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第十八話 下僕、勇者に絡まれる
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のどかな田舎町に数軒しかない酒場。そのカウンターの中で、ベスはグラスを磨いていた。
ベスの前には、カウンターを隔ててマルスが座っている。
子守りに草抜きに屋根の修理など。あちこちで便利屋まがいに稼いだ金を、例によってギャンブルですったベスは、夜間、割よく稼げるため居酒屋で働いていた。
田舎町ゆえあまり大きな店ではない。大きな町のようにおしゃれとは言い難いし回転率もよくはなかった。酒場に来る客も近所の住人ばかりで、気心も知れている。
したがって、混む時間帯が過ぎれば一気に客が引き、閉店までをだらだらと過ごすことになる。今がまさにそれだった。
「久しぶりに帰ってきたってのに『サナトさんがいるから大丈夫』って。そりゃ微妙な年頃なのは分かってるけどよ。冷たいだろお? な? そう思うだろ?」
「そうっすねー」
「ぽっと出の男の方が、俺より頼りになるわけねぇっての」
「そうっすねー」
「ちょっとは寂しがってくれてもいいじゃなねぇかよ。小さい頃はずっと俺の後をついてきてくれてたってのによぉぉ」
「そうっすねー」
カウンターでグダグダと愚痴るマルスの言葉は、両耳を直通で抜けていく。どうせ酔っ払いだ。どんな受け応えをしても明日には忘れているだろう。
ベスは適当な相槌を打って、次々とグラスを磨いていった。
酒場の主人は少し離れたところでカクテルやつまみを用意し、カップルらしい客に振る舞っていた。店内には他に数人がテーブルについている。
「おい、こらベス。ちゃんと聞いてんのか」
「そうっすねー」
またもやマルスに何か言われたが、ベスは大抵の場合に使える相槌、「そうっすねー」を機械的に返した。
くそ。あそこで赤を選んでおけば、元手より増えたのに。番号は合ってたんだ、番号は! ちきしょう、ついてねぇ。
上の空を返事をするベスの頭の中は、ギャンブルでいっぱいだった。
ベスの頭を占めているのは、ギャンブルに金をつぎ込んだことではなく、ギャンブルのルーレットで賭ける色を間違えたこと。
どっぷりとはまって抜けだせないギャンブル中毒者。それがベスなのである。
「聞いてねぇだろ」
「痛でででででででっ」
酒でとろんとしていたマルスの目が細くなり、おもむろに手を伸ばしてベスの耳を引っ張った。流石の酔っ払いも、全部「そうっすねー」で済ましていたことに気付いたらしい。
「なんで俺に愚痴言ってんすか。他にもいっぱいいるっしょ」
ベスは耳を擦りながら、唇を尖らせた。
昔からマルスは社交的で、基本的にいつの間にか人の中心にいるような男だった。事実、久しぶりに帰ってきたマルスの元には老若男女問わず人が集まり、話を聞きたがった。帰ってきた当日は家族と過ごすと断り、翌日は同年代のおっさんや近所のおじさんたちと盛り上がっていたのだが、今日は一人だ。
「他の皆にはもう散々愚痴ったからな。それにお前。サナトって男とお前、随分と仲がいいらしいじゃねぇか」
「ああ、まあ、そうっすね」
一応サナトとは友人のポジションだ。周りにはそう言っているし、最近では本当に友人だと思っている。金もしっかりと持ってるという、いい友人だ。
「どんな男だ」
「どんな男って言われても……」
マルスに問われ、ベスはサナトについて思い浮かべる。
魔王で、偉そうで、人間界には疎くて、畑が大好き。それらを踏まえた結論としては。
「まあ、一言で言えば、変なやつだな!」
変人。その一言に尽きる。ベスは力強く、事実そのままを言いきった。途端にマルスの顔がしかめられる。
「どう変なんだ」
チリチリと痛みが引かない耳を擦りながら、ベスは考えた。
「立場的には貴族っつーか、偉いやつなのに、畑なんてやりたがる変わり者っすね」
まさか魔王のくせに嬉しそうに畑仕事をやる変人とも言えず。少し言葉を選んで真実を告げた。
なにせサナトの正体をバラすなり衛兵に通報なりすると、指がネジ切れると言われている。ぼろを出して指がねじ切られるのは勘弁だ。
魔王なのだから王様だし。偉いやつで合っているだろう。
「ふーん」
目をすがめたマルスが、ベスを凝視する。これがベスは苦手だ。
マルスは妙に勘がいい。そして正義感に溢れた男だった。そしてベスは子供の頃から大のギャンブル好きだった。
幼い頃はくじ付きの菓子や、おまけのカードなどをそろえる為にあっという間に小遣いを使い切った。
小遣いがなくなると、ベスは友達を口八丁手八丁に丸め込み、金を巻き上げようとした。しかし何故かいつもマルスに見抜かれ、説教と拳骨を食らった。ギャンブルをするのはいいが、他人に迷惑をかけることはするな、と。
ギャンブルそのものをするなという両親や祖母と違い、ギャンブル自体は認めるマルスの説教はベスに響いた。
