13 / 66
第一章 再会
第13話 ウチ来る?
しおりを挟む
ルーク「いや、川で汲んだただの水だけど?」
少女「ただの川の水がこんなに美味しいわけない!」
ルーク「いや、本当なんだけどね……」
実はルークがクリーンを掛けた水は、誰もが驚く美水となるのだ。
ルーク「そんな事より、どうしてこんなところで倒れていたのさ?」
少女「は! そうだった……私は、私達は、毒を持った魔物に襲われたんだった。ポイズンドートにポイズンリザード、挙げ句のはてにフォレストサーペントまで出てきて……」
ルーク「もしかして西の毒の沼に行ったの? あそこはまともな人間なら近づかない場所だよ?」
少女「依頼だったんだから仕方ないでしょ……私は反対したんだけど、パーティリーダーがどうしてもやるっていうから仕方なく……だけどアイツラ! 私を置き去りにして逃げやがったのよ」
ルーク「それはご愁傷さま。人間は裏切るからね。でも、それでよく助かったね?」
少女「必死で逃げたら、モンスターはなんとか振り切れて、助かったのよ。でも、油断したところで毒蛇に噛まれてしまって。魔物じゃじなくて普通の毒蛇ね。ポーション飲みながらなんとか街を目指してたんだけど、とうとう力尽きて」
ルーク「ああ、ポーションでは毒状態は治らないからね」
少女「あなたが助けてくれたの?」
ルーク「うん、もう大丈夫だよ、毒はもう消えてるはず」
少女「あなたが【キュア】(毒消しの魔法)を掛けてくれたのね? 私はポーリン、あなたは?」
ルーク「僕はルーク。掛けたのは【キュア】じゃなくて【クリーン】なんだけどね」
ポーリン「嘘、【クリーン】なんかで毒状態が治るわけないじゃない……あらでも、身体が綺麗になってるわね」
ルーク「ああ、普通はそうらしいね。僕の【クリーン】は普通じゃないって言われた」
ポーリン「信じられない話だけど、助かったのは事実だから、お礼を言うわ。どうもありがとう」
礼を言い、立ち上がろうとしたポーリンだったが、足に力が入らずよろけてしまう。
ルーク「大丈夫かい? そんな状態で街まで戻れるかい?」
ポーリン「お……」
ルーク「お?」
ポーリン「送ってくれない? 街まで…」
ポーリンは可愛らしく上目遣いで言ってきた。
ポーリン「どうせ助けたんだったら最後まで面倒みようよ? どうせあなたも街に帰るんでしょ? 戻ったらちゃんとお礼もするから」
ルーク「えええ~今、僕は街から帰ってきたところなんだけど? 爺ちゃんが待ってるから早く家に帰らなくちゃ」
ポーリン「ちょと何言ってるの? あなた、ルークは一体どこに帰るの?」
ルーク「森の奥だけど? 街とは反対方向…」
ポーリン「……もしかして! 森の隠者?! 森の中に隠れ住む魔法使いが居るって噂があったけど、ルークが…違うか、そのお爺ちゃんがそうなのね?」
ルーク「そんな噂があるの? 知らんけど、そんな状態じゃ街まで辿り着けそうにはなさそうだね…
…しょうがない、一緒に来る? 一晩泊まっていけばいい、明日になったら街まで送ってあげるよ」
ポ―リン「一晩泊めて、何かする気じゃないでしょうね?」
自分の身体を両手で抱いてポーリンがジト目で言った。
ルーク「言ったろ、僕一人じゃない、爺ちゃんも一緒だよ」
ポーリン「森の奥に隠れ住み、長いこと人と会ってなかった老人は、久々に見た若い女の肌に目がくらみ、夜中、寝室に忍び込み……って話が最近街で人気の吟遊詩人が夜の酒場でしてる小話なのよ」
ルーク「ちょっと何言ってるのか分からないけど」
ポーリン「まぁその…お爺さんじゃなくてアナタだったら……」
ルーク「?」
ポーリン「い、命を助けられたんだし、お礼にって言われたら仕方ない、断れないワヨネ……」(ポ)
ルーク「何してるの、さぁ行くよ?」
ポーリン「あ、ちょっと待ってよぉ…」
少女「ただの川の水がこんなに美味しいわけない!」
ルーク「いや、本当なんだけどね……」
実はルークがクリーンを掛けた水は、誰もが驚く美水となるのだ。
ルーク「そんな事より、どうしてこんなところで倒れていたのさ?」
少女「は! そうだった……私は、私達は、毒を持った魔物に襲われたんだった。ポイズンドートにポイズンリザード、挙げ句のはてにフォレストサーペントまで出てきて……」
ルーク「もしかして西の毒の沼に行ったの? あそこはまともな人間なら近づかない場所だよ?」
少女「依頼だったんだから仕方ないでしょ……私は反対したんだけど、パーティリーダーがどうしてもやるっていうから仕方なく……だけどアイツラ! 私を置き去りにして逃げやがったのよ」
ルーク「それはご愁傷さま。人間は裏切るからね。でも、それでよく助かったね?」
少女「必死で逃げたら、モンスターはなんとか振り切れて、助かったのよ。でも、油断したところで毒蛇に噛まれてしまって。魔物じゃじなくて普通の毒蛇ね。ポーション飲みながらなんとか街を目指してたんだけど、とうとう力尽きて」
