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あれ?思っていたのと違う…

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レナードと婚約者であるミレイユの名前を呼ばれて入場する事となった。
周りからは暖かい視線が送られる…

キョトンとした顔をしてしまったのだろう
「どうした?ミレイユ」
レナードに声を掛けられ
「ううん、なんでも、ない?かな」
「そう?」
周りに聞こえないようにくすくすとミレイユを見て笑うレナードだった


ヒソヒソと会場内での話が聞こえた

「ミレイユ様の顔を久しぶりに拝見いたしましたが、美しさに磨きがかかっておられますわね?」
「あの素敵なドレスはどこで作られたのかしら?見たことのない生地ですわねぇ」
「お肌がとても綺麗で、シミひとつございませんわよね?」
「体罰だなんて…許すまじ行為ですわ!」
「あら、優雅な仕草でレナード殿下と微笑みあって、仲がよろしいのね」
「微笑ましい光景ですわね」
「隣国へ嫁がれるとのことですが、あのお幸せそうな顔…」
「淑女の鏡と言われていますもの。ミレイユ様が居られるだけで場に花が咲いたようですわね」


………

「ねぇレナード様、誰のことを言っているのかしら…」
「俺たちの事だろうな」
ニヤリと笑うレナード

「だって…わたくし嫌われてますのよ?」
「嫌われていたらこんなに注目を浴びるか?見てみろあの、子息達の悔しそうな顔、ざまみろだな」
ミレイユの腰を抱き、まるで見せつけるかのような行為だ
レナードの顔をじっと見るミレイユ
「なんだ?」
「レナード様が居てくれて良かった」

そうこうしているうちに王族の入場となる
両陛下・王太子殿下と婚約者・クロヴィスとエミリアが続く

「ミレイユ、彼女が東の国の王女でクロヴィスの婚約者だ」
レナードに説明をされた。
クロヴィスにエスコートをされていた。
クロヴィスに会うのが怖かったが、何も思わない…

「ミレイユ?」
ハッとしてレナードの方を見る
「美しい方ですね、華やかで、ふふっ」
小さく笑うミレイユ

「レナード様、わたくし考えすぎでした!」
「なにが?」
「クロヴィス殿下を見ても、何も思いませんのね…なんだか遠くにいる人の様で…薄情ですけど」
眉を顰めた

「それは過去と決別出来たって事じゃないのか?」
「うん、そうかもしれない」
レナードに甘えるように近寄り肩に頭を寄せると、頭の天辺にキスを落とされた


陛下の誕生を祝うパーティーの開始だ
両陛下のダンスや王太子・クロヴィスのダンスの後、隣国の王子で来賓であるレナードとミレイユのダンスを貴族達が今か今かと待ちわび、ダンスフロアへと行く

「やっとミレイユとダンスが出来る」
「緊張します…」
微笑み合う二人をクロヴィスが恨めしそうに見ている
ダンスが終わり、ドリンクを飲んでいるとクロヴィスがこちらに向かってきた


「ミレイユ!勝手にレナードなんかと婚約して、どういうつもりだ?」
両腕を組み非難してくるクロヴィス

「やぁ!クロヴィス元気そうだな?エミリア王女はどうした?パートナーを放っておくものではない」
レナードが微笑みながら嫌味を言う

「ミレイユ、この嫌味な男に無理矢理婚約させられたんだな…可哀想に」
そっとレナードの背中に隠れるミレイユ

「あぁ、ミレイユ可哀想に…怖がっているじゃないか!」
「なんだと…!?」
睨み合う二人の王子に居ても立っても居られない…

「ミレイユ、私とダンスに付き合ってくれ!このイヤミな男が居たら話も出来ん」
クロヴィスがミレイユに手を差し伸べる

「まさか、俺がミレイユをお前とのダンスに送り出す訳ないだろう?」
二人の会話を周りはヒヤヒヤしながらも見ている


「クロヴィス様?わたくしを置いて行くなんていい度胸ですわねぇ…」
「え、エミリア…」
ギョッとした顔をするクロヴィス

「あら?レナード殿下お久しぶりです」
エミリアが淑女の礼をする
「やぁ!エミリア王女久しぶりだね、ミレイユこちらは東の国の第二王女でエミリア王女だよ、クロヴィスの婚約者」
何もなかったようにミレイユにエミリアを紹介する

「エミリア王女殿下、はじめまして、フランク侯爵が娘ミレイユと申します」
挨拶をする

「貴女がミレイユ様ね、本当に美しい事…レナード殿下、この度はご婚約おめでとうございます」

「ありがとう、エミリア王女もクロヴィスとの婚約おめでとう」
「まぁ、ありがとうございます。ミレイユ様のお陰で婚約することができましたもの、感謝致しますわ」
にこりと微笑まれキョトンとした顔をしてしまった

「結婚式には招待するから是非参列してもらいたい」
レナードがミレイユの肩を抱く

「えぇ、そうさせて貰います、本当に仲がよろしいのね」
レナードの顔を見ると優しい瞳で微笑まれ、ミレイユは嬉しくなり微笑み返す

「み、ミレイユ…そんな顔をしてレナードを見ないでくれよ」
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