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幼馴染に戻りましょう

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「昨日の事は大勢の方々が見ていらしたのを殿下もご存知でしょう?ケイティ様をエスコートされていましたし…他の令嬢の証言もございます」
呆れるミレイユ

「茶番だな、本気だと思っているものなどおらん」

イライラとしてしまう。
淑女としては失格だろう


「…殿下はただ幼い頃に、たまたま近くにいたわたくしと婚約をしただけですから、わたくしを軽んじてらっしゃるのです。だからリップサービスで婚約破棄などと仰ったのではないですか?お望み通り幼馴染に戻りましょう」
貼り付けた様な笑みを返す


「たまたま近くにだと?」
「えぇ、たまたまです、もしそばにケイティ様がいらしたのなら婚約者はケイティ様でしたでしょうねぇ…」
頬に手を当てうんうんと頷くミレイユ

「本気で言っているのか?」
ミレイユを見る目が悲しそうに映る

「えぇ、わたくしは殿下が選んだ方ならそれでよろしいかと存じます」


「バカなことを…」
はぁっとため息を吐くクロヴィス
「ミレイユおまえ、私のことをどう思っている?」

「殿下の事ですか…?」
「殿下とはなんだ?嫌味か?」

「いえ、もうわたくしたちは婚約関係ではなくなりますでしょう?」

「解消などせんと言った」
「解消の方向でお考えくださいませ」

「解消せんと言っているだろうに!しつこいな」
バンっと机を叩くクロヴィスにびくっとする


……人の邸にやってきてこの様な態度を…
プルプルと下を向き震えるミレイユ


「わ、悪い、怖がらせてしまったか?」
立ち上がりミレイユの近くに寄り肩に手をおくが、パシッと手を払われる

「わたくしに触らないでください」
クロヴィスを見るミレイユ
「なっ!」
まさか手を振り払われるとは思わなかったクロヴィスは驚き固まる


「もう、限界なんです…」
「なにがお前をそうさせたんだ?おまえらしくないぞ」
「わたくしらしいって何?もう何も考えたくありません」
「どうしたというんだ?」


「お父様に婚約解消を願いました、わたくしは体の具合が悪いのです、そろそろ失礼します」
立ったままのクロヴィスはミレイユを見下ろす
「解消はせんからな」
「してくださいな」
「昨日の騒動の責任をとっておまえと結婚する」
「ごめんなさい」

「おまえ王家に対する謀反でもあるのか?ルイに家督を継がせたかったら、大人しく結婚しろ」
「脅し?ですか」
「どうとっても構わん!おまえは大人しく私の妻になれ」

「ケイティ様はどうなさるおつもり?」
「そもそも、ケイティなんぞに興味なんてないっ!」



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