21 / 78
人智を超える者
5.だからモテないのね
しおりを挟む
俺もベランダに出たが……ムッとした熱気でクラっとする。八丁堀の地味な夜景を隅田川の支流が反射してゆらゆらと光っている。下を見るとやはり高い……心臓がヒュンッとする。いや、ここに座るのはきつい……。
不安げな美奈ちゃんにクリスは、麻里ちゃんへ電話するように言った。
「え? 出るかなぁ?」
「…。大丈夫、今の精神状態なら出られます」
「そ、そうなの? それじゃぁ……」
美奈ちゃんは電話を掛けた
「あ、麻里? 今大丈夫? うん、うん、あ、ちょっと待って、話して欲しい人が居るの」
そう言ってスマホをクリスに渡す。
「はじめまして、美奈ちゃんの友達のクリスと言います。今回の事件について佐多が犯行を自供しました。処罰について麻里さんのご意見を聞かせてください。……はい……はい……お気持ちは良く分かります。ただもう自供しているので煮るなり焼くなり麻里さんのお気持ちが済むようにいくらでもという感じでして……はい……はい……では美奈ちゃんに替わります」
「麻里、ゴメンね、急で……でももう佐多は観念してるので……え?殺して?」
なんだか不穏なキーワードが出て来たぞ……
佐多の表情が一気に堅くなった。
「とりあえず、現在の状況はこちら……」
そう言って美奈ちゃんは通話をビデオモードにして手すりでビビってる佐多の姿を中継し始めた。
クリスはゆっくり中継中の美奈ちゃんを窓際まで案内し、二人の間に立った――――
二人を交互に見ると、麻里ちゃんに言った。
「この男は重罪人だ。裁かれねばならない。どういう裁きかは麻里さんが決めてくれ」
「……」
麻里ちゃんは黙っている。
クリスは選択肢を挙げる。
「1、こいつをこのまま落とす」
「え? ちょっとまって……」
佐多が涙目で懇願する。
「2、職場と恋人と親戚一同に自供内容を送って社会的に殺す」
会社はクビ、居場所も無くなるだろうな。
「3、示談金500万円をもらう……。以上、どれがいい?」
佐多の額に冷や汗が浮かんでいる。佐多にとってはどれも相当にしんどい話だ。
「本心で言えば1……」
スマホのスピーカーから麻里ちゃんの声が響く。
佐多の頬がピクっと動く。
クリスがちょっとわざとらしく押す振りをする。
佐多の額に冷や汗が流れる。
「え? これ1を選んだら本当に落とすんですか?」
麻里ちゃんの質問にクリスは力強く伝える。
「…。もちろん」
佐多の表情が険しくなる。
「自供を送るのも……いいわね……」
佐多が口を真一文字にしてうつむく。
「うーん、殺すのは……ちょっと後味悪そう……だよね? 美奈はどう思う?」
「麻里の好きにしなよ。殺したければ殺しちゃおうよ、こいつはそれだけの事をしたんだ。自業自得よ!」
佐多は厳しい顔して目を閉じる。自分の犯した罪の重さをしっかりと感じて欲しい。
「美奈だったらどうする?」
「私? 私だったら迷わず殺すわよ!」
そう言って佐多をキッと睨んだ。
「……。美奈ありがと……。決めたわ……。お金にするわ。500万あったら海外旅行行けるし」
麻里ちゃんは少し吹っ切れたような声で言った。
「…。お金でいいのか?」
「どれ選んでも私の人生についた傷は消えない……だったら復讐というより楽しい事できるお金の方が……いいかなって」
「…。そうか……」
クリスは佐多に向き直ると
「…。500万用意しろ。今週中に振り込む事。振り込まれなかった場合警察に通報し、写真をみんなに送る。いいな?」
「ちょ、ちょっと待って! 今週中に500万なんて大金無理だよ!」
顔を真っ赤にして反論する佐多。
「…。君のパパに土下座しなさい。君のパパなら500万円位すぐに貸してくれる」
「いや、でも、パパとは今喧嘩してて……」
「お前の都合など聞いてない、振り込まれなければ通報するまで。良く考えなさい」
クリスはそう言い放つとドン! と佐多の胸を右手で強く押し放った――――
「うわっ! ギャ―――――!!!」
不意を突かれた佐多は空中を両手でもがくとそのまま後ろに落ちていった。
俺も美奈ちゃんもクリスの突然の凶行に唖然としたが、すぐに手すりに走り寄って下を見た。
「うぉぉぉぉー!!」
喚きながら佐多は真っ逆さまに落ちていき……途中淡い光に包まれて自転車置き場の脇に落ちた。
ボヨヨォン~
弾む音がしてスーパーボールのように大きく跳ね返り、3階ぐらいの高さまで跳ね上がった。
「おぉぉぉ~!」
まだ佐多は喚いている。生きているようだ。良かった。
再度落ち、自転車にぶつかり、自転車置き場の屋根と壁の辺りをドガガガガと高速に往復しながら弾み、横のゴミ置き場に吹き飛んだ。
バーン!
