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第六部 梟雄の死
31 今孔明
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斎藤道三は長井道利の嘲りの最中に、その山下の私邸を脱し、駆けに駆け、大桑城という城にたどり着いていた。
大桑城。
かつて、美濃の国主が土岐家であった頃の守護職の居城であり、土岐家としては頼純という当主が最後の城主だった。そしてその頼純の室を、帰蝶――濃姫といった。
「何とも皮肉なことよ」
かつて陥落させたことのある、そして娘の嫁ぎ先であった城。
この城に拠って戦わねばならぬとは。
「――だがそれも一興。のちの世の語り草となろうて」
道三は腐ることなく、美濃国内の土豪や国人に書状や使いを送って、兵を求めた。
だが、その返事は捗々しくなく、集まった兵数はおよそ二千七百余。
対するや、義龍の兵力は一万七千五百余である。
「六倍ではないか」
道三はその情報を隠すことなく、軍議の場で告げた。
場にいる武将たちは、大体が悄然としていたが、ひとり初陣とおぼしき少年が「良いですか」と言って来たので、発言を許した。
「それでは、この大桑城に籠城するというのはどうでしょう」
「籠城策か……だがそれは援軍が無ければ、意味が無いぞ。かの河越夜戦も、援軍があったればこそ、だ」
河越夜戦では、河越城に籠る北条綱成が、城外から夜襲した北条氏康と内外呼応して、古河公方率いる八万の攻城軍を撃破したと伝えられている。
すると少年はこともなげといった風に、話をつづけた。
「あるではないですか、援軍が。尾張に」
「……信長どのか」
今となっては義龍以外で生き残った子・帰蝶の嫁ぎ先である織田家の織田信長。
嫁いだ時から今まで、道三が信長を支援する立場であったが、今この時は、信長の方が道三を支援する時ではないか。
少年はそう言いたいのだ。
道三は瞑目してその策を検討したが、やがて眼を開いて、言った。
「……なかなかの策だ。信長どのを呼ぶこと自体は悪くない」
「では」
「いや。だからといって、籠城はしない……というか、できない」
「それは」
道三はそこで少年を見つめた。
まだまだ未熟だが、見るべきものがある。
これから先も学び経験すれば、きっと、伸びる。
そう……のちの世の語り草となるくらいに。
「……すまぬ。そういえば、名を聞いていなかったな、若いの。わしは道三入道斎藤利政。おぬしは?」
「私は……」
少年が答えようとしたところで、物見に出ていた蜂須賀小六が戻って来た。
「一大事でござる」
「何だ」
「義龍、長井道利に一軍を預けました……明智の城を攻めよ、と。」
「そうか」
少年はうめいた。
道三が言いたかったのは、こういうことか、と。
道三が籠城するのであれば、義龍としては、道三を支持する国人なり土豪なりの本拠地を攻めれば良いのだ。
そうすれば、道三としてはその本拠地を守るために、城から出て来ざるを得ない。
この場合、道三の最大の支持者である明智家(道三の正室・小見の方の出身)を攻めれば、その効果は絶大である。
道三は小六に「十兵衛は」と聞くと、小六は「織田に」と答えた。
頼む前に、帰蝶にこの件を伝えに行ってくれたのか。
道三は大きく息を吐いた。
「方々、ことここに至っては、是非もない。この道三、城を出て決戦に挑もうと思う」
諸将は立ち上がる。
道三は深くうなずく。
「そしてこの道三、もはや正室との間の男子がおらぬ。ゆえに、帰蝶の嫁いだ織田信長に国を……美濃を譲ろうと思う」
「大殿、それは」
小六は目を剥いた。
「そうよ、小六。それこそがこの道三に兵が集まらぬ理由よ。跡継ぎがいなければ、未来が無い。将来が無い。そう思って、誰もが躊躇した。躊躇った。それこそが……義龍、否、おそらく今川義元の策よ」
正確には太原雪斎の策であるかもしれない。だが、今となってはそれもどうでもいいこと。
道三の正室の男子を殺せば、必然的に、庶子と言えども長子である義龍に家督を譲らざるを得ない。そして道三と敵対するとなれば、道三には跡を継ぐ者がおらず、畢竟、道三の方には人が集まらない。
道三は、かいつまんで今川家の美濃への策謀を語り、そして言った。
「今川義元は、この道三を闇討ちして殺すは難しいと見た。見たがゆえに……そして義龍の、わしを合戦にて討ち果たしたいという気持ちを読んだ上の一手よ。なかなかよ……なかなかやるではないか、今川め……だが」
気づいたのは孫四郎と喜平次が殺された時だがと自嘲した道三は、懐中から書状を取り出した。
そして諸将の目の前でその書状を広げ、見せつける。
「わしとて蝮と呼ばれた男。そうまでされて、何の手もないわけではない。こうして……信長に国を譲り、おぬしらがこれからの合戦で功を立てれば、きちんと報いるようにする。未来に、将来にわたって、それが利いてくるようにする」
