上 下
15 / 22

真実の愛を見つけました

しおりを挟む
「セレスティーヌ、すまなかった」
「いいえ、もうよろしいのですよ」
「許してくれるのか?」
「終わった話ですもの」
「アニエスとはもう終わった」
「まぁっ……」
「真実の愛なんてなかったんだ…」
「……なんと言う事を、」

「この件でよく分かった、私はセレスティーヌを愛しているんだ」
「……それは困りましたわね」
「許してくれるんじゃないのか?」
「それとこれとは、お話が別でしょう…」
「私と結婚してくれ、この通り!」
「お断り致します……」
「……なんでだよっ!愛してるんだよ、セレスティーヌ」
「わたくしは殿下を愛しておりませんもの」
「これから愛を深めればいいだろう…十年も一緒にいたのに」
「十年いても、二十年いても変わりません」
「隣にいてくれ…頼むよ」


「殿下、わたくしこの度、真実の愛を見つけましたの」
「はぁっ?!」 
「わたくしラルフ様と婚約をする運びとなりました」
「はぁっ?!」
「長い間お会いしていなかったのですが、わたくしにとってラルフ様は初恋ですの」
「はぁっ?!」

「殿下は喜んでくださらないの?」
「喜ぶわけないだろう!バカなのか?セレスティーヌ!」
「…………真実の愛を見つけたわたくしがバカですって?」
「ずっと浮気をしていたと言うことか?」
「何ですって?!」
「叔父上が初恋なんだろ?昔から好きだったのか?私と言うものがありながら!」
「先に真実の愛をみつけて、別れを告げてきたのは殿下でしょう?おバカなんですね?」
「不敬罪だぞ!セレスティーヌ」
「もうお話をすることはありませんっ!」


「おまえはっ……どうしたいんだよっ!」
「何回も言っているでしょう!を見つけたのっ!」


「俺にしとけば良いだろうっ!」
「私の相手はあなたじゃないのっ!」
「だから俺に婚約破棄の書類に無理やりサインをさせたのか!あんなもの無効だ!」
「あなたが自分で書くって言ったでしょう!」
「お前が俺の字を真似て書くって言ったからな!」
を軽く見てもらっては困ります!」
「そんなもんなぁ、一時の気の迷いだ!よく分かった!お前も今自分に酔っているだけだ!俺にしておけっ、いいから戻ってこいっ!」

「いやよっ!」
「なんだとっ!」
「ラルフ様を愛しているのっ!」
「叔父上は幼女趣味でもあるのか?国を出た時はおまえ、幼児だっただろう!」

「……ラルフ様をバカにしないでくれる?」
「おまえ、叔父上の事は名前で呼ぶんだな、俺のことは名前で呼ばないくせに!」
「そう言えば、子爵令嬢は呼んでいたわね、おバカな男の名前を」
「不敬罪だぞ!」
「捕まえなさいよ!バカ王子!」
「言ったな!それがおまえの本性か!」
「ばーか!ばーか!ばーか!はぁっスッキリした!」
「バカって言う方がバカだからな!愛!愛!愛!馬鹿らしいっ!バカ女が!」
睨み合う二人…













「そこまで!」
声をかけられ、振り返りハッとする二人
視線が痛い…三人の男性が呆れる様な顔でこちらをみている

「セレスティーヌ…」
「ラルフ様…その、ごめんなさい、つい」
「いや、嬉しいよ…」


「あ、兄上…」
「サロモン、おまえが悪い」
「しかし、」
「おまえが先に真実の愛などと言って別れを告げたんだろう!あとマナーがなっとらん、かの令嬢と付き合いだしてから、おまえの行動とマナーには頭を悩ませている!」


「セレス!何のために王宮でマナーを習ったんだ?」
「クリスお兄様…」
「サロモン殿下が悪いが、おまえにも悪いところがある!」
「はい、申し訳ございませんでした」

「サロモン、お前には悪いがセレスティーヌと婚約した、昔から私が愛するのはセレスティーヌなんだ」
「叔父上…」

「サロモンが撒いた種だ、セレスティーヌとの別れも、子爵令嬢との別れも!二人の令嬢の人生を狂わせた罪は重いぞ」
両腕を組みサロモンを睨むエドワール

「王太子殿下!わたくしは狂わせられたりはしておりません!そこの罪は軽くして下さいね!」
ラルフと見つめ合あい微笑むセレスティーヌ


「サロモン、寛大な意見を貰ったぞ」
エドワールに睨まれるサロモンはまるで蛇に睨まれた蛙の様だ

「…くっ!」
唇の端をヒクヒクさせるサロモン
「わるかった、な…セレスティーヌ」

ラルフとエドワールに、じろりと睨まれるサロモン
「バイエ侯爵令嬢…寛大なお心遣いに感謝する」
「どういたしまして、殿下」


「そう言うわけで、お前たち二人はもう一度マナーを学ぶように!セレスティーヌは卒業後叔父上と結婚してアルナンディ公爵夫人となるんだろ?今まで被っていた猫はどうしたんだ?」

エドワールに言われ、しゅんとなる
「……はい、申し訳ございませんでした」
「はぁっ……セレスティーヌを妹にしたかったのに、叔母上になるとはな…」

「おい、エドワールと私は二歳しか変わらないんだぞ…叔父上はやめろ、それにこんなに可愛いセレスティーヌを叔母上なんて呼び方をしたら怒るぞ」

エドワールが苦笑いしながら
「はいはい、分かりましたよ」
やれやれと言った様子だ

「…セレス今度こそ幸せになれよ、おまえの望んだ真実の愛とやらの相手はラルフなんだろ?」
クリストファーに頭を撫でられる
「はいお兄様…」


「これにて一件落着でいいか?」
エドワールに言われ
「「はい」」
と返事をした

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここで区切りが良いので一旦【完】です

書き足りなかった、その後のストーリーを載せていきたいと思います。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

待つわけないでしょ。新しい婚約者と幸せになります!