ゴミ袋が破裂し、佐多は動かなくなった。
人間ピンボールである。こんなの初めて見た。
「アッハッハ―――――ッ! ハッハッハ―――――ッ! ひー苦しいぃ」
スマホの向こうから凄い笑い声が聞こえる。
自分を襲ったレイプ魔が人間ピンボールになってゴミ置き場に転がってるのだ、相当に気が晴れたに違いない。
美奈ちゃんも腹を抱えて笑いながら部屋に転がった。
「誠さん、見た? あいつ『うぉぉー』だって! バーッカじゃないの! ハッハッハ―――――ッ! ヒ―――――ッ! あー苦しぃ!」
この二人、すごい気が合うんだろうな―――
クリスが玄関から佐多の靴を持ってくると一つをゴミ捨て場に転がってる佐多に向けて投げつけた。靴は手前で大きくバウンドして佐多の頭に当たる。
佐多はそれで気が付いたのか頭をさすりながらゆっくり起き上がった。
「あー、クリス!」
美奈ちゃんが笑い過ぎてハァハァいいながら立ち上がった。
「私も投げるぅ!」
そう言ってクリスから靴を奪うと、
「麻里! 見ててねっ!」
そう言って、
「レイプ魔! 死ね――――!」
そう叫びながら佐多に向って勢い良く投げた。
靴は佐多の向こうのゴミ置き場の壁に落ち、バウンドして佐多のお尻に当たった。
「当たりぃ~!」
また美奈ちゃんはゲラゲラと笑い出した。
佐多は靴を拾うと履いてよろよろよろけながら帰って行った。
お気の毒だと思う反面、あのレイプ写真を思えば自業自得だろうとも思う。
500万円用意してもらうしかない。
美奈ちゃんは一通り笑い終わると麻里ちゃんと電話で話し始めた。
「うん……、うん……、良かったね……。大学……来てね……。待ってるからね……。うん……。うん……。」
美奈ちゃんの目に涙が光っていた。
電話が終わると美奈ちゃんはクリスに抱きついてお礼を言った。
「おかげで麻里はなんか吹っ切れたみたい。クリスのおかげ、本当にありがとう」
そして頬に軽くキスをした。
ちょっと妬ける。
「…。それは良かった」
クリスは彼女をハグしながら微笑んだ。
「500万円、本当に払うかなぁ?」
「…。それは大丈夫。正しい賠償だ」
「そう? じゃ、麻里と海外旅行でも行こうかなぁ?」
美奈ちゃんはニコニコしている。
一件落着、これは乾杯しなくては。
「さぁ、麻里ちゃんの500万円に乾杯するぞ~!」
「うふふ、いいね!」
「カンパーイ!」「カンパーイ!」
俺は缶ビールを一気に飲み干した。
Ariana Grandeの熱唱が3人を包む。
その後明け方まで楽しく飲んで―――
美奈ちゃんは始発で帰るらしい。
帰り際、玄関に見送りに来た俺に、靴を履きながら美奈ちゃんが言った、
「誠さんはレイプしちゃダメよ!」
俺はムッとして
「俺は女の子の嫌がる事は絶対にやらないの!」
と、胸を張って言った。
ところが――――
「うーん、だから誠さんモテないのね」
美奈ちゃんはそう言って肩をすくめて天を仰いだ。
「えっ!? ちょっと、それはどういう……」
俺が言い返そうとすると美奈ちゃんはピンと伸ばした人差し指で俺の口をふさぎ、琥珀色の瞳で俺を見据えながら
「安全地帯に居るから大丈夫、なんて一番ダメな発想だわよ!」
そう言い放つと軽くウィンクをして、クルっと背を向けて帰路についた。
俺は呆然としながら後姿を見送っていると、
「また明日~」
と、手を振りながらエレベーターに入っていった。
俺はあまりの事に混乱していた。今まで人として誠実であれと思って生きてきて、それを正しいと疑ってなかったが、女子大生にダメ出しをされてしまった。レイプもダメだが誠実もダメ……。これは一体どういう事だろうか……。
不安げな美奈ちゃんにクリスは、麻里ちゃんへ電話するように言った。
「え? 出るかなぁ?」
「…。大丈夫、今の精神状態なら出られます」
「そ、そうなの? それじゃぁ……」
美奈ちゃんは電話を掛けた
「あ、麻里? 今大丈夫? うん、うん、あ、ちょっと待って、話して欲しい人が居るの」
そう言ってスマホをクリスに渡す。
