金魚姫【一部公開】

まつのこ

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 すると、水は粘度を持ったように盛り上がっていき、アウラの身体を包み込んでいく。下から徐々にそれらはなくなっていき、アウラはすっきりとした表情をしていた。服の汚れもなくなっており、服は輝きを取り戻していた。

 再び小屋の中へと戻り、片付けを終えたディアの近くへと寄る。

「ベッド使っていいよ」

「……ディアは?」

「あたしはその辺で大丈夫。慣れてるから」

「……本当に?」

 何度も心配そうに尋ねるアウラがおかしかったのか、ディアはクスクスと笑っていた。

「本当だって。あたしは、アウラを探してあちこちを旅してたんだ。すっかりどんな環境でも休めるようになったよ」

「じゃあ、アウラのそばにいて」

「いいよ」

 アウラはようやくベッドに入り込み、横になって目を閉じた。

 その姿を確認すると、ディアは明かりを消してアウラの寝るベッドへもたれ掛かり、座った姿で目を閉じた。

 真っ暗闇の小屋の中には、規則正しい小さな寝息のみが聞こえていた。

 緊張が解けて安心してくれたことにほっとし、ディアもしっかり休むために意識を睡眠のために向けていった。
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