おお、と諸将は感歎の声を上げた。
この一戦、ただ道三への意地を見せ、殉じるためのいくさではなかった。
戦えば、勝てば報われる。
未来がある。
将来がある。
「大殿、やりまする」
「われら、必ず勝利を」
「…………」
だが道三は沸き立つ諸将の様子を見つつ、「気づけ、信長、帰蝶」とつぶやいていた。
彼には、今川義元の手による義龍の美濃国盗りの、真の狙いが見えつつあった。
それは、尾張の織田信長の勢力を落とすために、信長最大の支持者である道三を斃すだけではない。
それを……義元の真の狙いをどうにかするための国譲りだった。
けれども、義元に気づかれるわけにはいかない。今、こうして賛同の意を述べる諸将の中にも、今川の間者がいるかもしれない。間者でなくとも、義龍と二股をかけている者がいるかもしれない。
ゆえに、こうつぶやくのだ――「気づけ、信長、帰蝶」と。
*
出陣するにあたって、斎藤道三は例の少年を大桑城の留守居役に命じた。
少年は当然、抗議した。
「なにゆえ」
「すまぬ、すまぬ」
道三は好々爺のような顔をしておどけ、そしてわざと少年に組み付いた。
傍から見ると、ふざけ合っているようにしか見えない。
だが道三は少年の耳に口を寄せると真剣な表情で「このいくさ、おそらく負ける」とささやいた。
ぎょっとして道三に顔を向けようとする少年だが、道三が腕力でそれを許さない。
「一か八かだ。賭けだ。遊びだ。大人だけの、な。子どもはすっこんでおれ」
「わ、私は」
「まあ聞け。敗色濃厚だが、むろん、勝ちを狙っていくつもりだ。勝てたら、その時はお前に先陣を命ずる。約束しよう。だがこれは取引だ。負けたら……己の城に帰れ。この道三には脅されたとして、知らぬ顔でもしておれ。なあに義龍のこと……あの甘ちゃんのことだ、さすれば、お前をわざわざ潰そうとは、すまい」
「…………」
「惜しいのだ、お前が」
道三は少年の才を見抜いた。愛した。それゆえに、彼を真の意味で未来へ向かわせようとしているのだ。
少年はそういう道三の心底を見抜いた。その、才のゆえに。
「……分かりました」
「分かってくれたか」
「ですが、この城は守り抜きます。大殿のいくさの勝敗が決まるまでは」
「うむ。それで良い」
道三は少年の体を離し、「出陣!」と叫んで、愛馬に跨った。
馬上、道三は、少年の名を聞いてなかったことと気づいた。
かたわらにいた蜂須賀小六に聞くと、こう返って来た。
「たしか――竹中半兵衛、と」
……のちに、織田、そして羽柴の創業を支えた名軍師「今孔明」の初陣が、この戦いだったといわれる。
大桑城。
かつて、美濃の国主が土岐家であった頃の守護職の居城であり、土岐家としては頼純という当主が最後の城主だった。そしてその頼純の室を、帰蝶――濃姫といった。
「何とも皮肉なことよ」
かつて陥落させたことのある、そして娘の嫁ぎ先であった城。
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「六倍ではないか」
道三はその情報を隠すことなく、軍議の場で告げた。
場にいる武将たちは、大体が悄然としていたが、ひとり初陣とおぼしき少年が「良いですか」と言って来たので、発言を許した。
「それでは、この大桑城に籠城するというのはどうでしょう」
「籠城策か……だがそれは援軍が無ければ、意味が無いぞ。かの河越夜戦も、援軍があったればこそ、だ」
河越夜戦では、河越城に籠る北条綱成が、城外から夜襲した北条氏康と内外呼応して、古河公方率いる八万の攻城軍を撃破したと伝えられている。
すると少年はこともなげといった風に、話をつづけた。
「あるではないですか、援軍が。尾張に」
「……信長どのか」
今となっては義龍以外で生き残った子・帰蝶の嫁ぎ先である織田家の織田信長。
嫁いだ時から今まで、道三が信長を支援する立場であったが、今この時は、信長の方が道三を支援する時ではないか。
少年はそう言いたいのだ。
道三は瞑目してその策を検討したが、やがて眼を開いて、言った。
「……なかなかの策だ。信長どのを呼ぶこと自体は悪くない」
「では」
「いや。だからといって、籠城はしない……というか、できない」
「それは」
道三はそこで少年を見つめた。
まだまだ未熟だが、見るべきものがある。
これから先も学び経験すれば、きっと、伸びる。
そう……のちの世の語り草となるくらいに。
「……すまぬ。そういえば、名を聞いていなかったな、若いの。わしは道三入道斎藤利政。おぬしは?」
「私は……」
少年が答えようとしたところで、物見に出ていた蜂須賀小六が戻って来た。
「一大事でござる」
「何だ」
「義龍、長井道利に一軍を預けました……明智の城を攻めよ、と。」
「そうか」
少年はうめいた。