「はじめまして、美奈ちゃんの友達のクリスと言います。今回の事件について佐多が犯行を自供しました。処罰について麻里さんのご意見を聞かせてください。……はい……はい……お気持ちは良く分かります。ただもう自供しているので煮るなり焼くなり麻里さんのお気持ちが済むようにいくらでもという感じでして……はい……はい……では美奈ちゃんに替わります」
「麻里、ゴメンね、急で……でももう佐多は観念してるので……え?殺して?」
なんだか不穏なキーワードが出て来たぞ……
佐多の表情が一気に堅くなった。
「とりあえず、現在の状況はこちら……」
そう言って美奈ちゃんは通話をビデオモードにして手すりでビビってる佐多の姿を中継し始めた。
クリスはゆっくり中継中の美奈ちゃんを窓際まで案内し、二人の間に立った――――
二人を交互に見ると、麻里ちゃんに言った。
「この男は重罪人だ。裁かれねばならない。どういう裁きかは麻里さんが決めてくれ」
「……」
麻里ちゃんは黙っている。
クリスは選択肢を挙げる。
「1、こいつをこのまま落とす」
「え? ちょっとまって……」
佐多が涙目で懇願する。
「2、職場と恋人と親戚一同に自供内容を送って社会的に殺す」
会社はクビ、居場所も無くなるだろうな。
「3、示談金500万円をもらう……。以上、どれがいい?」
佐多の額に冷や汗が浮かんでいる。佐多にとってはどれも相当にしんどい話だ。
「本心で言えば1……」
スマホのスピーカーから麻里ちゃんの声が響く。
佐多の頬がピクっと動く。
クリスがちょっとわざとらしく押す振りをする。
佐多の額に冷や汗が流れる。
「え? これ1を選んだら本当に落とすんですか?」
麻里ちゃんの質問にクリスは力強く伝える。
「…。もちろん」
佐多の表情が険しくなる。
「自供を送るのも……いいわね……」
佐多が口を真一文字にしてうつむく。
「うーん、殺すのは……ちょっと後味悪そう……だよね? 美奈はどう思う?」
「麻里の好きにしなよ。殺したければ殺しちゃおうよ、こいつはそれだけの事をしたんだ。自業自得よ!」
佐多は厳しい顔して目を閉じる。自分の犯した罪の重さをしっかりと感じて欲しい。
「美奈だったらどうする?」
「私? 私だったら迷わず殺すわよ!」
そう言って佐多をキッと睨んだ。
「……。美奈ありがと……。決めたわ……。お金にするわ。500万あったら海外旅行行けるし」
麻里ちゃんは少し吹っ切れたような声で言った。
「…。お金でいいのか?」
「どれ選んでも私の人生についた傷は消えない……だったら復讐というより楽しい事できるお金の方が……いいかなって」
「…。そうか……」
クリスは佐多に向き直ると
「…。500万用意しろ。今週中に振り込む事。振り込まれなかった場合警察に通報し、写真をみんなに送る。いいな?」
「ちょ、ちょっと待って! 今週中に500万なんて大金無理だよ!」
顔を真っ赤にして反論する佐多。
「…。君のパパに土下座しなさい。君のパパなら500万円位すぐに貸してくれる」
「いや、でも、パパとは今喧嘩してて……」
「お前の都合など聞いてない、振り込まれなければ通報するまで。良く考えなさい」
クリスはそう言い放つとドン! と佐多の胸を右手で強く押し放った――――
「うわっ! ギャ―――――!!!」
不意を突かれた佐多は空中を両手でもがくとそのまま後ろに落ちていった。
俺も美奈ちゃんもクリスの突然の凶行に唖然としたが、すぐに手すりに走り寄って下を見た。
「うぉぉぉぉー!!」
喚きながら佐多は真っ逆さまに落ちていき……途中淡い光に包まれて自転車置き場の脇に落ちた。
ボヨヨォン~
弾む音がしてスーパーボールのように大きく跳ね返り、3階ぐらいの高さまで跳ね上がった。
「おぉぉぉ~!」
まだ佐多は喚いている。生きているようだ。良かった。
再度落ち、自転車にぶつかり、自転車置き場の屋根と壁の辺りをドガガガガと高速に往復しながら弾み、横のゴミ置き場に吹き飛んだ。
バーン!
