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第四章 マドネリ村

第78話 千客万来 マドリー&ネリーの家2

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だが、コジローは、自分が地球の、日本の料理を食べたいから再現したいと頑張っているわけであり、トンカツだけで満足する事がなかったのは当然である。

とりあえず、現在手に入る食材で、簡単に再現できそうな料理を考える。例えば、豚肉とよく似た肉はオークの肉がある。そして、生姜に似た植物も市場で見つけた。酒はある。みりんや砂糖もあった。玉ねぎや人参、ジャガイモによくにた植物もあった。胡椒に似たスパイスもあった。出汁が取れる干魚や海藻も、海辺の街で見つかった。

(※ウィルモア領の首都であるブギルは、アルテミルから180km程南下したところにある港町である。海が近いので、海産物が豊富であり、また、船による交易で、外国産のスパイスなども売られているので、コジローはよく買い物にでかけていた。転移が使えるコジローにとっては、180km離れた街であっても近所のコンビニと大差ない。ただ、首都だけあって街が広く、人に見られない場所に転移するのが難しい面があった。そのため、市場の近くの小さなアパートの一室を借り、その室内に転移するようにしたのではあるが。)

これだけの材料が揃えば、「肉じゃが」が作れる!

コジローは、なんとかある材料で肉じゃがっぽい料理を完成させた。

しかし、惜しい。。。

残念ながら、この世界には「醤油」がなかった。

醤油抜きでそれっぽく作った肉じゃがも好評であったが。



同じ材料で「豚肉の生姜焼き」も作れそうなのだが、やはり醤油がない。

料理本を調べたら、醤油を使わず塩を使った生姜焼きというのがあったので作ってみた。それはそれで美味かったのだが・・・。

しかし、残念である。他にも、醤油がないとできない料理が多すぎる。

日本の料理の基本は、酒・醤油・みりんがほとんどである。醤油がないと作れる料理が大幅に狭まってしまう・・・。

資料を漁って醤油の作り方を調べてみたコジローであったが、醤油は個人で作れるほど簡単ではないようであった。材料さえ手に入れば作れないことはないようなのだが、その「材料」が手に入らない。菌を培養するラボと、醤油製造にも専用の施設と人間を使ってしっかりした温度管理が必要になる。醤油は、発酵食品なのである。



とりあえず、醤油は後回しにすることにした。いずれ誰かに相談して、微生物発酵の研究が行えるラボでも作りたいなと思う。味噌や漬物、納豆にヨーグルトなど、発酵食品も色々と夢が広がるが、それは後回しにして、まずは料理よりも調味料から挑戦してみる事にしたのである。この世界に決定的に足りないのは、まず調味料であるとコジローは思い始めていた。

とりあえず欲しいのは、ソース・ケチャップ・マヨネーズ。一番欲しかったのは醤油なのだが仕方がない。

作り方は調べれば分かるだろう、資料が足りなければ、ゼフトに言ってもっと持ってきてもらおう。



もちろん、この世界にも調味料はある。

塩・酒・みりん・胡椒はこの世界にも似たものがあるのを入手済み。

胡椒以外のスパイスも色々あって、現在各地から物色中・・・

領内で手に入らなければ、いずれ他の貴族の領地、さらには外国にまで行ってみてもいいかも知れないとコジローは思っていた。



調味料第一段のソースは、既にネリーの力で完成に近いものができあがっている。

実は、基本の作り方を教えて、材料・調味料の配合はネリーとモニカに試行錯誤を任せたのだが、ネリーは料理が上手で、予想以上に上手にソースを作り上げてくれたのであった。

第二弾として、コジローが選んだのはマヨネーズ。これも、食卓に絶対欠かせない調味料である。

これは、調べなくてもコジローが作り方を知っていたからである。うろ覚えであったのだが、確か、マヨネーズは、卵黄と油、酢を混ぜれば作れてしまうはずだ。

早速試してみたが、行けそうである。配合比率が分からないが、ネリーに話すと喜んで試行錯誤し、マヨネースを作り上げてくれた。

マヨネーズはモニカも大好きだったようで、大変喜んでいた。

ネリーはその後改良を重ね、唐辛子なども隠し味に入れたりして、オリジナルレシピを作り上げたようだ。



マヨネーズがあるだけで、かなり料理の幅が広がる。

野菜に付けて食べるのはもちろんの事、パンやご飯に掛けても良い。(米はまだ見つかっていないが、それに近いものが有るらしいという情報は既に掴んでいる)
マヨネーズを使って炒めものをしてもよい。
マヨネーズをベースに、さらに別の調味料はスパイスを加えて新しいソースを作っても良い。
完成済みの「ソース」と混ぜても良い。

そこで、コジローは、オムレツやハンバーグには、ケチャップとマヨネーズを掛ける派だったのを思い出した。

次にコジローが挑戦したのは、ケチャップであった。


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