殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの

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腐った目を取り替えたい

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カテリーナとようやく会える!朝からそわそわして落ち着かない

「わざとらしくないが、おしゃれに見えて、感じが良くて、尚且つスタイルが良くみえる服を用意してくれ」

 メイドにオーダーすると、グレーのスラックスとセットになっているベスト、薄いピンクのシャツを出された。
 ふぅむ、この鍛えた体躯がしっかりと分かる上でのタイトなシルエット、悪くない。
 ネクタイは紫か…若々しさの中にも洗練された紳士のようだ。さりげなくピンも付けておこう


 スラックスに、シワがつかないように立ってカテリーナを待つ事にした。


 今日のお茶はカテリーナのストロベリーブロンドの髪に掛けて、ストロベリーティーを用意した。甘酸っぱい感じが恋を連想させる
まさにカテリーナと言う味だろう。


 メイドに案内されてカテリーナがやって来た。あれ?なんだ…。


 めちゃくちゃ可愛いじゃないかっ…!
 制服を着ていた時も際立って可愛かったが、ドレス姿のなんと可愛いことよ……

 デビュタントの時の初々しいしドレスとはまた違い、シンプルながらカテリーナの良さを最大限に引き出す……今まで私は一体何を見てきたと言うのだ!
 己の腐った目を恨む…こんな腐った目なんか取り外してやろうか!

…いや、そうなるとカテリーナを見れなくなる



 その白いデコルテに顔を埋めたい……サラサラの髪の毛に顔を埋めて匂いを嗅ぎたい……細い腰を抱きしめたい……胸の膨らみを堪能……だめだ……また危険な思考が。心臓が……変な汗まで


 カテリーナに前回の愚行を詫びて、縋る思いで告白をした。いや!縋った……
 私の婚約者じゃなくて良い

……カテリーナの婚約者になりたいのだ!
 そしたら考えてくれると言った。いや…言わせた?…ごめんなさい

 少し引いているような気もするが、なりふり構っていられない。自分勝手ですみません



 カテリーナの父である宰相に会いに行く。
「頼む、私を婚約者にしてほしい」頭を下げる


「…えっと、婚約者ですか?貴方の婚約者ではなく?」
「細かいことは気にしない!」


「娘には幸せになってほしいんですよ。王妃と言う立場で娘が幸せになれますかね?しかも殿下は娘に何をしました?」


 宰相に言われると、父と母の顔が思い浮かんだ……父は確かに浮気を繰り返し、母が苦労をしている……

 正妃である母しか娶ってはいないのだが……手を付けた女性が多すぎる……
 何人いるとか、聞きたくないけど耳に入ってくるんだよ……息子の私もドン引きだ!


 ちゃんと避妊はしているのか、私には母から生まれた弟がいるだけで、腹違いの兄弟は幸にしていない!


「婚約してくれるのなら婚約式で皆の前で誓う。側室や愛妾は取らんと。父の愚行が王家の威信を汚している。私はそうはならない。婚約者候補から外してしまった事は、愚かな私の視野の狭さがもたらした結果で、カテリーナやマドレーヌに申し訳ないと思っています」

 これは心からの言葉だ。宰相の目をしっかりと見て自分の言葉で伝えた。


「そこまで言うのならば、私は口を出しませんよ。あとは娘の気持ち次第です。求婚も絶えませんし、そろそろ相手を決めなくてはなりませんから……ただし!浮気してみろ!!一生後悔させてやるからな!」


 恐ろしい顔で私を睨んでくる……
 娘を思う親の顔なのだろうが、私は第一王子で近々王太子になり、将来的には国王になる身なんだが……


 宰相のように国を支えてくれる者たちがいるから国は成り立つのも事実。重々承知している、情けないが反論はしないでおこう。いや出来ません。


 一度婚約者候補から外しておいて、婚約者になって欲しいと言う愚かな男だ……

 友人の意見を聞いて恋と言うものを夢見たが、あいつらだけの意見を鵜呑みにした
本当に情けない。


 本当に愚かだった……こんな奴に娘をくれと言われて、ホイホイくれる様な侯爵家では無い。
 カテリーナは良い環境で育った。それも含めて信用を取り戻さないといけない


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