ゴミ袋が破裂し、佐多は動かなくなった。
人間ピンボールである。こんなの初めて見た。
「アッハッハ―――――ッ! ハッハッハ―――――ッ! ひー苦しいぃ」
スマホの向こうから凄い笑い声が聞こえる。
自分を襲ったレイプ魔が人間ピンボールになってゴミ置き場に転がってるのだ、相当に気が晴れたに違いない。
美奈ちゃんも腹を抱えて笑いながら部屋に転がった。
「誠さん、見た? あいつ『うぉぉー』だって! バーッカじゃないの! ハッハッハ―――――ッ! ヒ―――――ッ! あー苦しぃ!」
この二人、すごい気が合うんだろうな―――
クリスが玄関から佐多の靴を持ってくると一つをゴミ捨て場に転がってる佐多に向けて投げつけた。靴は手前で大きくバウンドして佐多の頭に当たる。
佐多はそれで気が付いたのか頭をさすりながらゆっくり起き上がった。
「あー、クリス!」
美奈ちゃんが笑い過ぎてハァハァいいながら立ち上がった。
「私も投げるぅ!」
そう言ってクリスから靴を奪うと、
「麻里! 見ててねっ!」
そう言って、
「レイプ魔! 死ね――――!」
そう叫びながら佐多に向って勢い良く投げた。
靴は佐多の向こうのゴミ置き場の壁に落ち、バウンドして佐多のお尻に当たった。
「当たりぃ~!」
また美奈ちゃんはゲラゲラと笑い出した。
佐多は靴を拾うと履いてよろよろよろけながら帰って行った。
お気の毒だと思う反面、あのレイプ写真を思えば自業自得だろうとも思う。
500万円用意してもらうしかない。
美奈ちゃんは一通り笑い終わると麻里ちゃんと電話で話し始めた。
「うん……、うん……、良かったね……。大学……来てね……。待ってるからね……。うん……。うん……。」
美奈ちゃんの目に涙が光っていた。
電話が終わると美奈ちゃんはクリスに抱きついてお礼を言った。
「おかげで麻里はなんか吹っ切れたみたい。クリスのおかげ、本当にありがとう」
そして頬に軽くキスをした。
ちょっと妬ける。
「…。それは良かった」
クリスは彼女をハグしながら微笑んだ。
「500万円、本当に払うかなぁ?」
「…。それは大丈夫。正しい賠償だ」
「そう? じゃ、麻里と海外旅行でも行こうかなぁ?」
美奈ちゃんはニコニコしている。
一件落着、これは乾杯しなくては。
「さぁ、麻里ちゃんの500万円に乾杯するぞ~!」
「うふふ、いいね!」
「カンパーイ!」「カンパーイ!」
俺は缶ビールを一気に飲み干した。
Ariana Grandeの熱唱が3人を包む。
その後明け方まで楽しく飲んで―――
美奈ちゃんは始発で帰るらしい。
帰り際、玄関に見送りに来た俺に、靴を履きながら美奈ちゃんが言った、
「誠さんはレイプしちゃダメよ!」
俺はムッとして
「俺は女の子の嫌がる事は絶対にやらないの!」
と、胸を張って言った。
ところが――――
「うーん、だから誠さんモテないのね」
美奈ちゃんはそう言って肩をすくめて天を仰いだ。
「えっ!? ちょっと、それはどういう……」
俺が言い返そうとすると美奈ちゃんはピンと伸ばした人差し指で俺の口をふさぎ、琥珀色の瞳で俺を見据えながら
「安全地帯に居るから大丈夫、なんて一番ダメな発想だわよ!」
そう言い放つと軽くウィンクをして、クルっと背を向けて帰路についた。
俺は呆然としながら後姿を見送っていると、
「また明日~」
と、手を振りながらエレベーターに入っていった。
俺はあまりの事に混乱していた。今まで人として誠実であれと思って生きてきて、それを正しいと疑ってなかったが、女子大生にダメ出しをされてしまった。レイプもダメだが誠実もダメ……。これは一体どういう事だろうか……。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる