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王妃様のティーパーティ2
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「あら! どこで落としたのかしら。とても大事にしているものでしたのよ。ありがとうございます。貴女は確かモルヴァン伯爵夫人でしたわね」
「はい。そうです」
「よろしかったら少しお話し致しませんか?」
そう言われてしまってはお断り出来ないので“はい”とお答えしました。
「こちらへどうぞ」
案内された場所は広いテラスで席の準備がされていました。
「こちらに座ってお待ちになって。今スイーツをお持ちしますわね」
すぐに戻ってくるでしょう。と思い席についてお待ちすることにしました。このテラス席はとても眺めがいいのね……景色を楽しんでいたら人影を感じたので、そちらを向きました。
「お待たせしましたわね」
「え! お、王妃様……」
王妃様はにこりと微笑みかけてくださいました。慌ててカーテシーをしましたら、椅子に座るようと言われご自身も向かいの席にお座りになられました。驚きと緊張のあまり、ドキドキが止まりませんわ。王妃様とこんなに近くで二人になるのは初めての事でした。
「驚いたでしょう? ごめんなさいね」
「いえ。とんでもございません。王妃様とお話できるだなんて光栄な事でございます」
公の場以外でお話をさせてもらったのは学生時代以来の事でした。
「モルヴァン夫人は学生時代と変わらないわね」
「とんでもございません。王妃様こそ学生時代から変わらず美しくて神々しくて緊張しています」
……王妃様は皆さんの憧れのお姉様でしたもの。もちろん私もその一人。
「まぁ。お上手ね。私も孫ができて、もうおばぁちゃんですもの」
王太子殿下にはお子様がいらっしゃいますもの。おばぁちゃんだなんて……一緒にいてもお子さんにしか見えませんわよね。
「もうすぐ王太子妃様に第二子がお生まれとお伺いしております。楽しみでございますね」
「そうなのよ! 上の子は後継を産んでくれたし、あとは下の子が問題なのよ……」
……そう言う事でしたか。うちの娘との話ですわよね。
「うちの下の息子がなんでもモルヴァン嬢に婚約の打診をしているんですって?」
「そのような話がある。と主人から聞いております」
「こんな事を聞くのは卑怯かもしれないけれど親として心配になって……令嬢はどう思っているのかしら?」
婚約したくない。といっています。と答えられたらどれだけ楽かしら……
「うちの娘は分不相応だと思っているようです」
「そうなのね。うちの息子を慕っているとかではなく?」
確認ですのよね?
「娘はその……婚約破棄をされ傷心の身ですので、他の方を慕っている余裕はまだないようで……主人はのんびりしていて結婚どころか婚約すらしなくてもいい。などと言う始末で娘も主人の言葉に甘え出す始末です」
夫のせいにしておきましょう。一方的な婚約破棄をするような男なんて女の敵ですもの! しかもうちの娘は悪くありませんし被害者なのに娘に欠陥があるみたいな見方をされるのには耐えられませんもの。娘の良さを分かってくれる相手との婚約を望みます。
「子を持つ親として悩ましい問題よね。うちの息子もお見合いをどれだけさせても首を縦に振らなくて、それなら誰でもいいから連れてきなさいな。と売り言葉に買い言葉で……エリックは、王位を継げないからエリックを支えてくれるお嬢さんと一緒になって欲しいだけなのよ。王配の話もあるにはあるんだけど、嫌みたいで……つい甘やかしてしまうのよ」
王族の結婚は国を揺るがす話ですものね。
「モルヴァン令嬢はとても優秀だと聞いているわ。伯爵と夫人の娘さんですからそれは理解出来るわ。伯爵は頭が柔軟で新しい事を取り入れるがとても上手ですもの。頭が古い貴族達との違いよね。夫人も学生時代から身分問わずに誰にも公平で尊敬していたのよ」
「勿体無いお言葉です」
「……それは、さておき。夫人は今回のエリックと娘さんの婚約の件、どう思っていらっしゃるかご自身の考えを聞かせてくださる? ここはわたくしと夫人しかいません。不敬だなんて思わなくていいから夫人の意見を聞かせてちょうだい?」
……やはりこのための同窓会だったのね。久しぶりに私に会いたいとなると不自然ですものね。個人的にお付き合いはないのですから。
「わたくしは……失礼ながらこのお話は辞退させていただきたいと思っております」
「それはなぜ?」
「殿下を信用出来ないからです」
「そう、それはなぜ?」
優雅にお茶を飲む王妃様の前で蛇に睨まれたカエル状態の私。頑張れ! リュシエンヌの為よ!
