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長引きますのね、この痛み2
しおりを挟む美しいのは生まれ持っただけ。
優しさは偽善。
平等なのは事なかれ主義の証。
優秀なのは先生に取り入っているから。
可愛げがないから婚約破棄される。
「そんなことを言われているのね……」
「うん。一応耳に入れておくわね。噂の元は上級生だってわかっているけれど――」
あぁ。私たちの爵位より上の方達なのね。
「コリンズ子息は残念な結果になったけど、令嬢達からは人気があったみたいだし、殿下と話をするところも気に食わないみたい」
コリンズ子息は気さくに令嬢達と話をしていたみたいですし、面白くない方達がいると言うことですわね。殿下はその身分の高さやお顔の良さから人気があるのでしょう。しかし学園で令嬢と話をしているところを見かけた事がありません。だから……
「そう。ありがとう、分かったわ。教えてくれてありがとう! 学園に復帰したら気をつけるわ」
笑顔でセシリーを見送ったらまた来るわね。と言ってくれたので楽しみだった。
「そろそろお父様がお帰りの頃ね、ダイニングへいこうかしら」
セシリーが帰って暫くたってメイドに声をかけた。そして部屋を出るとハリスとパティと廊下で会いました。
「お姉様、大丈夫?」
パティが飛んできてくれた。
「ゆっくり歩けば大丈夫よ、ありがとう。パティ」
「姉様、僕の腕に捕まって」
身長が伸びて来たハリスが腕を貸してくれました。
「ありがとう。ごめんね」
二人とも私が家にいてくれるのは嬉しいと言ってくれて良く部屋に様子を見に来てくれる。可愛い弟と妹がいて幸せね。
「姉様、学園は楽しい?」
ハリスは何か感じたのかそう言って来ました。
「えぇ。楽しいわよ。ハリスとパティは来年入学でしょう? 友達がたくさん出来ると良いわね」
学園は最高で五年間いることが出来る。まだ勉強が足りない場合はさらに上の勉強をする事も可能でその際大体の人は得意な分野で学者になったりするけれど女性は居ない。
私達の学年になると結婚の為に学園を辞めることになる生徒もいて、その際はテストを受けて卒業という形になります。その家その家がありますから、みんなで卒業というのは難しいのです。
ダイニングに着くと、お母様が既にいらしてお茶を飲んでいました。
「もうすぐお父様が帰ってくるわよ。みんな席に着いて待ちましょう」
私は特別な椅子を用意されていて、そこに座る。お尻に負担が掛からないように、お父様が手配してくださったの。
それから間もなくしてお父様が帰って来てディナーが始まる。お昼に王宮で他国のお客様を囲んでのランチ会があったのだと言う。明日はお母様が王宮に行き他国の夫人を囲んでのお茶会なのだそう。お二人とも忙しく過ごしていらっしゃいます。
ディナーが終わるとお父様とお母様に話があると言われて、三人でお茶をしました。
「今王宮に他国からのお客様を招いているのは知っているよね?」
「勿論ですわ」
「今殿下はこの件で忙しいから、下手にお見舞いに来たり出来ない状況だし、リュシエンヌは学園を休んでいるから見舞いの花や手紙を送ってくるくらいだろう。暫くは安心だ」
「私もお母様もリュシエンヌの話を聞いて殿下は信用ならないと思っている。しかし相手は殿下だからできる事も限られていてね。私たちも動き出しているからもう少しまって欲しい」
「……ありがとうございます。殿下は婚約を打診しているという事ですが、特に何をしてくるわけではないので今のところ大丈夫ですわよ」
リュシエンヌは両親が陛下達と連絡を取っていることは知らない。リュシエンヌの両親は知らなくて良いと思っているし、離縁などと不吉なワードを口にしたくはない父にとっては早く終わらせたいとすら思っている。
「そうかい? それならあとは早く身体が良くなることを祈っているよ」
「そうよ。無理をしては更に長引いてしまうからもう少し様子を見ましょう。医師も無理は禁物と言っていたわよ。お尻は大事にしましょう」
無理をして馬車に乗るのが怖くなるのは避けたい……外出が出来なくなってしまうもの。お父様は馬車用にもクッションを用意してくれているみたいでした……
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