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第三部 河越夜戦

38 坂東の覇王

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 かれの家は、この未開坂東ばんどうの一端に根を下ろしてから、五代になる。
 ――桓武かんむ天皇――葛原親王かつらはらしんのう――高見王たかみのおう――平高望たいらのたかもち――平良持よしもち――そして今の相馬の小次郎。

 吉川英治「平の将門」





「ははは、どうだ、けてみよ、わっぱ
 河越城。
 城門。
 倉賀野三河守は、敢えて大道寺孫九郎に矢を当てず、その体すれすれに当てるよう、倉賀野十六騎にひそかに命じていた。
「どうだ? 弱小が! いきがりおって……貴様は散々になぶった上で、この刀の錆にしてくれる」
「や、やめろ……孫を……もてあそぶな」
 すでに、孫をかばうため、大道寺盛昌はその身に何本かの矢を受けていた。
「お、おじい様……」
「孫九郎よ、次の矢を、わしが『受ける』ゆえ、その隙に逃げよ……」
 盛昌の目が、河越城の忍び口へ走るよう、示唆していた。
 三河守はその視線を見て、部下に目配せした。そして、次は一斉に矢を射るように命じる。
「よーし、わっぱ、次で最後だ。十六騎すべての矢を馳走してくれるわ」
 盛昌がたまらず、孫の上に体をかぶせる。
 そしてその耳に、忍び口からの破壊音が響いた。
「まさ……か……」
「鼠賊は根切りと言ったろう」
 根切りとは皆殺しの意味である。
 三河守は、盛昌の目の動きを見て、忍び口の存在を察知し、部下をそちらに向かわせたのだ。
 そしてその忍び口は今まさに、破壊されようとしていた。
「ま、待て……あちらには怪我人や病人も……」
「知るか! そして射よ!」
 三河守の号令と共に、倉賀野十六騎は矢を弓につがえ、射ようとした。したが、射られることは無かった。

「……っ、おいっ、どうした!?」
 いぶかる三河守に、倉賀野十六騎の面々は、弓弦ゆづるが切れてしまったと答えた。
「何? ふざけるなよ! それにしたって、全員の弓弦が切れるか? ええい、ならおれが射る!」
 言うや否や、三河守は弓をかまえた……が、その弓に手裏剣が飛んできて、弓弦を切った。
「な、何!?」
 三河守が振り向くと、そこにはいつの間にか騎馬武者がいた。そして騎馬武者の周囲には、十個の影がうごめいていた。

「……殿、あい変わらず、武士にしておくのは惜しいくらいの手裏剣の技倆うでまえですな」
「……猿飛、褒めてるのか、それは」
 騎馬武者の顔は、三河守の見知った顔であった。
「さ……真田幸綱!?」
「いかにも左様……それっ」
 答えながら、幸綱は乗馬の疾風はやて号を前進させる。おそるべき速度で。
「倉賀野三河守! 子どもをいたぶりもてあそび、怪我人や病人にも容赦なしとは、武士として風上にも置けぬ!」

 幸綱のあまりの速さに、倉賀野十六騎は反応できず、またたく間に二騎、倒されてしまった。
「これで倉賀野十四騎とでも名乗るほかないな」
「小癪なぁ……」
 強がる三河守の耳に叫び声が届いた。
「何だ、倉賀野の兵の声に似ている」
「似ているではない。今、まさに倉賀野の兵が千葉の百騎を相手しておるのだ」
 幸綱は三河守が河越城の裏手に兵を回らせたのを察し、千葉の百騎を向かわせ、自身と草の者たちは、城門で得意がる三河守と対峙することにしたのだ。

 そしてこうしている間に、大道寺孫九郎と盛昌のそばに、霧隠が近づいていた。
「大道寺どの、お久しゅうござる」
かくれ……いや、霧隠どの、一体これは?」
「あれなるは、わが主・真田幸綱でござる。さ、大道寺どのとお孫どのは、早く忍び口の方へ」
 彼奴きゃつらはわが主とわれらが成敗いたすゆえ、と言い残し、霧隠は自身も戦うべく、城門へ向かった。
「……よし、久々にお前たち十人と、打ちそろっていくさだな」
 幸綱は嬉しそうに言う。十人の草の者も嬉しそうにうなずく。
 そして幸綱は片手に槍を持ち、片手に疾風号の手綱を握って、吠えた。
「倉賀野三河守! 貴様が弱小と罵った真田と千葉の……意地を見せてくれる!」
「ほざくなよ、弱小が! 弱小はどこまで行っても弱小だということを……教えてくれるわ!」

