12 / 36
パートナーのいない夜会2
しおりを挟む
両陛下が会場を見渡せる王族席に座っているのでクロヴィスも向かう事にしたが、クロヴィスの機嫌は悪い
「なぁにクロヴィスその顔?」
王妃に問われ
「ミレイユが居ないからですよ…」
こんなに寂しいものだとは思わなかった。
隣に居て当然だと思っていた相手で、ミレイユは何があってもクロヴィスを見限る事はしないと驕りがあった…
「ふふっ…頑張りなさい、でも考えなさいよ?そのやり方はダメです」
クロヴィスはむくれて返事を返さずにいる
貴族の挨拶の行列が後をたたず、両陛下の後ろでただ話を聞いていると
「クロヴィス殿下に娘を紹介したいのですが…」
「いや、私の孫娘を」
「器量がよく、努力家で」
「一曲娘とダンスを、」
「うるさい、私にはミレイユがいる」
「婚約を解消されたと聞きました、うちの娘は淑女中の淑女ですよ」
「解消は、本意ではない」
ジロリと貴族たちを見る
「心を病まれたという噂が…」
「噂だと?噂でミレイユを侮辱するのは許さん、ミレイユの侮辱は私への侮辱と捉える」
「王子の婚約者が不在とは…」
「フランク侯爵はなんと言っておられるのですか?」
「まぁ良いではないか、クロヴィスの好きにさせてやれ」
「陛下!」
「なんじゃ?気に食わないか?」
「いえ、」
「他のものも良いな?」
「「「「はっ」」」」
夜会でクロヴィスに変化があったと囁かれた
クロヴィスがミレイユを庇っている
いつもの取り巻き令嬢を煙たがっている
ミレイユへの悪い噂に怒っている
婚約は解消されている
これをチャンスと捉えた令嬢は次の夜会でクロヴィスに言い寄るが
「私に触れるな」
「私の名前を気安く呼ぶな」
「ミレイユの悪口は許さん、抗議するぞ」
次々と令嬢の家に抗議の手紙を叩きつける
クロヴィスの頑張りでミレイユの社交界での悪い噂はなくなりつつあったのだが、王妃にアドバイスされた、やり方を考えなさいと言う意味を理解していなかった…
今まで取り巻きの令嬢にいい顔をしてきたクロヴィスが掌を返すように煙たがるので、反発を買ってしまう
ミレイユに体罰を行った伯爵夫人の元へある手紙が寄せられた。
『貴女に言われた事を人に話したら、噂になり広まってしまった!クロヴィス様からは嫌われ、親からは怒られ大変な思いをしている、責任を取れ!』
と言う身勝手な手紙だ
ミレイユを逆恨みしている夫人は手紙の相手に、内緒にしていたが事実をと…手紙を返す
ミレイユは城に王子妃教育の為に来ていたが王子と会う事も無かった、なぜ会えないのか?
