていた。
「さーてっ、やっと放課後だー!俺、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
伊織に一言言って席を立つ。
「わかった!待ってるね!」
「おう。」
待ってる。
そう言われるだけで嬉しかった。
今日も彼女と帰れる。
まだ一緒にいて幸せな時間を共有できると思ってたから。
彼女は、すごくまっすぐな性格だ。
自分の思った事をストレートに言葉にして言ってくれる。
かと言って、それを押し付けるんじゃなくて俺の話もきいて考えてくれる。
一緒に悩んで、一緒に喜んでくれた。
そんな彼女が好きだった。
「ふぅ。そろそろ戻らないとな。伊織待ってるからな。」
俺はそう思うと嬉しくて、早足で教室に戻る。
「お待たせ!いお…」
ドアに手をかけながら伊織に声をかけようとして言葉が止まる。
だって、他の女の子と俺と仲のいい、伊織とも仲のいい男子が話してたから。
それだけなら別にいいんだけど
「ねぇねぇ。伊織って、なんで雷君の事好きになったの?」
そんな声が聞こえたから。
その答えが気になって、俺はドアの向こうで聞き耳を立てる。
悪いと思っても、彼女が他の子に自慢してくれるのは嬉しいし、俺も気になったから。
「それはねぇ…」
彼女が口を開く。
もう、ドキドキで心臓の鼓動がやばい。
俺はガラにもなくウキウキしてしていた。
「自分の価値がその方が上がるでしょう?あんなスペックいい男子と付き合ってるって言ったら。」
え?
なんて言ったんだ?
理解が追いつかない俺はわけがわからなかった。
でも、それを更に彼女の言葉が追い打ちをかける。
「告白したのもそのためかな?実際自分からきてくれるような、そんな理想の性格なら好きになったかもだけど、あいつ受け身ばっかで自分の意見言わないし、もうそろそろ別れてもいいかなぁ。」
「いおりんマジで?なら俺と付き合わねぇ?」
仲のいい男子が、彼女に詰め寄る。
俺はわけがわからなかった。
好きだったのは俺だけ?
そんなの否定してくれよ。
今までのは嘘だったのか?俺はただのアクセサリーみたいなものだったのか?
「それもいいかもね。面白そうだし!」
彼女のその言葉を聞いた時、俺の中で何かが壊れる音がした。
ガラッ
俺は教室の扉を開けて、いつも通りを装ってみんなに近づいた。
男子は顔が凍りついてるし、伊織も若干焦った顔している。
さっきあんな事言ってたくせにな。
俺はそれに気づかないフリをして話しかける。
「ねぇ、みんなそろって楽しそうだね。何の話してたの?俺もまぜてよ~。」
いつも通りそう言うと、聞かれてなかったと思ったのかホッとした顔をみんなして口を開いた。
「いやぁ。いおりんは雷君みたいなかっこいい彼氏がいていいなぁ。って話をしてたんだよ!」
周りの女子が空気をよんだみたいでそんな事を言う。
「そうそう。みんなそんな事言ってくるんだよ~。でも本当だし、雷君の事大好きだから否定できなかったら余計からかってくるんだよー?」
伊織まで俺に嘘つくのか。
「ふーん。まぁ、確かに伊織は俺の事大好きだもんなぁ?いっつも言ってくれるしな!」
「ちょっとぉ!みんなの前で言わないでよぉ。恥ずかしいじゃんか!」
そう言って顔を真っ赤にする伊織。
「いやいや、みんなにお前は言いたいだろ?………俺はお前のアクセサリーにするために付き合ったんだから。」
「え…?」
さっきまで真っ赤になってた彼女の顔が、サッと青くなる。
そりゃそうだよな。
さっきの話聞かれてたとは思わなかっただろうし。
「何言ってるの?私は雷君の事大好きなんだよ?そんな事思うわけないじゃん!」
「へぇ?そんな事言っちゃうんだぁ。…………もう俺ら別れよう。」
自分でも一瞬何を言ったかわからなかった。
でももう嫌悪感の方が上回っていたから。
「え…?嘘…だよね?やだよ!大好きだもん!」
そう言って俺の腕に抱きついてきた。
「やめろ!くるな!」
バシッ
「え?」
何が起こったか分からないという表情で立ち尽くす伊織。
そしてハッとしてまた俺に触れてこようとする。
それを俺は振り払う。
他の女子も止めようとするが、もう近寄ってくるだけで裏切られるのが怖い。
純粋に信じて傷つけられる。
大好きだった人も怖い。
その時、今まで女の人がやってた裏切りの場面がフラッシュバックする。
俺が目を背けて忘れてたこと。
母さんは、あの男と部屋で行為をしていた。
俺は信じられなくて逃げたが、捕まって母さんたちにいろいろされたこと。
彼女が他の男と隠れるようにイチャイチャしてて、その手で、その唇で俺に触れていた事。
それを考えると気持ち悪さに吐きそうになる。
その日から、俺の女嫌いができあがった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる