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序章
第8話 冒険者誕生……?
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山の洞窟での生活は、しばらくは快適であった。
【クリーン】のおかげでいつも身体も衣服も住居も清潔であったし、森の中には果物も豊富であった。たまにみつける動物や魔物を狩って干し肉も順調に貯蓄していった。
手に入れたオークの剣と形見のナイフも、ちゃんと研いで切れ味を保っている。河原や森の中などで石を拾って刃を研いだのだ。様々な石を試して、そのうちちょうどよい感じの石をみつける事ができた。
毎日研いでいるうちに、オークの剣もかなり切れ味がよくなり、魔法を使わなくても動物や魔物を倒せるようになってきた。
ただ、たまに見かけるゴブリンだけは、不味くて干し肉にするのは諦めたのだが。もちろん【クリーン】を使って処理すれば臭いも消え、食べても害はないのだが、なにせ味が不味いのだ。
ゴブリンも群れで行動するので、数体ずつまとめて出る事が多いが、ゴブリンは弱い。ルークには【ドライ】もあるし、手に入れたオークの剣を振り回せばそれだけでも十分倒す事ができた。
だが、困るのはその死体である。持ち帰っても食料にはならない。しかし放置すれば腐って酷い悪臭が漂うようになる。冒険者ならば埋めるか燃やすのがルールであるが、身体の小さいルークにはそれも難しい。せめて、なるべく洞窟から離れた場所まで運んで捨てようとしたが、ルークにはそれだけでも大変な重労働であったのだ。
そこで、ルークはゴブリンに【ドライ】を掛けてみる事を思いついた。何度も重ね掛けし干からびるまで完全に乾かしてしまう。そうなれば、ゴブリンもただの燃料である。【クリーン】を使えば燃やしても臭いもしなくなる。それからは、ゴブリンは見つける度に殺して燃やして処分する事にした。
【ドライ】も繰り返しているうち、完全に干からびさせるのにそれほどの回数は必要なくなった。何度も繰り返し使った事でルークの【ドライ】はさらに強力になり、魔力も増えたのだ。
そんな風に、森の中でなんとかルークは一人で生きていた…。
そんなある日、ルークは森の中で一匹のオークを見つけた。
ゴブリンと違ってオークは手強い。一匹ならルークでも十分に倒せるが、群れとなると危険である。
だが、見回してみても周囲に他のオークは居ない。またはぐれオークだろう思い、干し肉にしてやろうとルークは後を追ったのだが……
実はそのオークははぐれではなく、 “囮” だったのだ……。
巧妙に森の奥に誘い込まれたルークは、気がつけばオークの群れに囲まれていた。
オークはゴブリンよりも知恵が回る。人間の武器や鎧と同じようなものを使う。なぜ魔物がそんな “道具” を持っているのかルークには分からなかったが。
ルークは群れで襲われた時は逃げると決めていた。当然追われるが、逃げているうちに魔物と一対一になっていく。そうなれば一匹ずつ、【ドライ】で倒してしまう事もできるようになる。そんな知恵も、ルークは不思議と自然に閃くのであった。
だが、今回はそうは行かなかった。完全に周囲を囲まれ、逃げ道を塞がれていたのである。
囲まれたなら、囲みの一端を破って逃げるしかない。
ルークは一番近くにいたオークを【ドライ】で倒した。しかし、オークは三匹ずつグループを作ってルークを囲んでおり、一匹倒しているうちに別のオークに攻撃されてしまう。
何度か攻防を繰り返し、やっとルークは囲みの一箇所を破った。走り出すルーク。
しかし、その時背中に激しい痛みが走る。
見ると、肩の後ろに矢が刺さっていた。オークの中に、弓を使うものが居たのだ……
倒れるルーク。
オークはやはり危険であった。
武器を使い、知恵もある。力も強く動きも素早い。ルークのような幼い子供がオークの群れと戦うのはまったくの無謀でしかない。
ルークは、一人でも、森の中で生きていけると思っていた。
しかし、それはやはり、稚拙で無謀な考えであったのだ。
これまでは、たまたま危険な動物や魔物に出会わなかっただけなのである。
だが、いつまでもラッキーだけが続く事はない。いずれアンラッキーな出来事も起きる。そして、森の中ではそれは死に直結している……。
倒れたルークの背後にオークが迫る。
オークはニヤリと笑い、剣を持ち上げ、突き降ろした。
オークの剣が身体を貫く感触。
直後に激しい痛み。
薄れていく意識の中、ルークは自分の傷に【クリーン】を掛けていた。
