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その後

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 体が自由に動かせるようになったのは一週間後だった。

 腹の傷が痛まなかったのは、どうやらあの媚薬のおかげらしい……不幸中の幸いだ。



 傷も塞がってきたし、激しい動きさえしなければなんてことはないのに、一ヶ月の休養を与えられた。


 ユベール殿が事後処理の手伝いをしていたようで、話を聞いた。


 モンテス男爵としてレオ・ファーノンが罪を償う事にしたようだ。


 ルシアは国外逃亡、いろんな家の当主交代があったり、大変な騒ぎになっているとのことだ。



「何か望みはないか? なんでもいい。と陛下が言っておられたよ」


 そう聞かれたら、ひとつしかない。




「セイラと結婚したいです」


「それはどう言う意味だ?」


「結婚式の日時を早めてほしいのです。準備はほぼ終わっています」




「……分かった、そんな事でいいのか?」


「ユベール殿、よろしいですか?」


「この件で手柄を立てたのは、ウィルベルト殿だからね、私は許すよ。
 とっとと結婚してくれた方がいいような気がしてきたよ。殿下も面倒だし」



 ユベール殿が早く結婚したいのだそうです。と伝えたところ、そんなことで良いのか?……と陛下に呆れられたらしい。






******
 



 ウィルベルト様の傷の回復を待って、予定より早く結婚式を挙げる事になりました。


 王都の教会での盛大な式となりました。殿下だけではなく、両陛下も参列されるようです……。
 ウィルベルト様の人徳でしょうか。殿下だけでも畏れ多いのに、両陛下が……と思うと口から心臓が飛び出る思いです。


 お父様は陛下にお久しぶりです。と挨拶をしていました。

 公の場以外での話は聞いたことありませんでしたので、驚きました。

 陛下が私に言いました、子爵には学園時代世話になった事があってね。と笑いながら仰いました。
 何があったのか時間がある時にでも、お父様にお聞きしたいと思います。


 オリバス領の教会で式を挙げるつもりだったのに、予定がガラリと変更となりました……


 そして久しぶりにフローラ様ともお会いしました。ウィルベルト様が臥せっていたので社交はお休みしていました。


「セイラ様とっても美しいですわ」


 ドレスにはパールをたくさん縫い付けて、ティアラはキラキラと輝くダイヤモンド、もちろん首飾りや耳飾りもダイヤモンドで合わせて……!






 ……分不相応です……





 なぜこうなったかと言えば……




 ウィルベルト様が体を張ったご褒美に王家所有の鉱山で採れるダイヤをプレゼントされたから。らしいのです。


 今回のことで王国に蔓延る膿が取り除けたと言う事でした。



 ウィルベルト様は何があったか、詳しいことは言えないと言いながらも、お兄様が教えてくださった事とほぼ同じ事を教えてくださいました。


 ウィルベルト様が言えないのなら、聞いてはいけないのだと思い、気にはなるけれど詮索はしないでおきました。


 扉の前に立っていると、今まで色んなことがあったなぁ……と思い感慨深くなりました


 王都に来てレオの変わりように驚きショックを受けていたところに、ウィルベルト様と出会い、その後レオと婚約破棄をした。

 ウィルベルト様に惹かれていたのに素直に受け入れられなくて、迷う事もありました。


 幸せの形は人それぞれだけれど、私はウィルベルト様と一緒に幸せになりたい、心からそう思いました。


 大きな扉が開けられ、祭壇の前に立つウィルベルト様を見ると、笑顔で迎えてくれた。



 今日から私はセイラ・オリバスとなる。

 ウィルベルト様の妻になります!



 共に永遠を誓い合って大勢の人の前で誓いのキスをしました。




 お兄様は泣いていらしたけれど、おめでとうと心から祝福してくださいました。


 教会に飾る花も、披露宴のお花も全て白い紫陽花で揃えました。
 ウィルベルト様が初めてくださったお花ですし、ウィルベルト様との思い出のお花です。 


 何色にも染まらない白い紫陽花のイメージはこれから夫婦になる二人がスタートを切る。と言う意味ではもってこいのお花ですもの。


 白い紫陽花のブーケを持ちながらウィルベルト様を見上げると、とても幸せそうに笑ってくださいました。




 時期が少し外れていたのですが、ウィルベルト様が庭師のトムおじいさんと相談して、手に入れてくださったようで、国中の白い紫陽花を集めたかのように庭師のトムおじいさんが、とても幻想的に飾り付けをしてくださった事がとてもうれしかったです。


 渾身の出来! とトムおじいさんが胸を張りながら言いました。


 その後は幸せのお裾分けと言うことで、お花を市民に配ったところ、大変喜ばれたのだそうです。



 今までの結婚式は豪華な薔薇を使う事が多かったのですが、幻想的な白い紫陽花に感動してくださった方々がこぞって庭に白い紫陽花を植える事になったようでした。



 王家から頂戴したダイヤモンドよりも私にはこの白い紫陽花の方がずっとずっと価値があります。内緒です。




 その後、ウィルベルト様は正式に殿下の秘書として働く事になるのでした。
 両陛下の覚えもめでたく、出世間違いなしと言われています。



 さすがウィルベルト様です! 

 後に聞いた話によりますと、ウィルベルト様は剣術の腕も確かで、護衛としても優秀なようです。



 幼い頃から身を守る為にお師匠様に稽古を付けて貰っていたのだそうです。





 いくら優秀であるといっても、またあの時のようなことが起きるのはやめてほしいです……
 


「危険なことはやめてくださいね、旦那様」



 そう言って毎日キスをして、ウィルベルト様を送り出すのでした。




       【完】


≣≣≣≣≣✿≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣


後書き的なもの


本編は【完】となります。


その後……を数話上げていきたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました(* ᴗ ᴗ)



 どこかの異世界風のお話であっても、なんとなく、現代の話とも……なんて思って作ったお話でした。


 そこを感じ取っていただけたようでとても嬉しく思いました。

 私の文章力が足りないせいで、途中水っぽい感じになってしまいましたけど(汗)


 そしてコメントもたくさんいただきありがとうございます( ˶ ̇ᵕ​ ̇˶)


 コメントをいただくと、更新の励みになりました。
 至らない部分は多々ありましたがその辺は反省点ですね……💦

 毎日更新できたところだけは良かったかな……と。


 また新作も近いうちに形になると思いますので、よろしくお願いします( .ˬ.)"
 ストレスなく明るい作品になる予定?です



その前に【番外編、その後】を先に更新していきたいと思います。



【田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました】

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました♡♡♡


2021/07/18



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