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久しぶりの家族団欒
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久しぶりに王都の邸である
「「「おかえりなさいませお嬢様」」」
「ただいま」
使用人は皆ミレイユの帰りを待っていたようで明るい表情を見せる
「皆んな姉上の帰りを待っていたんだ」
ルイに言われ
「えぇ、嬉しいわね、皆んな出迎えてくれてありがとう」
笑顔を見せるミレイユ
「お、お嬢さまぁ…」
ミレイユの笑顔を見て喜ぶ者や、涙目になる者、それぞれである
「疲れただろ?部屋で休みなよ」
「うん、そうさせてもらうわね。晩餐にはお父様も戻ってこられるみたいだし、それまで休憩するわね」
三日後には陛下の誕生祝いの夜会が行われる
不安で憂鬱ではあるが、レナードに勇気づけられた。
少しだけ自信を持ってレナードの隣に並ぼうと決めた。
馬車の中で王都に居なかった間の話をルイに聞くと、伯爵夫人は教育係を辞めさせられたと聞いた。
伯爵夫人に会わなくて済むと思ったら気持ちが楽になったし、クロヴィスの取り巻き令嬢達も、結婚をしたり大人しくなったと聞いた。
詳しくは教えて貰えなかったが、興味本位で聞いてはいけない事なんだろう。と思いとどまった。
クロヴィスの婚約者は東の国の王女。
迫力美人でクロヴィスが押されているのだと聞き、クロヴィスには合っているのだろうと思い少し可笑しくて笑った…
陛下の誕生祝いに向けてマッサージをされ身体のメンテナンスをされた。
「お嬢様、領地は楽しかったようですね」
ミレイユに付いている侍女やメイドに口を揃えて言われる
「えぇ、とても充実した日々を過ごしてきたのよ」
と答える
「お肌の調子もよろしいですし、健康的になられたようですね!少し日焼けをして赤くなっているのが気になりますが…」
そう言い顔の日焼けのメンテナンスが行われ
「お嬢様の美しい白い肌が…赤くなって…」
念入りにマッサージされた後に、小言を言われるがそれすらも、嬉しかった
邸の使用人は皆ミレイユに気を遣いながらも優しくてほっとした
腫れ物に触るような扱いは全くされなかった
その後母も遅れて王都へと到着し、家族水入らずで晩餐を取ることとなった
「皆んなで晩餐なんて久しぶりね」
母が言うと、みんなが頷く
「陛下の誕生祭の事だけど、ミレイユは、何も気にせずレナード殿下と楽しみなさい」
不安に思っている事が父にはバレているのだろう
「はい」
「面倒なことはレナード殿下に任せておけば良いから」
そう父が言うので思わず可笑しくて笑ってしまう
「何がそんなに可笑しいんだ?」
父と母がミレイユを見る
「だってお父様、ルイと同じ事を言うのだもの。レナード様に面倒な事は押し付けるのね?」
「そりゃそうだよ、あの人は頼られたいんだから、任せとけば良いよ」
ルイが面倒くさそうに答える
「そうだ」「そうよ」
両親の声がシンクロする
「頼もしいわね。レナード様」
「そうだね、比べちゃ悪いけどクロヴィス殿下よりはマシだからね」
ルイが嫌そうな顔をする
「そのクロヴィス殿下との話合いは決して二人きりにならないように!」
父にきつく言われる
「はい。レナード様にも言われてるの。ルイがついてきてくれるわよね?」
「まぁ、ね」
「頼んだよ、ルイ」
父が言う
「分かりましたよ、行きますよ」
「まだまだお役免除と言うわけにはいかないわね、ルイ?」
母が言う
「そうですね、仕方ありませんからね」
「やっぱりルイは頼りになるわね」
ミレイユが言う
「そういえば、レナード殿下からのドレスはどうなったの?」
母が心配そうに聞いてくる
「明日届く予定ですって」
「あらギリギリじゃ無いの!大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、あの人は明日といえば必ず届くよ」
ルイが言う
「ルイはレナード殿下を随分と信頼しているな」
父がルイを見る
「…悪い人では無いからね」
「ふふっ、なんとなーく似ているものねルイとレナード様」
母が言うとルイ以外が納得している表情だった
「やめてくれ…」
ルイが言う
「やっぱり似ているわよね!二人が仲良くしてくれて嬉しい」
「レナード様には言うなよ」