(剣で貫かれた傷に【クリーン】を掛けても治りはしない。とはいえ仮に使ったのが【ヒール】であったとしても、剣で身体を貫かれた傷を治すことはできなかったであろうが。)
ルークはただ必死で、生き延びようと本能的にできる事を、一番自分が得意である魔法を使ったのであった…。
そして、ルークの意識は完全に闇に包まれたのであった……
* * * * *
結局、シスター・アマリアは教会を出た。
そして、冒険者として登録した。
もちろん、ルークを探すためである。
もうルークは生きていないだろうと皆が言った。
アマリアも薄々そうじゃないかとは思っていた。
だが、せめて死体でもいいから見つけて弔ってやりたい。
弔われなかった死体はアンデッド化してしまう事がある。教会の教えでは、アンデッド化した魂は未来永劫彷徨い歩き、天国に行けなくなると言われていた。
もし、ルークがアンデッド化していたら、それを倒して魂を旅立たせてやるのも自分の責任だとアマリアは思っていたのだ。
アマリアの意志は固く、シスター長のココアレスも止める事ができなかった。
アマリアはシスターをきっぱりと辞めるつもりであったが、しかし、その必要はないと神父様が言った。どこに居ても神は見ている。たとえ冒険者をしていても、神に仕える事はできる、と。
そして、ルーク(の死体)をみつけたら、いつでも教会に連れ帰ってきなさいと言った。教会に墓を作り、きちんと祈りを捧げ、天国に送り出してあげようと言ってくれたのだ。
こうして、アマリアはシスターでありながら冒険者となったのであった。
だが、アマリアは華奢な細腕のシスターだったのだ。冒険者に登録したからと言って、いきなり強くなるわけでもない。だがアマリアは必死で学び、鍛えた。
やがていつしか、アマリアは見習い冒険者を卒業し、仲間を得て、一人前の冒険者として活動するようになった。
回復系魔法が得意であったアマリアはそれなりに冒険者達に重宝された。
そうして一人前になったアマリアは、冒険者として街の周辺で活動をしながら、毎日どこかにルークの足跡がないか探すようになったのだ。
だが……
…ルークの行方は杳として知れなかった。
* * * * *
それからどれだけの月日が流れたであろうか、人々はすっかりルーク少年の事を忘れた。
アマリアだけはルークの事を忘れた事はなかったが。
そしてある日、ついにアマリアはルークと再会する事になる。
【クリーン】のおかげでいつも身体も衣服も住居も清潔であったし、森の中には果物も豊富であった。たまにみつける動物や魔物を狩って干し肉も順調に貯蓄していった。
手に入れたオークの剣と形見のナイフも、ちゃんと研いで切れ味を保っている。河原や森の中などで石を拾って刃を研いだのだ。様々な石を試して、そのうちちょうどよい感じの石をみつける事ができた。
毎日研いでいるうちに、オークの剣もかなり切れ味がよくなり、魔法を使わなくても動物や魔物を倒せるようになってきた。
ただ、たまに見かけるゴブリンだけは、不味くて干し肉にするのは諦めたのだが。もちろん【クリーン】を使って処理すれば臭いも消え、食べても害はないのだが、なにせ味が不味いのだ。
ゴブリンも群れで行動するので、数体ずつまとめて出る事が多いが、ゴブリンは弱い。ルークには【ドライ】もあるし、手に入れたオークの剣を振り回せばそれだけでも十分倒す事ができた。
だが、困るのはその死体である。持ち帰っても食料にはならない。しかし放置すれば腐って酷い悪臭が漂うようになる。冒険者ならば埋めるか燃やすのがルールであるが、身体の小さいルークにはそれも難しい。せめて、なるべく洞窟から離れた場所まで運んで捨てようとしたが、ルークにはそれだけでも大変な重労働であったのだ。
そこで、ルークはゴブリンに【ドライ】を掛けてみる事を思いついた。何度も重ね掛けし干からびるまで完全に乾かしてしまう。そうなれば、ゴブリンもただの燃料である。【クリーン】を使えば燃やしても臭いもしなくなる。それからは、ゴブリンは見つける度に殺して燃やして処分する事にした。
【ドライ】も繰り返しているうち、完全に干からびさせるのにそれほどの回数は必要なくなった。何度も繰り返し使った事でルークの【ドライ】はさらに強力になり、魔力も増えたのだ。
そんな風に、森の中でなんとかルークは一人で生きていた…。
そんなある日、ルークは森の中で一匹のオークを見つけた。
ゴブリンと違ってオークは手強い。一匹ならルークでも十分に倒せるが、群れとなると危険である。
だが、見回してみても周囲に他のオークは居ない。またはぐれオークだろう思い、干し肉にしてやろうとルークは後を追ったのだが……