 ……真田幸綱と倉賀野三河守が、激突する。





 坂東の覇王





 下総。
 佐倉。
 劣勢に追い込まれながらも、原胤清は里見義堯よしたかの攻勢をよく防いだが、業を煮やした義堯が後詰めの正木大膳時茂を投入したことが決定打となり、胤清は徐々に徐々にと、撤退を余儀なくされた。
「胤清さま、北条はまだでしょうか」
「あちらも今夜が勝負だ、援軍を期待するのは酷というものだ」
 胤清は不満を言わずに、淡々と戦線を縮小していった。

 最悪、佐倉妙見宮に籠る千葉利胤を強引にでも同行し、江戸まで走るか。
 そう胤清が思った時だった。
「……青備え、推参!」
 青い甲冑に身を包んだ大男、北条家青備え・富永直勝が、戦場へ向かって猛進し、そのまま里見軍へと突っ込んでいった。
 直勝は他の者には目もくれず、一路、義堯に向かって突撃する。
「里見義堯! 貴様に会いたかったぞ!」
「……こっちは、別に会いたくもなかったがなあ!」
 直勝と義堯は互いに抜刀して激突する。そしてそのまま何度か斬撃を交わし、つばり合いに突入した。
「里見義堯ぁ、貴様のせいでなぁ……おれは、河越へ行けなかったんだよ!」
 直勝と青備えは、主に里見への警戒のため、江戸から動くことを許されないまま今日を迎えた。これほどの大戦おおいくさ、馳せ参じたくないと言えば嘘になる。
 そこへこの里見軍の佐倉襲撃である。直勝は勇躍して佐倉へ向かった。
「この悪党が! だが礼を言うぞ里見義堯、貴様のおかげで、おれにも出番が回ってきたわ!」
「わけの分からんことを!」
 直勝の剣勢は激しく、義堯の刀は、やがて手から弾き飛ばされてしまった。

「くたばれ!」
 直勝は重臣らしからぬかけ声を上げて、義堯に斬りかかる。
 しかし、その刀は横から割り入った、時茂の素槍によって防がれた。
「槍大膳か!」
「助かった、時茂」
 義堯は直勝から距離を取る。時茂もそれにつづく。
 直勝は突進しようとしたが、時茂の構えた槍の無言の圧力に阻まれる。
「……よし、うまく奴の勢いを殺した。この機に青備えをたたくか」
「……やめておけ、義堯」
「……何故だ?」
 家臣や兵たちの前で、敬語を使わずに話してくるとは、時茂が余程のことを伝えようとする証。義堯は時茂に、目でつづきをうながす。

 時茂は、目を天に向けた。
 義堯も見た。
 視線の先には、妙見(北斗七星)があった。
「……義堯、おれは、先ほど、原の千騎の一人とやり合い、千葉介の千葉利胤が、妙見宮にこもっていることを知った」
「……それがどうした」
 病身により戦えない以上、それくらいしかやることが無いのではないか、と義堯は言外に言った。
「『誰』に祈っているか、それも聞いた」
 義堯はいぶかしむ。
 『誰』、とは。
 祈りの相手は神ではないのか。
「お前もこの房総の覇者を気取るのなら、知っていよう……坂東ばんどうの覇王の伝説を」
「…………」

 坂東。
 関東の古き名。
 その坂東に、かつて覇王となった男がいた。
 その男は、誰よりも優しく、そして誰よりも強かった。
 その男は、血族からさえもさげすまれてもあきらめず、己の理想郷を追い求めた。
 そして男は自らの王朝を築き、覇王となった。
 やがて、男は、王朝は、倒されたものの、その生きざまは伝説となって、関東に生きる者の、特に武者たちの心に残り今も伝えられる。
 男の名は、相馬小次郎。
 真名を平将門といった。

