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第二章

制服が出来上がったよ!でも作り直し。

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入学の準備の為制服が出来たというので、仕立て屋が邸に来ている。

「さぁお嬢様、最終確認ですので、お着替えください」
「はーい」
とアンに手伝ってもらい、制服に腕を通す。
「ぴったりだわね」

と言うとみんな作業が止まる。
…どうしたというのだ?サイズがぴったりではいけないのか?

「何か問題でもあるの?」

「お嬢様。その、成長期でありますからまた制服の採寸を行いましょうか?今度は少し大きめにお作りしましょうね」
とアンが言う

…これは、私が太ったという事で間違いないのではないか!
最近は確かに体が重いような気がしているが、私は着痩せするタイプなのか?体重に左程の変化は見られないの。

「ごめんなさい。ダイエットするわ」

「いえ!その必要はありません」

コンコンコン
「入るよ?いい?」

「どうぞ」
アンが扉を開ける

「フラン!フランも制服合わせ?」
「うん。姉さん、制服似合ってるよ」

…フランはあれからすくすくと成長し、同じくらいの身長だった私より遥かに高くなって見上げる形になっている。
流石長身のお父様の子ね。フランはお父様とお母様に似てて、美人系のイケメンに育ってきた。色気が出て来る年頃なのか、見つめられると、恥ずかしくなってしまうのだ。天使のような容貌をしていたのはもう昔の事、これは学園で相当モテるわね…

「フランと一緒に学園に行けるなんて嬉しいわ」
「そうだね」
「ソフィア様も一級飛ばしで同級生だし、楽しそう!」
フフフと微笑むマリー。

「さて、制服を合わせようかな」
フランはそそくさと向こうへ行ってしまう。

「最近フランが冷たい、まだ反抗期なのかしら」とため息を吐く

「……お嬢様、制服を採寸しますよ」

「ダイエットする。ご飯少なめにして」

「それはなりませんね。身長が伸びなくなりますよ」

「それは、困るわ。フランと同じものを食べているのにどうして、私だけ伸びないのよ」

「違うところに栄養がお行きになってますからね」

「どこよ。お腹周り?足かしら」

「お嬢様は年齢の割に、その、お胸の方に栄養がいっているので…」

「えっ!周りと比べたことがないから分からなかったわ。最近体が重いと思っていたのはこの胸のせいなの?だから胸が苦しいのね」

「左様でございますね」
とアンが、ため息めいた返事を返す
「さぁ採寸しますよ。ボタンがはち切れてしまう前に新しい制服をつくりましょう」

ガチャリとフランが制服を着て出てきた
「フラン!すっごいかっこいい!!」
近づいて行くマリー

「姉さん、近づき過ぎだから離れてくれる?もう子供じゃないんだから」

えっ?フランからそんな事を言われると思わなかった。フランが大人になって行く。
心がついて行かないわ。
大好きなフラン、ブラコンを卒業しなければ行けないと思っていたけど、あのやさしいフランから言われた言葉に

「ごめんなさい。これから気をつけます」
と言って離れた。その距離2メートル。
ソーシャルディスタンスね……

「フ、フランソワ様も、また身長が伸びられましたね。もう少し大きいものを採寸して作っておきましょう、さぁこちらへ」
あわあわとした仕立て屋がフランを連れて行く。

「フランソワが大人になって行くわ」
マリーが茫然としている

「フランソワ様も色々あるんですよ。さぁお嬢様、採寸は終わりました、着替えましょうか?」

「はい」
着替えようとすると

コンコンコンとノックの音


「アラン王子がお見えです」

ガチャリと扉を開くとアランとユーリウスがいた。
「おかえりなさいお兄様」
「いらっしゃいませアラン様」
礼をする。

「マリーとても似合ってるよ」
ユーリウスが言う、入学が楽しみだと

「アン、制服を作り直せ!」
アランがピシャリ

「ぴったりすぎて見苦しいのね。入学の前までにダイエットをしなきゃ、制服が間に合わないもの」

「ダイエットはするな。身長が伸びんだろ?栄養はどこに行くかは人それぞれなんだな…」

「ところで、マリーいつもはハグしてくれるのに今日はしてくれないの?」
寂しそうなユーリウス

「フランに言われたもの。もう子供じゃないから近づきすぎるのは良くないんだって…」
下を向きながらマリーは言う

「あいつもあいつなりに考えてるんだろ?気にするなよ」
ポンと頭に手を乗せて来るアラン

「私は甘やかされて育っているから、フランに突き放されて寂しかったの。これからはちゃんと距離を保ちながら、過ごしていきます……」
アランから離れて行くマリー

「俺からは離れなくていいんだよ。婚約者なんだから、くっついていろ。」

「でもアラン様モテるから一緒にいると、私嫌がらせとか受けませんかね。」

「それは大丈夫だ。安心しろ」

「浮気現場とか見てしまうと、もう立ち直れませんし、嫌いになります。そんな自分も嫌なんです」
「マリーどうした?フランに影響でもされたのか?」
ユーリウスが驚く
「なんだか学園に行く前から制服はキツいわ、フランに近づき過ぎるだの言われて、ショックを受けています」
「フランソワの事は放っておけ。大丈夫だ。そこは安心しろ。制服はな、俺は良いんだよ。似合っている可愛いんだけど、他の男の目が気になってしまって…胸の部分がちょっとな」
顔を赤くするアラン

「ボタンがはち切れたら恥ずかしいですもんね……」

「そう言う問題ではなくて、お前の胸を見られるのが嫌なだけだよ。それを見て良いのは俺だけなんだよ。」
と赤い顔のまま
「制服が間に合わないならボタンの補強を頼むよ」
アンに伝えるアラン

「は、恥ずかしい事を…」
マリーはカッと頬を赤色に染める


「私はそろそろ部屋に戻るよ。いつものパターンだな」
そそくさと部屋を出て行くユーリウス

「お嬢様も制服にシワができる前に着替えましょう?」
「俺ももう帰らなきゃならん」
「えっ?もう帰るの?何しにきたの?」
「ほら。と封筒を渡される」

封筒を見るとお茶会の案内だった
レオナルド王子からだった

「場所は王宮内だからなんかあったらすぐに俺を呼べ」
「うん」
「そう言うわけだ。じゃ行くよ」
と言うので
「待って!」
とちょいちょいと呼ぶ。
身長差があるので顔を近くに寄せてもらう。隙を見て、チュっと口にキスをした
びっくりするアラン
「えへへ~、びっくりした?」
と言うマリーの毒のような微笑みに、
「好きだよ」
とアランもキスをした

生暖かい目で見られるのにも慣れてきた。

「アラン王子、お嬢様良い加減にしないと接触禁止令を出すことになりますよ!」
次はありません!とアンに強く言われた
ので渋々離れて、今日は別れた

はぁー。レオナルド王子か…
入学前に終わらせておきたいから、頑張ろうっと。
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