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ほろ酔いサイダー

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 俺の指摘により、ようやく気付いたような素振りを見せる。自分でも強いと思っていたようで、意外だったらしい。

 ようやく大人しくなったところで、そっと肩の腕を離し、デザートを買ってくると残して立ち上がる。

 あんな宏介の姿は今まで見たことなく、正直驚いた上にこれまで抱いたことのない感情が芽生えてしまいそうだった。だが、あれ以上飲ませると完全な酔っ払い状態になってしまう。

 ふと、子ども向けの飲み物の存在を思い出した。炭酸飲料が多くあった気がしたので、これなら多少誤魔化せるかもしれない。

 俺は先ほどの店へと向かう。もう満足した客も出てきたようで、ほんの少しだけ人が減っているような気がした。店の列も若干できていたが、それほど苦にならない程度であった。

 並んで待っている間にメニューを眺め、何にしようか決める。もうだいぶ満腹になってきたので、そろそろデザートでも頼もうか。

 そうこうしているうちに、すぐに順番がやってきた。

「ノンアルコールのアップルミントビアカクテル二つと、ワッフルお願いします」

「はいありがとうございます。お会計三千円になります」

 残っていた札を全て出し、再び横に促されて注文を待つ。だいぶ慣れてきたのか、中の方は少し落ち着いたようにも見える。
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