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婚約者ルイス

これが僕の本性だ

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「ねぇルイスさ、」
ジロリとみられる。まだ呼び捨てになれない
「なんでしょうか?お嬢様」
「やめてよぉ…」
「なに?どうかした」
はそのなんで…何かに怒っているでしょう?私何も言っていないのにどうして知っているの?」
考える素振りを見せるルイス

「これを知ったらリージアは、うちから離れられなくなるけどそれでも聞くなら答える」

どう言う意味だろう…
でも気になるから聞こう、どの道ルイスから離れる事は出来ないのだから

「離れるつもりないから聞いても良い?」
「うちは基本軍人だ、それは知ってるよね?」
「うん」
「争いごとには情報が一番大事なんだ」
「うん」
「うちには諜報員もいる、しかも結構な人数」
「えっ!」
「王宮にも忍ばせている」
「そうなの!」

「今回何があったか分かっている、報告を受けた。でもリージアは何もないと言うから腹が立っているが我慢している。大事にしてはいけないと思い、リカルドに止めさせるのが最善だと思ったらしい。リカルドが行かなかったら、リージアはどうなっていた?次同じことがあったら死人が出る、以上」
にこりと微笑まれた

こ、怖い笑顔で殺すと言っている…
フェリクスは嫌いだ、でも死んでほしいと言うほど嫌いではない

「…はい…ご説明ありがとうございました」

「因みに、暗殺部隊ってのもある、この部隊は出動させたくないんだよね、僕としては」

とんでもない家に嫁ぐ事になってしまったようだ!
「こんな家だ、諦めてくれ」
「ルイスさ、ルイスひとが変わったみたいで怖い」

「僕は相手に怒りが抑えられていない。次リージアの身に何かあったら僕は相手が誰であろうと許さない。それだけみんな君を大事に思っているんだ」

しゅんと肩を落として下を向くと涙が落ちてきた
「リージア?」
「…助けてくれて、ありがとうございました」
「当然だ」
「嫌いになったでしょ…」
「リージアを?なぜ?」
「…怖かったの」
「もっと早く助けてやれば良かった」
「…違う、あんなことがあったから私を嫌になったんじゃないかって…簡単に押し倒されて、」
「それ以上言うな!怒るぞ」
「もう無理だと思って諦めようとした…」
「リージア、そんな事を言わないで」
力強く抱きしめられた

「愛してるよ。これから先もずっと一緒にいてほしい、こんな事はもう起きないし起こさせないと誓う、でももしリージアの身に何かあったとしても…僕のことを思い出して!絶対に迎えに行くから」
「…うん」

「殺すか、あいつ…」
「…やめてルイスが悪者になっちゃう」
「優しいな、リージアは」

強めの口付けをされて、すごく恥ずかしかった
フェリクスは大丈夫なのだろうか…生きている、よね?



【数日後】

「はい、新作のケーキ」
「わぁ!美味しそう」
チョコレートケーキだった、ビターチョコでお酒が少し入った大人向けのケーキだった

「ごめんね、数日間嫌な思いをさせたみたいだからお詫び」

怒りが収まらないルイスは優しいものの顔つきが違った。そして人と会うことが多かったようだ。ようやく普段のルイスに戻ったのでとっても安心した…
お詫びというリボンが掛かった箱に手をつけると、ルイスの瞳の色であるアンバー色の石を使ったブレスレットだった

「こんな高価なもの…」
ルイスの顔を見るとブレスレットを手に取りパチンと腕に付けられた
「良いね、似合う」
「私、お返しするものが無いのに…」

家に帰ったら両親に相談してみよう、おそらく相当な物だろう


「やっと出来上がってきたんだよ、リージアにプレゼントしたくて」
「ありがとう、嬉しい」
腕につけられたブレスレットを見る
うん。これ、絶対高価な品物だ…!

「何も返すものがないって…リージアがお嫁さんに来てくれるならそれで良いんだ」

先日の様子とは打って変わってにこにこ顔のルイス
二面性があるのか…怒らせないようにしよう

「実は両親がそろそろ領地へ帰らなくてはいけなくてさ」
「パパとママもう帰っちゃうの?」

「領地をあけるのは不安だからね、今襲撃されたら…アベルがいるから大丈夫か、僕も暫くしたら一旦戻るよ」

「寂しくなるけどすぐに会えるよね?」
「もちろん、そのブレスレット出来れば毎日付けておいて、お守り代わりに」

「うん、そうする、付けておくね」
「僕が領地に戻っても、護衛の人数は変わらないけど、そこは我慢して欲しい」
「学園とか友達の家に行くくらいだよ」

「学園は卒業したいんだよね?」
「うん、せっかく入ったんだもの。卒業したい。卒業パーティーには来てくれる?」
「もちろん行くよ、何があってもね」
「あ…もし襲撃と被ってしまったらそちらを優先して下さい」
なぜか敬語になってしまった

「なんで?被ってもリージアを優先する、早く終わらせてくるから大丈夫だよ」
そう言って笑った
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