「義堯」
「なんだ」
「青備えも出てきた。もうここらでよかろう。退こう」
「…………」
「納得いかないのは分かる。しかし、千葉介が先祖に、坂東の覇王に、妙見宮で祈っている……これ以上は、分が悪い」
「……分かった」
 義堯は、下剋上をした相手である先代・義豊とはちがう、それ以上だということを見せつけなければならないと考えている。その義豊は、鎌倉攻めで鶴岡八幡宮を焼いてしまった。その轍を踏むわけにはいかない。
「それに、さすがのおれも、坂東の覇王相手に勝てる気はせぬわ」
「おれもだ」
 義堯と時茂は笑い合い、そして退却戦の準備に入った。

 里見軍が撤退するのを見て、直勝はそれに合わせて、青備えを退かせた。
 直勝は、隣の副将とおぼしき男に声をかける。
「……胤利どの、もう、ようござるぞ」
「……助かった。肝が冷えましたぞ」
 武蔵千葉家、石浜城主の千葉胤利が、その副将の正体であった。そして今ここにいる青備えも、ほとんどが武蔵千葉家の兵である。
 直勝は、河越の戦いが始まる直前に、胤利に依頼して、佐倉の近くまで兵を進めてもらっていた。仮に、里見家が進撃しなければそれで良し、もし進撃してくるのならば、用意させておいた青い甲冑に着替えて、佐倉へ出てもらう手はずになっていた。
 直勝は、里見家の間者を警戒して、千葉利胤や原胤清には敢えて伝えないでおいた。
 そして案の定、里見家進撃の報が届き、直勝は江戸から数騎を連れて胤利と合流し、佐倉の防衛にあたったのである。
「しかし胤利どのも、よく戦ってくれましたな」
「それがしとて千葉の一族。妙見宮を攻め取られたとあっては、ご先祖さまに顔向けできぬわい」
 それにしても怖かったわい、と胤利は震えるそぶりをした。



 妙見宮。
 その中にて、千葉利胤は必死に祈りをささげていた。
「妙見さま、ご先祖さま……何とぞ、何とぞ北条に勝利を。あなたさまが守った、この坂東の和を守るため、戦っておりまする、北条に勝利を。そして……わが友、真田幸綱に、どうぞ力を与えたまえ……」
 その時、利胤の目に、天が見えた。
 妙見宮の屋根が透け、宙空が、夜空が見えた。
 そしてひときわ輝く妙見から、ひとすじの流れ星が走るのが見えた。
 星は、河越の方へ、走っていった。
「おお……」
 利胤の目から涙がこぼれる。
「ご先祖さま……ありがとう……ござりまする……」



 真田幸綱と倉賀野三河守、真田の草の者と倉賀野『十四』騎の死闘は、いつ果てるともなくつづく。
「くっ……この弱小が……いきがるな!」
「その弱小相手に、手間取ってると見えるが?」
 幸綱が巧みに乗馬の疾風号を操り、三河守の槍をけつつ、槍撃を繰り出す。
「真田の草の者の底力、目にもの見せてくれよう! 遅れるなよ、霧隠」
「猿飛の速さにはついていくのが精一杯だが……くとするか」
 草の者たちは、変則的な動きで、倉賀野十四騎を翻弄し、瞬く間に二騎ほどが落馬していく。

 三河守は当初こそ度肝を抜かれたが、すぐに呼子よびこを吹いて、河越城の裏手、忍び口に回った倉賀野の兵を呼び寄せた。そして残った十二騎に声をかける。
「倉賀野の兵を呼んだ! あと少しの辛抱ぞ!」
「……押せ! 押すんだ!」
 幸綱は三河守の発言を聞いたか聞かずか、自ら前進して、三河守に斬りかかる。
「……おや? 焦るか、弱小が! 倉賀野の兵が戻れば、終わりよ!」
「……千葉の百騎、あなどらない方が良いぞ」
「ふん、くだらん」
 三河守は鼻で笑う。
 そうこうするうちに、馬蹄のとどろきが聞こえてきた。

「来たぞ! やれ!」
「…………」
 城の陰から、騎馬武者たちが姿をあらわす。
 倉賀野の兵たちだった。
 ……が、それは千葉の百騎に追い立てられ、わずかに残った倉賀野兵だった。
「幸綱どの! 千葉の百騎、河越城をお救い申し上げましたぞ!」
 月に星の旗印の軍勢が、千葉の百騎が、倉賀野兵を駆逐する。呆気《あっけ》にとられる倉賀野十二騎のうち、二騎が幸綱に斬り伏せられる。
 倉賀野三河守と、今や残った十騎は、なすすべなく、退くほかなかった。
「おのれ! 今は退く! だが、見ていよ! 山内上杉本陣に取って返して、今度こそ、貴様らを揉みつぶしてくれる!」
 言うや否や、三河守は馬首をめぐらせて、一路、山内上杉本陣へと突き進む。