ルーク「ああ、ポーションでは毒状態は治らないからね」
少女「あなたが助けてくれたの?」
ルーク「うん、もう大丈夫だよ、毒はもう消えてるはず」
少女「あなたが【キュア】(毒消しの魔法)を掛けてくれたのね? 私はポーリン、あなたは?」
ルーク「僕はルーク。掛けたのは【キュア】じゃなくて【クリーン】なんだけどね」
ポーリン「嘘、【クリーン】なんかで毒状態が治るわけないじゃない……あらでも、身体が綺麗になってるわね」
ルーク「ああ、普通はそうらしいね。僕の【クリーン】は普通じゃないって言われた」
ポーリン「信じられない話だけど、助かったのは事実だから、お礼を言うわ。どうもありがとう」
礼を言い、立ち上がろうとしたポーリンだったが、足に力が入らずよろけてしまう。
ルーク「大丈夫かい? そんな状態で街まで戻れるかい?」
ポーリン「お……」
ルーク「お?」
ポーリン「送ってくれない? 街まで…」
ポーリンは可愛らしく上目遣いで言ってきた。
ポーリン「どうせ助けたんだったら最後まで面倒みようよ? どうせあなたも街に帰るんでしょ? 戻ったらちゃんとお礼もするから」
ルーク「えええ~今、僕は街から帰ってきたところなんだけど? 爺ちゃんが待ってるから早く家に帰らなくちゃ」
ポーリン「ちょと何言ってるの? あなた、ルークは一体どこに帰るの?」
ルーク「森の奥だけど? 街とは反対方向…」
ポーリン「……もしかして! 森の隠者?! 森の中に隠れ住む魔法使いが居るって噂があったけど、ルークが…違うか、そのお爺ちゃんがそうなのね?」
ルーク「そんな噂があるの? 知らんけど、そんな状態じゃ街まで辿り着けそうにはなさそうだね…
…しょうがない、一緒に来る? 一晩泊まっていけばいい、明日になったら街まで送ってあげるよ」
ポ―リン「一晩泊めて、何かする気じゃないでしょうね?」
自分の身体を両手で抱いてポーリンがジト目で言った。
ルーク「言ったろ、僕一人じゃない、爺ちゃんも一緒だよ」
ポーリン「森の奥に隠れ住み、長いこと人と会ってなかった老人は、久々に見た若い女の肌に目がくらみ、夜中、寝室に忍び込み……って話が最近街で人気の吟遊詩人が夜の酒場でしてる小話なのよ」
ルーク「ちょっと何言ってるのか分からないけど」
ポーリン「まぁその…お爺さんじゃなくてアナタだったら……」
ルーク「?」
ポーリン「い、命を助けられたんだし、お礼にって言われたら仕方ない、断れないワヨネ……」(ポ)
ルーク「何してるの、さぁ行くよ?」
ポーリン「あ、ちょっと待ってよぉ…」
16
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~
雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。
収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~
SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。
物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。
4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。
そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。
現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。
異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。
けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて……
お読みいただきありがとうございます。
のんびり不定期更新です。
追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する
Miiya
ファンタジー
「テイマーって面白そうだったから入れてたけど使えんから出ていって。」と言われ1ヶ月間いたパーティーを追放されてしまったトーマ=タグス。仕方なく田舎にある実家に戻りそこで農作業と副業をしてなんとか稼いでいた。そんな暮らしも半年が経った後、たまたま飼っていたスライムと小鳥が最強になりもう一度冒険をすることにした。そしてテイマーとして覚醒した彼と追放したパーティーが出会い彼の本当の実力を知ることになる。
変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる