夢幻洞図書館～本を紹介します～

そ の 他

『世界の性習俗』(風俗）

　　　　　　　　　　杉岡　幸徳　著
　　　　　　　　　　　　　角川新書

　日本でアブノーマルな性癖と言えば、男色、レズ、近親相姦、死姦、獣姦、その他多数。

　倫理上問題なものに、寝とり、不倫、その他。

　更に法律上不可能なものに、一夫多妻、一妻多夫、誘拐しての性交強要などと、法律上社会上様々な性的タブーがあります。

　しかし、一歩日本の外に出てみると、世界がいかに性に寛容か(奔放、ルーズ?）がこの本を読むと分かります。

　社会はシンプルになればなるほど、それに反比例して性は解放的になっていくようです。現在でも世界中に存在する原始的な社会はもちろん、日本も含めて文明社会も、過去に遡るにつれて性に対して奔放でした。

　中でも日本は、来日した外国人達から、淫らと言うくらい性的に奔放と見られていました。
南蛮船から黒舟まで、いずれも同様の感想だったようです。

　特に男色が盛んだったらしく、来日した宣教師達をいたく憤慨させていました。

　このような日本の傾向は現在も続き、並外れて卑猥な日本の性文化は、"HENTAI (変態）"と英語になるほどです。

　日本でタブー視されている性習俗は、海外では割合普通ですが、日本で寛容なマニア向けのポルノは、世界的には際どいようです。

　普段から当たり前のように存在している風俗が、世界的にどのような位置に立ち、どのような性質を持っているか、性に関心を持つものなら、誰でも気になることだと思います。

　世界の風俗を知り、返す刀で日本の風俗を振り替えることで、自分自身の世界における立ち位置が判るかも知れません。