理由は身体中に火傷やあざの跡があるからだ…と。
その証拠にミレイユのドレスはいつも目立たない色味やロングスリーブを選んでいた。
肌を出したくないのではなく、出せないのだ。令嬢はこれを機とし、クロヴィスにミレイユを諦めさせようと、また噂を流すとあっという間に広がった…
「バカなっ!」
クロヴィスが怒りに満ちた顔でクッションを殴りつける
あざがあるのは、侯爵の家での教育の一貫で、出来の悪い娘に体罰を与えていただの、クロヴィスがミレイユに暴力を振るったからと噂が流れる
フランク侯爵令嬢が雲隠れしているのはそのせいだと噂が広まった
「またか!噂を流したのはだれだ!私がミレイユに暴力を振るうなど…あり得ないだろっ!!」
クロヴィスは新たに雇用した侍従に聞く
取り留めて印象に残らない中肉中背の特徴のない顔の伯爵家の次男アルフと、イケメンで、ナンパ師の侯爵家の次男シリルである
シリルが令嬢をナンパして聞き込みを、アルフは存在感を消しヒソヒソと話をする夫人達の近くで立ち聞きをする。
そうした結果、噂を流したきっかけは例の伯爵夫人であると分かった。
「証拠が欲しい」
クロヴィスがアルフとシリルに言う
「令嬢の手紙ですね?」
アルフが言った
「手に入るか?」
ニヤリと笑うアルフ
令嬢の家は男爵家であった。
男爵家を調べていると、どうもきな臭い取引をしていると言うことが分かった…
アルフが花瓶を出してきて見せる
「贋作か…?」
シリルが言う
「正解です!」
驚くアルフ
「家にも同じものがあるが、色合いや、絵付けが雑なんだよなぁ…」
まじまじと花瓶を見るシリル
「さすが高位貴族ですね!」
「それがどうした?」
苛立つクロヴィス
「今までの取引のことを目を瞑るから、娘の手紙を寄越せと言うだけです。今までの取引と言っても、始めたばかりで二件ほど騙されただけですので、回収して壊します、また同じことを繰り返せば捕まえればいいだけのことなんで!令嬢の部屋に忍び込むのは、流石に気の毒ですから」
「任せた」
「「はい」」
二日後に手紙を手に入れることが出来た。
「なぁにクロヴィスその顔?」
王妃に問われ
「ミレイユが居ないからですよ…」
こんなに寂しいものだとは思わなかった。
隣に居て当然だと思っていた相手で、ミレイユは何があってもクロヴィスを見限る事はしないと驕りがあった…
「ふふっ…頑張りなさい、でも考えなさいよ?そのやり方はダメです」
クロヴィスはむくれて返事を返さずにいる
貴族の挨拶の行列が後をたたず、両陛下の後ろでただ話を聞いていると
「クロヴィス殿下に娘を紹介したいのですが…」
「いや、私の孫娘を」
「器量がよく、努力家で」
「一曲娘とダンスを、」
「うるさい、私にはミレイユがいる」
「婚約を解消されたと聞きました、うちの娘は淑女中の淑女ですよ」
「解消は、本意ではない」
ジロリと貴族たちを見る
「心を病まれたという噂が…」
「噂だと?噂でミレイユを侮辱するのは許さん、ミレイユの侮辱は私への侮辱と捉える」
「王子の婚約者が不在とは…」
「フランク侯爵はなんと言っておられるのですか?」
「まぁ良いではないか、クロヴィスの好きにさせてやれ」
「陛下!」
「なんじゃ?気に食わないか?」
「いえ、」
「他のものも良いな?」
「「「「はっ」」」」
夜会でクロヴィスに変化があったと囁かれた
クロヴィスがミレイユを庇っている
いつもの取り巻き令嬢を煙たがっている
ミレイユへの悪い噂に怒っている
婚約は解消されている
これをチャンスと捉えた令嬢は次の夜会でクロヴィスに言い寄るが
「私に触れるな」
「私の名前を気安く呼ぶな」
「ミレイユの悪口は許さん、抗議するぞ」
次々と令嬢の家に抗議の手紙を叩きつける
クロヴィスの頑張りでミレイユの社交界での悪い噂はなくなりつつあったのだが、王妃にアドバイスされた、やり方を考えなさいと言う意味を理解していなかった…
今まで取り巻きの令嬢にいい顔をしてきたクロヴィスが掌を返すように煙たがるので、反発を買ってしまう
ミレイユに体罰を行った伯爵夫人の元へある手紙が寄せられた。
『貴女に言われた事を人に話したら、噂になり広まってしまった!クロヴィス様からは嫌われ、親からは怒られ大変な思いをしている、責任を取れ!』
と言う身勝手な手紙だ
ミレイユを逆恨みしている夫人は手紙の相手に、内緒にしていたが事実をと…手紙を返す
ミレイユは城に王子妃教育の為に来ていたが王子と会う事も無かった、なぜ会えないのか?