「逃がすか!」
 幸綱もまた、疾風号の馬首をめぐらし、三河守に追いすがろうとする。
「倉賀野十六騎! たとい十六騎いなくとも、最強であるということを示せ!」
 幸綱の前に、倉賀野の十騎が立ちふさがる。
 だが幸綱は止まらない。
 ここで三河守を逃がし、援軍を連れて来られたら、今度こそ河越城はたない。
「……猿飛!」
「承知!」
 幸綱の声に、猿飛がこたえる。
「お前たち!」
 猿飛が叫ぶ。
「殿の道を切り開け!」
「応!」
 猿飛ら十の影が、倉賀野の十騎に飛びかかる。
「ぎゃっ」
「がっ」
「ぐわッ」
 草の者たち十人は、それぞれ必殺の得物――手裏剣、分銅ふんどう苦無くないで、倉賀野の十騎を次々と倒していく。

 このとき、倉賀野三河守は、振り向いてしまった。
 手下である倉賀野の十騎の断末魔を聞き、つい、振り向いてしまった。
 その隙を――後年、「攻め弾正」とうたわれる真田幸綱が、逃がすわけがなかった。
「疾風号! 千葉介ちばのすけさまの意地を見せよ!」
 疾風号はいななき、その名のごとく、疾風の速さで三河守に迫っていく。
「ばっ、馬鹿な……弱小が、わが駿馬を上回る……速さを!」
「倉賀野三河守!」
 今や互いの顔が夜目にも見える距離にまで近づいた幸綱が、槍を投擲する体勢を取る。
「ひ……ひいっ」
 そのとき、三河守は見てしまった。
 幸綱の背後に何か恐ろしげな影が浮かんでいることを。
「何だ、あれは。き、鬼神か――」
「覚悟!」
 幸綱の槍が飛んだ。
 槍は、あやまたず三河守の胴に命中し、そして貫く。
「あ――があっ」
 もんどりうって、三河守は落馬する。
「うがああああっ」
 腹を貫く、熱さと痛みに耐えられず、三河守は叫び、泣いた。
「か……」
「……何か?」
 幸綱は疾風号の速度を落とし、三河守を見下ろす。
「介錯、を……」
「……こたびの戦、首を取らぬが法と聞いた。よって、その願いは聞けぬ!」
「な……そんな……」
 幸綱は疾風号の馬首を返し、一度も振り返らず、三河守から走り去っていった。



 佐倉では、合戦を終えた原胤清が待ちきれずに、妙見宮の中に入り、千葉利胤の様子を確かめた。
「……殿!」
 利胤は倒れ伏していた。
 胤清は利胤を抱きかかえる。
「殿! 殿! しっかり!」
「……胤清か」
 利胤は虚ろな目をして、胤清を見た。
 ……死相だ。
 胤清は、利胤の命が今、尽きようとしているのを知った。
「殿!」
「……胤清、私には見えたぞ」
「な、何がでございます」
「幸綱どのが、見事、敵将を討ち取った姿をだ」
「……それは」
 幻、とは言えなかった。
 それだけ確信のこもった言葉だった。
 利胤はつぶやく。
「きっと……北条は、お味方は、勝つぞ……」
「殿……」
 利胤はそこで目を閉じた。
「…………」
「殿? 殿!」
「…………」

 利胤の目は、二度と開かなかった。
 胤清は、冷たくなっていく利胤の体を抱えながら、泣いた。

 千葉利胤。
 河越夜戦にあたり、関東諸侯中、唯一北条家に味方したと伝えられる。
 しかし、特に目立った業績は特になく、「北条に味方した」ということのみが記録に残された。

 だが、原胤清は知っている。
 それは、原虎胤も知っている。
 そして……誰よりも、真田幸綱が知っている。

 利胤が陰ながらも、北条の戦いに大いに貢献したことを。





坂東の覇王 了
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