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小学校編
結婚六カ年計画 27
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2017年9月10日 日曜日。 10時00分。
「こんにちはー、梨杏ちゃん!」
「はぁい、今開けるね」
玄関を開けると夕花ちゃんと悠翔君が遊びに来てくれていた。
今日は家でお勉強会。友達を家に呼ぶのは初めてである。
「あっ、いらっしゃい。梨杏ちゃんの友達だね?」
おやつを作ってくれていたエプロン姿の左右さんも台所から出て挨拶した。
「こんにちはー、梨杏ちゃんのお父さん!」
「こんにちは!」
夕花ちゃんと悠翔君が元気良く挨拶する。授業参観で会っているので一応顔見知りだ。
その時左右さんが教室に来た時は、女子達が黄色い声をあげたので少し焼きもちを妬いた。
「パパ、私の部屋で勉強してきます」
左右さんが休日中くつろいでいる邪魔をしたくないので私はそう提案する。
でも、意外な返答が。
「大丈夫だよ、梨杏ちゃん。リビングで勉強すると良いよ。テーブルも広いしね」
「で、でも……」
左右さんはにこりと微笑んだ。
「僕も分かる範囲でお勉強を見るからさ。梨杏ちゃん達の勉強する姿も興味あるし」
「分かりました。パパがゆっくり休めないかなと思って……」
「有難う、梨杏ちゃん。でも大丈夫だよ」
私も左右さんとなるべく側に居たいので嬉しいけど、少し悪いと思った。
「梨杏ちゃんのお父さんは優しいね。かっこいいし」
「ふふっ、そうなの」
夕花ちゃんと私が左右さんについて盛り上がると、悠翔君が頬をぷくりと膨らませた。
「ふぅん、梨杏はお父さんが好きなのか?」
一瞬、どきりとする質問。
でも、これは自然に思いを伝えられるチャンスだ。
「うん、誰よりも一番好きだよっ。パパが理想の男の人なの」
夕花ちゃんがわかるー、と私に抱擁しながら同意。
悠翔君は「ま、負けないぞ!」と何処から産み出て来たのか勝負事の様な言動。
夕花ちゃんと軽く抱き合いながら左右さんを見ると、照れながら笑顔を浮かべていた。
「嬉しいなぁ。僕も梨杏ちゃんが完璧すぎる娘でとても幸せだよ」
不意の返答に思わず私は赤面した。幸せだと言って貰えてとても嬉しい。
そして多分、左右さんがストレートに喜んでくれると私がとても嬉しくなるコトに気付いている。
「とても仲良しだね、梨杏ちゃんとお父さん!」
「うんっ、凄く仲良しよ」
好きだと言う意味は私が思う通りには伝わっていないけど、今はこれでいい。
「こんにちはー、梨杏ちゃん!」
「はぁい、今開けるね」
玄関を開けると夕花ちゃんと悠翔君が遊びに来てくれていた。
今日は家でお勉強会。友達を家に呼ぶのは初めてである。
「あっ、いらっしゃい。梨杏ちゃんの友達だね?」
おやつを作ってくれていたエプロン姿の左右さんも台所から出て挨拶した。
「こんにちはー、梨杏ちゃんのお父さん!」
「こんにちは!」
夕花ちゃんと悠翔君が元気良く挨拶する。授業参観で会っているので一応顔見知りだ。
その時左右さんが教室に来た時は、女子達が黄色い声をあげたので少し焼きもちを妬いた。
「パパ、私の部屋で勉強してきます」
左右さんが休日中くつろいでいる邪魔をしたくないので私はそう提案する。
でも、意外な返答が。
「大丈夫だよ、梨杏ちゃん。リビングで勉強すると良いよ。テーブルも広いしね」
「で、でも……」
左右さんはにこりと微笑んだ。
「僕も分かる範囲でお勉強を見るからさ。梨杏ちゃん達の勉強する姿も興味あるし」
「分かりました。パパがゆっくり休めないかなと思って……」
「有難う、梨杏ちゃん。でも大丈夫だよ」
私も左右さんとなるべく側に居たいので嬉しいけど、少し悪いと思った。
「梨杏ちゃんのお父さんは優しいね。かっこいいし」
「ふふっ、そうなの」
夕花ちゃんと私が左右さんについて盛り上がると、悠翔君が頬をぷくりと膨らませた。
「ふぅん、梨杏はお父さんが好きなのか?」
一瞬、どきりとする質問。
でも、これは自然に思いを伝えられるチャンスだ。
「うん、誰よりも一番好きだよっ。パパが理想の男の人なの」
夕花ちゃんがわかるー、と私に抱擁しながら同意。
悠翔君は「ま、負けないぞ!」と何処から産み出て来たのか勝負事の様な言動。
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「嬉しいなぁ。僕も梨杏ちゃんが完璧すぎる娘でとても幸せだよ」
不意の返答に思わず私は赤面した。幸せだと言って貰えてとても嬉しい。
そして多分、左右さんがストレートに喜んでくれると私がとても嬉しくなるコトに気付いている。
「とても仲良しだね、梨杏ちゃんとお父さん!」
「うんっ、凄く仲良しよ」
好きだと言う意味は私が思う通りには伝わっていないけど、今はこれでいい。
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