理由は身体中に火傷やあざの跡があるからだ…と。
その証拠にミレイユのドレスはいつも目立たない色味やロングスリーブを選んでいた。
肌を出したくないのではなく、出せないのだ。令嬢はこれを機とし、クロヴィスにミレイユを諦めさせようと、また噂を流すとあっという間に広がった…
「バカなっ!」
クロヴィスが怒りに満ちた顔でクッションを殴りつける
あざがあるのは、侯爵の家での教育の一貫で、出来の悪い娘に体罰を与えていただの、クロヴィスがミレイユに暴力を振るったからと噂が流れる
フランク侯爵令嬢が雲隠れしているのはそのせいだと噂が広まった
「またか!噂を流したのはだれだ!私がミレイユに暴力を振るうなど…あり得ないだろっ!!」
クロヴィスは新たに雇用した侍従に聞く
取り留めて印象に残らない中肉中背の特徴のない顔の伯爵家の次男アルフと、イケメンで、ナンパ師の侯爵家の次男シリルである
シリルが令嬢をナンパして聞き込みを、アルフは存在感を消しヒソヒソと話をする夫人達の近くで立ち聞きをする。
そうした結果、噂を流したきっかけは例の伯爵夫人であると分かった。
「証拠が欲しい」
クロヴィスがアルフとシリルに言う
「令嬢の手紙ですね?」
アルフが言った
「手に入るか?」
ニヤリと笑うアルフ
令嬢の家は男爵家であった。
男爵家を調べていると、どうもきな臭い取引をしていると言うことが分かった…
アルフが花瓶を出してきて見せる
「贋作か…?」
シリルが言う
「正解です!」
驚くアルフ
「家にも同じものがあるが、色合いや、絵付けが雑なんだよなぁ…」
まじまじと花瓶を見るシリル
「さすが高位貴族ですね!」
「それがどうした?」
苛立つクロヴィス
「今までの取引のことを目を瞑るから、娘の手紙を寄越せと言うだけです。今までの取引と言っても、始めたばかりで二件ほど騙されただけですので、回収して壊します、また同じことを繰り返せば捕まえればいいだけのことなんで!令嬢の部屋に忍び込むのは、流石に気の毒ですから」
「任せた」
「「はい」」
二日後に手紙を手に入れることが出来た。
160
お気に入りに追加
3,810
あなたにおすすめの小説
──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。
ふまさ
恋愛
伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。
「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」
正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。
「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」
「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」
オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。
けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。
──そう。
何もわかっていないのは、パットだけだった。
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
婚約者に選んでしまってごめんなさい。おかげさまで百年の恋も冷めましたので、お別れしましょう。
ふまさ
恋愛
「いや、それはいいのです。貴族の結婚に、愛など必要ないですから。問題は、僕が、エリカに対してなんの魅力も感じられないことなんです」
はじめて語られる婚約者の本音に、エリカの中にあるなにかが、音をたてて崩れていく。
「……僕は、エリカとの将来のために、正直に、自分の気持ちを晒しただけです……僕だって、エリカのことを愛したい。その気持ちはあるんです。でも、エリカは僕に甘えてばかりで……女性としての魅力が、なにもなくて」
──ああ。そんな風に思われていたのか。
エリカは胸中で、そっと呟いた。
貴方の運命になれなくて
豆狸
恋愛
運命の相手を見つめ続ける王太子ヨアニスの姿に、彼の婚約者であるスクリヴァ公爵令嬢リディアは身を引くことを決めた。
ところが婚約を解消した後で、ヨアニスの運命の相手プセマが毒に倒れ──
「……君がそんなに私を愛していたとは知らなかったよ」
「え?」
「プセマは毒で死んだよ。ああ、驚いたような顔をしなくてもいい。君は知っていたんだろう? プセマに毒を飲ませたのは君なんだから!」
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる