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はじめに

まえがき

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 はじめに、まず、拙作はいわゆる「桶狭間の戦い」をテーマにして描いた物語です。
 物語なので、史実には無い、つまり伝えられていない出来事や人物が関わってくる、出てくることもありますが、そこはご愛嬌ということで、ぜひご容赦いただきたいと思います。
 また、「桶狭間の戦い」を描く以上、今川義元を描くことは避けられません。そのため、今川義元を描いた既存の拙作たち(「花倉の乱」、「河越夜戦」など)とリンクすることを、どうかお許しください。
 ただし、既存の拙作たちを読んでいなくても、特に気にならない程度のリンクです。必要と思われることは、この本作の中で述べておりますので。何というか、にやりと笑える程度のリンクですので、お気になさらず。
 ……他にも、いろいろな人や出来事がからんできますが、すべて、この本作の中で述べておりますので、重ねて申し上げますが、どうぞ、お気になさらないでください。
 また、拙作において「こじき」という言葉が出てきますが、それはそう呼ばれていた人を出すためのことです。もし、ご不快に思われたら、お詫びいたします。



 さて、拙作において、「桶狭間の戦い」をテーマにして、何を描いているかと申しますと、まず、今川義元が何を思い、どう考えて、尾張を攻めようとしたのか。尾張を攻めるにあたって、その「やり方」は、一体、どんなものだったのか……を想像して描きました。
 妄想と言ってもいいかもしれません。
 また、織田信長の方は何を感じ、何を察し、そして今川義元の尾張攻めにあたって、どのように対処しようとしたのか。そして、どうしてあのようなにしたのか、ということを描きました。
 そして、今川と織田、双方の運命の線が、どのように交わり、ほつれ、引っ張り合った挙句、千切れてしまったのか――は、ある程度、「桶狭間の戦い」からさかのぼる必要があると判断し、具体的には帰蝶の輿入れ、信長との婚儀のあたりから書いております。
 ちなみに最初は短編でした。それこそ、「桶狭間の戦い」直前から始まり、その勝敗が決まった瞬間の直後で終わる、という内容の。
 しかし筆者の欲求として、長編にして公募に出したいという思いがありまして……ただ、ここまで長くなるとは思っていませんでした。
 これについてはお詫びするしかありません。
 本当に、長くて申し訳ございません。



 ……それでは、前口上としては、これくらいでよろしいかと思います。
 あとは、ご覧いただいたあとでないと言えないことや、それこそ裏話みたいなことは、あとがきで述べたいと思います。


 それでは、ご覧下さい。
 よろしくお願いします。


 四谷軒 拝
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