道三が言いたかったのは、こういうことか、と。
道三が籠城するのであれば、義龍としては、道三を支持する国人なり土豪なりの本拠地を攻めれば良いのだ。
そうすれば、道三としてはその本拠地を守るために、城から出て来ざるを得ない。
この場合、道三の最大の支持者である明智家(道三の正室・小見の方の出身)を攻めれば、その効果は絶大である。
道三は小六に「十兵衛は」と聞くと、小六は「織田に」と答えた。
頼む前に、帰蝶にこの件を伝えに行ってくれたのか。
道三は大きく息を吐いた。
「方々、ことここに至っては、是非もない。この道三、城を出て決戦に挑もうと思う」
諸将は立ち上がる。
道三は深くうなずく。
「そしてこの道三、もはや正室との間の男子がおらぬ。ゆえに、帰蝶の嫁いだ織田信長に国を……美濃を譲ろうと思う」
「大殿、それは」
小六は目を剥いた。
「そうよ、小六。それこそがこの道三に兵が集まらぬ理由よ。跡継ぎがいなければ、未来が無い。将来が無い。そう思って、誰もが躊躇した。躊躇った。それこそが……義龍、否、おそらく今川義元の策よ」
正確には太原雪斎の策であるかもしれない。だが、今となってはそれもどうでもいいこと。
道三の正室の男子を殺せば、必然的に、庶子と言えども長子である義龍に家督を譲らざるを得ない。そして道三と敵対するとなれば、道三には跡を継ぐ者がおらず、畢竟、道三の方には人が集まらない。
道三は、かいつまんで今川家の美濃への策謀を語り、そして言った。
「今川義元は、この道三を闇討ちして殺すは難しいと見た。見たがゆえに……そして義龍の、わしを合戦にて討ち果たしたいという気持ちを読んだ上の一手よ。なかなかよ……なかなかやるではないか、今川め……だが」
気づいたのは孫四郎と喜平次が殺された時だがと自嘲した道三は、懐中から書状を取り出した。
そして諸将の目の前でその書状を広げ、見せつける。
「わしとて蝮と呼ばれた男。そうまでされて、何の手もないわけではない。こうして……信長に国を譲り、おぬしらがこれからの合戦で功を立てれば、きちんと報いるようにする。未来に、将来にわたって、それが利いてくるようにする」
おお、と諸将は感歎の声を上げた。
この一戦、ただ道三への意地を見せ、殉じるためのいくさではなかった。
戦えば、勝てば報われる。
未来がある。
将来がある。
「大殿、やりまする」
「われら、必ず勝利を」
「…………」
だが道三は沸き立つ諸将の様子を見つつ、「気づけ、信長、帰蝶」とつぶやいていた。
彼には、今川義元の手による義龍の美濃国盗りの、真の狙いが見えつつあった。
それは、尾張の織田信長の勢力を落とすために、信長最大の支持者である道三を斃すだけではない。
それを……義元の真の狙いをどうにかするための国譲りだった。
けれども、義元に気づかれるわけにはいかない。今、こうして賛同の意を述べる諸将の中にも、今川の間者がいるかもしれない。間者でなくとも、義龍と二股をかけている者がいるかもしれない。
ゆえに、こうつぶやくのだ――「気づけ、信長、帰蝶」と。
*
出陣するにあたって、斎藤道三は例の少年を大桑城の留守居役に命じた。
少年は当然、抗議した。
「なにゆえ」
「すまぬ、すまぬ」
道三は好々爺のような顔をしておどけ、そしてわざと少年に組み付いた。
傍から見ると、ふざけ合っているようにしか見えない。
だが道三は少年の耳に口を寄せると真剣な表情で「このいくさ、おそらく負ける」とささやいた。
ぎょっとして道三に顔を向けようとする少年だが、道三が腕力でそれを許さない。
「一か八かだ。賭けだ。遊びだ。大人だけの、な。子どもはすっこんでおれ」
「わ、私は」
「まあ聞け。敗色濃厚だが、むろん、勝ちを狙っていくつもりだ。勝てたら、その時はお前に先陣を命ずる。約束しよう。だがこれは取引だ。負けたら……己の城に帰れ。この道三には脅されたとして、知らぬ顔でもしておれ。なあに義龍のこと……あの甘ちゃんのことだ、さすれば、お前をわざわざ潰そうとは、すまい」
「…………」
「惜しいのだ、お前が」
道三は少年の才を見抜いた。愛した。それゆえに、彼を真の意味で未来へ向かわせようとしているのだ。
少年はそういう道三の心底を見抜いた。その、才のゆえに。
「……分かりました」
「分かってくれたか」
「ですが、この城は守り抜きます。大殿のいくさの勝敗が決まるまでは」
「うむ。それで良い」
道三は少年の体を離し、「出陣!」と叫んで、愛馬に跨った。
馬上、道三は、少年の名を聞いてなかったことと気づいた。
かたわらにいた蜂須賀小六に聞くと、こう返って来た。
「たしか――竹中半兵衛、と」
……のちに、織田、そして羽柴の創業を支えた名軍師「今孔明」の初陣が、この戦いだったといわれる。
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