風見ゆうみ
恋愛
「1番愛しているのは君だ。だから、今から何が起こっても僕を信じて、僕が迎えに行くのを待っていてくれ」彼は、辺境伯の長女である私、リアラにそうお願いしたあと、パーティー会場に戻るなり「僕、タントス・ミゲルはここにいる、リアラ・フセラブルとの婚約を破棄し、公爵令嬢であるビアンカ・エッジホールとの婚約を宣言する」と叫んだ。 婚約破棄した上に公爵令嬢と婚約? 憤慨した私が婚約破棄を受けて、新しい婚約者を探していると、婚約者を奪った公爵令嬢の元婚約者であるルーザー・クレミナルが私の元へ訪ねてくる。 アグリタ国の第5王子である彼は整った顔立ちだけれど、戦好きで女性嫌い、直属の傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物。そんな彼が私との婚約を持ちかけてくる。話してみると、そう悪い人でもなさそうだし、白い結婚を前提に婚約する事にしたのだけど、違うところから待ったがかかり…。 ※暴力表現が多いです。喧嘩が強い令嬢です。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法も存在します。 格闘シーンがお好きでない方、浮気男に過剰に反応される方は読む事をお控え下さい。感想をいただけるのは大変嬉しいのですが、感想欄での感情的な批判、暴言などはご遠慮願います。

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います

菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。 その隣には見知らぬ女性が立っていた。 二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。 両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。 メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。 数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。 彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。 ※ハッピーエンド&純愛 他サイトでも掲載しております。

待ち合わせの時間になっても婚約者は迎えに来ませんでした。平民女性と駆け落ちしたですって!?

田太 優
恋愛
待ち合わせの時間になっても婚約者は迎えに来なかった。 そして知らされた衝撃の事実。 婚約者は駆け落ちしたのだ。 最初から意中の相手がいたから私は大切にされなかったのだろう。 その理由が判明して納得できた。 駆け落ちされたのだから婚約破棄して慰謝料を請求しないと。

愛しておりますわ、“婚約者”様[完]

ラララキヲ
恋愛
「リゼオン様、愛しておりますわ」 それはマリーナの口癖だった。  伯爵令嬢マリーナは婚約者である侯爵令息のリゼオンにいつも愛の言葉を伝える。  しかしリゼオンは伯爵家へと婿入りする事に最初から不満だった。だからマリーナなんかを愛していない。  リゼオンは学園で出会ったカレナ男爵令嬢と恋仲になり、自分に心酔しているマリーナを婚約破棄で脅してカレナを第2夫人として認めさせようと考えつく。  しかしその企みは婚約破棄をあっさりと受け入れたマリーナによって失敗に終わった。  焦ったリゼオンはマリーナに「俺を愛していると言っていただろう!?」と詰め寄るが…… ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

婚約者の浮気現場に踏み込んでみたら、大変なことになった。

和泉鷹央
恋愛
 アイリスは国母候補として長年にわたる教育を受けてきた、王太子アズライルの許嫁。  自分を正室として考えてくれるなら、十歳年上の殿下の浮気にも目を瞑ろう。  だって、殿下にはすでに非公式ながら側妃ダイアナがいるのだし。  しかし、素知らぬふりをして見逃せるのも、結婚式前夜までだった。  結婚式前夜には互いに床を共にするという習慣があるのに――彼は深夜になっても戻ってこない。  炎の女神の司祭という側面を持つアイリスの怒りが、静かに爆発する‥‥‥  2021年9月2日。  完結しました。  応援、ありがとうございます。  他の投稿サイトにも掲載しています。

私と一緒にいることが苦痛だったと言われ、その日から夫は家に帰らなくなりました。

田太 優
恋愛
結婚して1年も経っていないというのに朝帰りを繰り返す夫。 結婚すれば変わってくれると信じていた私が間違っていた。 だからもう離婚を考えてもいいと思う。 夫に離婚の意思を告げたところ、返ってきたのは私を深く傷つける言葉だった。

【完結】お前なんていらない。と言われましたので

高瀬船
恋愛
子爵令嬢であるアイーシャは、義母と義父、そして義妹によって子爵家で肩身の狭い毎日を送っていた。 辛い日々も、学園に入学するまで、婚約者のベルトルトと結婚するまで、と自分に言い聞かせていたある日。 義妹であるエリシャの部屋から楽しげに笑う自分の婚約者、ベルトルトの声が聞こえてきた。 【誤字報告を頂きありがとうございます!💦この場を借りてお礼申し上げます】

あなたの事はもういりませんからどうぞお好きになさって?

高瀬船
恋愛
婚約を交わして5年。 伯爵令嬢のミリアベル・フィオネスタは優しい婚約者を好きになり、優しい婚約者である侯爵家の嫡男ベスタ・アランドワと良い関係を築いていた。 二人は貴族学院を卒業したら結婚が決まっていたが、貴族学院に通い始めて2年目。 学院に「奇跡の乙女」と呼ばれる女性が入学した。 とても希少な治癒魔法の力を持った子爵令嬢である奇跡の乙女、ティアラ・フローラモはとても可愛らしい顔立ちで学院の男子生徒の好意を一身に受けている。 奇跡の乙女が入学してから、婚約者であるベスタとのお茶の時間も、デートの約束も、学院での二人きりで過ごす時間も無くなって来たある日、自分の婚約者と奇跡の乙女が肩を寄せ合い、校舎裏へと姿を消したのを見てしまったミリアベルは行儀が悪い、と分かってはいても二人の姿を追ってしまったのだった。

処理中です...