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第二章 まさかの乙女ゲーム世界!
皇太子殿下とのお茶会 4
しおりを挟む重い。なんか話が重くなってきたぞー!
軽くなれー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんで?なんで誰も僕を見てくれないの?どうして僕はこんな思いをしなくちゃいけないの?愛されちゃいけないの?」
それはアル君から出た本音。愛されたい少年はのぞみを叶えられない。
ポツリ…ポツリと彼は自分の話を始めた。自分が聖属性であり、そして自分から人が離れていったことを。
そんな自分から人の愛を奪っていった聖属性が大嫌いだと。
聞くにはあまりにも酷く悲しいものだった。確かに彼の力は恐ろしい。軽々と自分の国を乗っ取られてしまえる程に。距離をおいてしまうほど。
五歳までは幸せだった、愛し愛され暮らしていたあの頃が懐かしいと。
私の肩に顔を埋めていてアル君の顔はわからない。
「私には貴方の気持ちがわかる。けれどわからない部分がいくつかある」
ビクッと肩が揺れて彼の心情を理解する。
「愛されてはいけない人間なんているはずないよ」
その言葉を言った後、彼は瞬間的にかおを上げる。その顔は涙でぐしゃぐしゃでびっくりしたような…そんなような顔をしていた。『愛されてはいけない人間なんているはずない』この言葉は私にとっては当たり前のような言葉だった。
「それに貴方はちゃんと愛されているよ」
庭園のすみにはたくさんの人がいた。
メイドも執事も王妃も国王陛下も。
誰もが心配そうにこちらのようすをみていた。お茶会の始まりからずっといた。この事から確実に分かるのは1つだけ。
アル君が愛されているということだけ。
「すまん、お前とどう接して良いかわからなくなった。息子としてかあるいは聖属性持ちの一人としてか」
「ごめんなさい、アルベルト。貴方のことを何も考えてなかった。こんな母親でごめんね」
国王と王妃の謝罪からメイドやらの謝罪が始まる。皆はどうアル君と接して良いかがわからず迷っていただけだったのだ。王宮の人達と元々仲が良かったのだから聖属性というだけを見るなんて無理な話だ。
アル君は皆から抱き締められていて久しぶりの愛に満たされてるようだった。
アル君がふいにこちらを振りかえる。
「ソフィア!ソフィアの言葉とっても嬉しかった!ありがとう!」
そういった彼の顔は涙でぐしゃぐしゃで、今まででみたはにかむような笑いかたより比べ物にならないぐらいの笑顔だった。
まるで太陽が笑ったみたいなそんな笑顔だった。
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