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果たし状ってどんなセンスだ?

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 ~ジルベルト視点~

「ジルベルト・ロワールよく逃げずにきたな!」

 オフィーリアには内緒にしておこう。因みにフローリア嬢にも内緒だ。この場に居たら面倒だから。

 ルシアンに話すと公平なジャッジがいるな。と剣術の先生に頼み来てもらった。決闘? なんてしたことがないからどういうものか分からないし学園が休みの日に行うことにした。学生同士の決闘だから命に関わる事はないと思うが念のため先生に頼んだというのもある。それにケガでもして後々面倒な事になりかねない。


「まぁね。負ける気しないし?」

「両者共口を慎むように! さてこの決闘だがお互いに何を求めるんだ?」

 敗者は今後一切オフィーリアに近寄らない事。勝者に対して敬意を払う事、オフィーリアが望めば勝者と仲を深めても良い事、それに対して文句を言わない事。
 ルールは簡単“負けを認めた場合”“剣を落とした場合”“先生に止められた場合”剣を使った試合だから足を使うのは禁止。という事だ。

「流石に五対一というわけにはいかないだろうから、一対一の闘いだろうが……ジルベルト君はそれで良いのか? 五回試合をして勝たなくてはいけない。不利になる」

「問題ありませんよ。とっととやっちゃいましょう!」

 口を慎むように! ともう一度怒られた。そして第一戦。

「この女顔が生意気だ!」
 とかかってきた子息には一瞬で勝った。

「田舎貴族が!」
 とかかってきた子息の腕を剣で(木刀)叩くと剣を落とし勝った。みんな口ほどにもないんだけど……まじ?

 ~割愛~

 最後の子息はそこそこ強かったな。うん。木刀を振り下ろし頭の前でピタッと止めたら“参りました”と降参した。

「はぁっ。ジルベルト君の勝利。君たちはこれからカルメル嬢に近寄る権利は無くなった、ジルベルト君がカルメル嬢とくっついても文句を言わない、男に二言はないな?」

「「「「「…………は、い」」」」」


「あとな、見た目で判断するのはとっても危険だ。ジルベルト君の家はお祖父さんの時代はこの国にロワール将軍あり。とまで言われていた闘将なんだぞ。戦争を終わらせたのも将軍のおかげだし、その後平和になりすっかり忘れているけれど現ロワール伯爵も穏やかな方だが相当な腕の持ち主だぞ。それにな、田舎貴族と言ったがロワール領は近隣国まで一日とかからず、王都まで一日という立地だ。分かるかなー? どっちにしろすぐに臨戦体制が整うんだ」


「「「「「え!」」」」」

 若い子息達は知らないか。騎士系の家だと結構知っていたりするんだけど。まぁ過去の話だし?

「いやー。平和ボケだな……現在のロワール領は穏やかだが、将軍に憧れて移住してきた者が多く腕が立つものも多いし、現在騎士をしている者もロワール領の出身者が多いのは騎士なら誰でも知っているんだが……ジルベルト君が強いのはそういう経緯があるからだ。決闘するなら相手のことをちゃんと調べないと……コレ基本だからな。強く見せずに実は強いっていうのも戦術だ。相手が悪かったな、先生からは以上」

 今は平和すぎるロワール領。仕事をしながら鍛錬をし隙間を見て花を植えたり清掃したり……自慢の領地だ。小さい頃からそんな領民達に鍛えられている僕もそこそこ腕が立つ。

「ジルベルトの圧勝だな。君たち約束はちゃんと守るように。守らなかったら……分かるよね?」

 にこり。とルシアンが笑った。ソレイユ侯爵家を敵に回す=フェロウズ公爵家も敵になる=貴族界からの総スカン。という縮図が頭に浮かぶ。その後は籍を抜かれるなり平民になるなりって所かな。表舞台には立てないと想像する。

「「「「「……はい」」」」」

「正々堂々と僕は戦った。何か他に言いたい事ある?」

 オフィーリア見守り隊5は首を振りすごすごと立ち去った。

「さすがジルベルト相変わらず強いな! 剣術で僕は敵わないからな」

「わざわざ休みの日に付き合わせてしまって悪かった。フローリア嬢にはなんて?」

「ジルベルトと遊んでくる! と言ったら“あら、そう”と言っていた。何かを察していても聞かないでくれるが、後から聞いてくるだろうからその時は言ってもいいか?」

 絶対に聞いてくるだろうな。答えなかったらルシアンが責められるだろう。それは申し訳ない。

「いいけれどオフィーリアには言わないで欲しいんだ。心配かけてしまうから」

「ははは、了解。フローリアにもそう伝えるよ」
「頼む」


 僕は平和的解決で話し合いでも良かったんだが、決闘の方が楽なのかもしれない。どっちが上か分かるだろう。



 次の日聞かされた内容はオフィーリア見守り隊5は解散。僕への見方も変わったようだ。ただ問題は……

「ジルベルト君、おはよう!」

 と見守り隊5の子息が声をかけてくるようになった。オフィーリアがいても構わずに!

「……あぁ、おはよう」
「おはようございます」

 オフィーリアが答えると満足気味に顔を赤く染める。オフィーリアに近寄るなという誓約はどうなったんだ! と聞く。
 
『オフィーリア嬢が一人の時は声をかけないし、近寄らない! 君に挨拶をしようとしたらオフィーリア嬢が偶然いただけだ!』

 と言う。

『約束は違わない! 安心しろ』

 となぜか上から目線だったが、それくらいで目くじらを立てるとオフィーリアに不審がられるから多めに見てやる事にした。
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