実はそのオークははぐれではなく、 “囮” だったのだ……。
巧妙に森の奥に誘い込まれたルークは、気がつけばオークの群れに囲まれていた。
オークはゴブリンよりも知恵が回る。人間の武器や鎧と同じようなものを使う。なぜ魔物がそんな “道具” を持っているのかルークには分からなかったが。
ルークは群れで襲われた時は逃げると決めていた。当然追われるが、逃げているうちに魔物と一対一になっていく。そうなれば一匹ずつ、【ドライ】で倒してしまう事もできるようになる。そんな知恵も、ルークは不思議と自然に閃くのであった。
だが、今回はそうは行かなかった。完全に周囲を囲まれ、逃げ道を塞がれていたのである。
囲まれたなら、囲みの一端を破って逃げるしかない。
ルークは一番近くにいたオークを【ドライ】で倒した。しかし、オークは三匹ずつグループを作ってルークを囲んでおり、一匹倒しているうちに別のオークに攻撃されてしまう。
何度か攻防を繰り返し、やっとルークは囲みの一箇所を破った。走り出すルーク。
しかし、その時背中に激しい痛みが走る。
見ると、肩の後ろに矢が刺さっていた。オークの中に、弓を使うものが居たのだ……
倒れるルーク。
オークはやはり危険であった。
武器を使い、知恵もある。力も強く動きも素早い。ルークのような幼い子供がオークの群れと戦うのはまったくの無謀でしかない。
ルークは、一人でも、森の中で生きていけると思っていた。
しかし、それはやはり、稚拙で無謀な考えであったのだ。
これまでは、たまたま危険な動物や魔物に出会わなかっただけなのである。
だが、いつまでもラッキーだけが続く事はない。いずれアンラッキーな出来事も起きる。そして、森の中ではそれは死に直結している……。
倒れたルークの背後にオークが迫る。
オークはニヤリと笑い、剣を持ち上げ、突き降ろした。
オークの剣が身体を貫く感触。
直後に激しい痛み。
薄れていく意識の中、ルークは自分の傷に【クリーン】を掛けていた。
(剣で貫かれた傷に【クリーン】を掛けても治りはしない。とはいえ仮に使ったのが【ヒール】であったとしても、剣で身体を貫かれた傷を治すことはできなかったであろうが。)
ルークはただ必死で、生き延びようと本能的にできる事を、一番自分が得意である魔法を使ったのであった…。
そして、ルークの意識は完全に闇に包まれたのであった……
* * * * *
結局、シスター・アマリアは教会を出た。
そして、冒険者として登録した。
もちろん、ルークを探すためである。
もうルークは生きていないだろうと皆が言った。
アマリアも薄々そうじゃないかとは思っていた。
だが、せめて死体でもいいから見つけて弔ってやりたい。
弔われなかった死体はアンデッド化してしまう事がある。教会の教えでは、アンデッド化した魂は未来永劫彷徨い歩き、天国に行けなくなると言われていた。
もし、ルークがアンデッド化していたら、それを倒して魂を旅立たせてやるのも自分の責任だとアマリアは思っていたのだ。
アマリアの意志は固く、シスター長のココアレスも止める事ができなかった。
アマリアはシスターをきっぱりと辞めるつもりであったが、しかし、その必要はないと神父様が言った。どこに居ても神は見ている。たとえ冒険者をしていても、神に仕える事はできる、と。
そして、ルーク(の死体)をみつけたら、いつでも教会に連れ帰ってきなさいと言った。教会に墓を作り、きちんと祈りを捧げ、天国に送り出してあげようと言ってくれたのだ。
こうして、アマリアはシスターでありながら冒険者となったのであった。
だが、アマリアは華奢な細腕のシスターだったのだ。冒険者に登録したからと言って、いきなり強くなるわけでもない。だがアマリアは必死で学び、鍛えた。
やがていつしか、アマリアは見習い冒険者を卒業し、仲間を得て、一人前の冒険者として活動するようになった。
回復系魔法が得意であったアマリアはそれなりに冒険者達に重宝された。
そうして一人前になったアマリアは、冒険者として街の周辺で活動をしながら、毎日どこかにルークの足跡がないか探すようになったのだ。
だが……
…ルークの行方は杳として知れなかった。
* * * * *
それからどれだけの月日が流れたであろうか、人々はすっかりルーク少年の事を忘れた。
アマリアだけはルークの事を忘れた事はなかったが。
そしてある日、ついにアマリアはルークと再会する事になる。
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