「娘の婚約破棄をされた相手は殿下の友人でした。殿下はその際立会いをされていました」
「……なんですって?」
「ご存知ありませんでしたか? この王宮内で行われていましたのに」
******
ご覧いただき有難うございます。感想もいただき励みになっております。
そして貴重な時間をエール機能に当てていただき感謝、感謝です( ›‹)՞
「はい。そうです」
「よろしかったら少しお話し致しませんか?」
そう言われてしまってはお断り出来ないので“はい”とお答えしました。
「こちらへどうぞ」
案内された場所は広いテラスで席の準備がされていました。
「こちらに座ってお待ちになって。今スイーツをお持ちしますわね」
すぐに戻ってくるでしょう。と思い席についてお待ちすることにしました。このテラス席はとても眺めがいいのね……景色を楽しんでいたら人影を感じたので、そちらを向きました。
「お待たせしましたわね」
「え! お、王妃様……」
王妃様はにこりと微笑みかけてくださいました。慌ててカーテシーをしましたら、椅子に座るようと言われご自身も向かいの席にお座りになられました。驚きと緊張のあまり、ドキドキが止まりませんわ。王妃様とこんなに近くで二人になるのは初めての事でした。
「驚いたでしょう? ごめんなさいね」
「いえ。とんでもございません。王妃様とお話できるだなんて光栄な事でございます」
公の場以外でお話をさせてもらったのは学生時代以来の事でした。
「モルヴァン夫人は学生時代と変わらないわね」
「とんでもございません。王妃様こそ学生時代から変わらず美しくて神々しくて緊張しています」
……王妃様は皆さんの憧れのお姉様でしたもの。もちろん私もその一人。
「まぁ。お上手ね。私も孫ができて、もうおばぁちゃんですもの」
王太子殿下にはお子様がいらっしゃいますもの。おばぁちゃんだなんて……一緒にいてもお子さんにしか見えませんわよね。
「もうすぐ王太子妃様に第二子がお生まれとお伺いしております。楽しみでございますね」
「そうなのよ! 上の子は後継を産んでくれたし、あとは下の子が問題なのよ……」
……そう言う事でしたか。うちの娘との話ですわよね。
「うちの下の息子がなんでもモルヴァン嬢に婚約の打診をしているんですって?」
「そのような話がある。と主人から聞いております」
「こんな事を聞くのは卑怯かもしれないけれど親として心配になって……令嬢はどう思っているのかしら?」
婚約したくない。といっています。と答えられたらどれだけ楽かしら……
「うちの娘は分不相応だと思っているようです」
「そうなのね。うちの息子を慕っているとかではなく?」
確認ですのよね?
「娘はその……婚約破棄をされ傷心の身ですので、他の方を慕っている余裕はまだないようで……主人はのんびりしていて結婚どころか婚約すらしなくてもいい。などと言う始末で娘も主人の言葉に甘え出す始末です」
夫のせいにしておきましょう。一方的な婚約破棄をするような男なんて女の敵ですもの! しかもうちの娘は悪くありませんし被害者なのに娘に欠陥があるみたいな見方をされるのには耐えられませんもの。娘の良さを分かってくれる相手との婚約を望みます。
「子を持つ親として悩ましい問題よね。うちの息子もお見合いをどれだけさせても首を縦に振らなくて、それなら誰でもいいから連れてきなさいな。と売り言葉に買い言葉で……エリックは、王位を継げないからエリックを支えてくれるお嬢さんと一緒になって欲しいだけなのよ。王配の話もあるにはあるんだけど、嫌みたいで……つい甘やかしてしまうのよ」
王族の結婚は国を揺るがす話ですものね。
「モルヴァン令嬢はとても優秀だと聞いているわ。伯爵と夫人の娘さんですからそれは理解出来るわ。伯爵は頭が柔軟で新しい事を取り入れるがとても上手ですもの。頭が古い貴族達との違いよね。夫人も学生時代から身分問わずに誰にも公平で尊敬していたのよ」
「勿体無いお言葉です」
「……それは、さておき。夫人は今回のエリックと娘さんの婚約の件、どう思っていらっしゃるかご自身の考えを聞かせてくださる? ここはわたくしと夫人しかいません。不敬だなんて思わなくていいから夫人の意見を聞かせてちょうだい?」
……やはりこのための同窓会だったのね。久しぶりに私に会いたいとなると不自然ですものね。個人的にお付き合いはないのですから。
「わたくしは……失礼ながらこのお話は辞退させていただきたいと思っております」
「それはなぜ?」
「殿下を信用出来ないからです」
「そう、それはなぜ?」
優雅にお茶を飲む王妃様の前で蛇に睨まれたカエル状態の私。頑張れ! リュシエンヌの為よ!
「娘の婚約破棄をされた相手は殿下の友人でした。殿下はその際立会いをされていました」
「……なんですって?」
「ご存知ありませんでしたか? この王宮内で行われていましたのに」
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