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ロマンティック・プランク

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「ねぇ、教えて?」

「っ……食べ終わって、店を出てからでもいいかな?」

「そうしたら、絶対に教えてくれる?」

「もちろん。でも、だからって一気に飲まないでね」

 杏里と繋いでいた手が離され、頭へと移動していく。そして優しく撫でていく。

 そうされながら、撫でられている当人はコクリと頷き、再びテーブルに置いていたグラスを手にした。

 疑いの眼差しがなくなり、ホッと胸を撫で下ろす柊であったが、まだどこか緊張感が抜けきれていなかった。

 それを隠しながら口にしていく酒の味は、あまり風味を感じられるものではなかった。

 一方の杏里は、自分の言ったことなど頭からすっかり抜けた様子で、柊が手にしないフライの残りを全て食べていた。
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