呆れ口調のルイが皆を見ると笑っていた…
…口には出さないが悪い気はしなかった
「「「おかえりなさいませお嬢様」」」
「ただいま」
使用人は皆ミレイユの帰りを待っていたようで明るい表情を見せる
「皆んな姉上の帰りを待っていたんだ」
ルイに言われ
「えぇ、嬉しいわね、皆んな出迎えてくれてありがとう」
笑顔を見せるミレイユ
「お、お嬢さまぁ…」
ミレイユの笑顔を見て喜ぶ者や、涙目になる者、それぞれである
「疲れただろ?部屋で休みなよ」
「うん、そうさせてもらうわね。晩餐にはお父様も戻ってこられるみたいだし、それまで休憩するわね」
三日後には陛下の誕生祝いの夜会が行われる
不安で憂鬱ではあるが、レナードに勇気づけられた。
少しだけ自信を持ってレナードの隣に並ぼうと決めた。
馬車の中で王都に居なかった間の話をルイに聞くと、伯爵夫人は教育係を辞めさせられたと聞いた。
伯爵夫人に会わなくて済むと思ったら気持ちが楽になったし、クロヴィスの取り巻き令嬢達も、結婚をしたり大人しくなったと聞いた。
詳しくは教えて貰えなかったが、興味本位で聞いてはいけない事なんだろう。と思いとどまった。
クロヴィスの婚約者は東の国の王女。
迫力美人でクロヴィスが押されているのだと聞き、クロヴィスには合っているのだろうと思い少し可笑しくて笑った…
陛下の誕生祝いに向けてマッサージをされ身体のメンテナンスをされた。
「お嬢様、領地は楽しかったようですね」
ミレイユに付いている侍女やメイドに口を揃えて言われる
「えぇ、とても充実した日々を過ごしてきたのよ」
と答える
「お肌の調子もよろしいですし、健康的になられたようですね!少し日焼けをして赤くなっているのが気になりますが…」
そう言い顔の日焼けのメンテナンスが行われ
「お嬢様の美しい白い肌が…赤くなって…」
念入りにマッサージされた後に、小言を言われるがそれすらも、嬉しかった
邸の使用人は皆ミレイユに気を遣いながらも優しくてほっとした
腫れ物に触るような扱いは全くされなかった
その後母も遅れて王都へと到着し、家族水入らずで晩餐を取ることとなった
「皆んなで晩餐なんて久しぶりね」
母が言うと、みんなが頷く
「陛下の誕生祭の事だけど、ミレイユは、何も気にせずレナード殿下と楽しみなさい」
不安に思っている事が父にはバレているのだろう
「はい」
「面倒なことはレナード殿下に任せておけば良いから」
そう父が言うので思わず可笑しくて笑ってしまう
「何がそんなに可笑しいんだ?」
父と母がミレイユを見る
「だってお父様、ルイと同じ事を言うのだもの。レナード様に面倒な事は押し付けるのね?」
「そりゃそうだよ、あの人は頼られたいんだから、任せとけば良いよ」
ルイが面倒くさそうに答える
「そうだ」「そうよ」
両親の声がシンクロする
「頼もしいわね。レナード様」
「そうだね、比べちゃ悪いけどクロヴィス殿下よりはマシだからね」
ルイが嫌そうな顔をする
「そのクロヴィス殿下との話合いは決して二人きりにならないように!」
父にきつく言われる
「はい。レナード様にも言われてるの。ルイがついてきてくれるわよね?」
「まぁ、ね」
「頼んだよ、ルイ」
父が言う
「分かりましたよ、行きますよ」
「まだまだお役免除と言うわけにはいかないわね、ルイ?」
母が言う
「そうですね、仕方ありませんからね」
「やっぱりルイは頼りになるわね」
ミレイユが言う
「そういえば、レナード殿下からのドレスはどうなったの?」
母が心配そうに聞いてくる
「明日届く予定ですって」
「あらギリギリじゃ無いの!大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、あの人は明日といえば必ず届くよ」
ルイが言う
「ルイはレナード殿下を随分と信頼しているな」
父がルイを見る
「…悪い人では無いからね」
「ふふっ、なんとなーく似ているものねルイとレナード様」
母が言うとルイ以外が納得している表情だった
「やめてくれ…」
ルイが言う
「やっぱり似ているわよね!二人が仲良くしてくれて嬉しい」
「レナード様には言うなよ」
呆れ口調のルイが皆を見ると笑っていた…
…口には出さないが悪い気はしなかった
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