だからベスは金を巻き上げたり、不当にもらったりしない。
どんなに拳骨を落とされ説教を食らおうとも、万年金欠であろうともギャンブルはやめないが。ギャンブルにつぎ込むのは、農具屋で稼いだ自分の取り分。それがなくなれば副業で稼ぐ。
どうしても足りなければ借りる。借りる時はベスなりに設けたルールで借りる。
借りるのは金貸しではなく、知り合いにすること。借りた金は必ず返すこと。
次に借りるのは、借りた金を返してからであること。
どんなにギャンブルが好きで、金がなくなっても。それだけは守る。それがベスの、殆どなくて他人には見えないどころか自分でもあるかないか分からない、プライドだった。
ただし。最初にサナト相手にぼったくったのは別である。
あれは巻き上げたり騙したのではない。あくまで中古の農具を最大限に売り込み、高値で売ってみせただけのことだからだ。
「ケレースもリベラも似たようなことを言っていたな。少し変わり者だが一生懸命畑仕事をする奴だと」
しばらくベスを見ていたマルスが視線を切り、ぐいと酒をあおった。マルス独特の勘で、ベスが嘘をついていないことを確認したらしい。
「ちきしょう。あのリベラが男を褒めたぁ。どこのどいつか見てやろうにも、丁度俺の休暇と入れ違いでいねぇし」
空になったグラスを置き、マルスが力なくカウンターに突っ伏した。妙な威圧がなくなると、マルスもただの娘に甘いおっさんに過ぎなかった。
「大変っすねー、単身赴任も」
マルスが王都で騎士団にいたのは、もう二十年近く前。ベスがまだ物心のついていない頃なのでよくは知らないが、かなり凄かったとは聞いている。
「クソ。俺は嫌だっつったんだよ。騎士団はとっくに引退したし、今の俺は単なる農夫だってのに。王命だって言われちまったら断れねぇしよ。内容が内容だから俺が突っぱねたって解決にならねえ」
「そういや、何で王都に呼ばれたんっすか?」
マルスの空になったグラスを下げつつ、ベスは何気なく聞いた。
「あれだよ、魔王討伐」
「まっ!?」
思わずベスの声が裏返った。
「魔王討伐っすか?」
背中に冷たい汗を流しながら、恐る恐る聞く。
「ああ。百年前に勇者が倒した魔王が復活したらしくてよ。魔界の瘴気が活性化して魔物の出没が増えたんだ。王都から触れがあっただろ。放っておけば魔王は魔界の領土を広げ、世界が暗黒に包まれるってやつ」
「そういえば、そんなのもあったっすね……」
確かに王都からの触れだという文書が回覧で回ってきたし、町の掲示板にも貼られていたが、ベスは真面目に目を通してなかった。
考えてみれば、魔王その人がうろついているのだから復活しているに決まっている。魔王が復活しているということは、子供の頃から耳にタコで聞かされているように、暗黒の時代とやらが来る。
……来るのか、本当に?
ベスは再度サナトのことを思い浮かべた。つなぎに農帽、長靴に手袋という農夫姿がすっかり板についている。毎日嬉々として野菜の世話をしているサナト。あいつが世界を暗黒の時代に叩き落すだろうか。
と、そこまで考えて。
いや、ないな。ないない。
ベスは即座に否定した。
そんなことをすれば野菜が育たなくなる。もしもそうなれば、サナトは本気で泣く。なにせこの間レンホウソの間引きで半泣きだったのだ。
「魔王復活なんていっても、案外大したことないかもしれないっすよ。ほら、魔王が毎回好戦的って限らないじゃないっすか」
「ったく、能天気だなお前は。そんなわけあるか。今まで一度も好戦的じゃない魔王なんていなかったんだぞ。お前だってそれくらい知ってるだろ」
カウンターに突っ伏したマルスが顔だけを上げて、酒をもう一杯頼んだ。
「そりゃ、そうっすけど」
ベスは新しいグラスに氷を入れて酒を注いだ。
魔王を知らない人間が信じられるわけがないのも仕方がない。ベスだっていまだにあいつが魔王だと思えないのだ。
「魔界の入り口までは行ったからな。休暇が終わったら魔界に入って魔王城を探す。さっさと魔王を倒して勇者なんざ返上だ」
「そうそう、勇者返上……勇者?」
酒を注ぐベスの手が止まった。ついでに思考も止まった。
「おい、こぼれてるぞ」
「うぉおおおっ、やばっ。ってか、マルスさんが勇者あああああぁぁぁあっ!?」
ベスの叫びが酒場に木霊した。
ベスの前には、カウンターを隔ててマルスが座っている。
子守りに草抜きに屋根の修理など。あちこちで便利屋まがいに稼いだ金を、例によってギャンブルですったベスは、夜間、割よく稼げるため居酒屋で働いていた。
田舎町ゆえあまり大きな店ではない。大きな町のようにおしゃれとは言い難いし回転率もよくはなかった。酒場に来る客も近所の住人ばかりで、気心も知れている。
したがって、混む時間帯が過ぎれば一気に客が引き、閉店までをだらだらと過ごすことになる。今がまさにそれだった。
「久しぶりに帰ってきたってのに『サナトさんがいるから大丈夫』って。そりゃ微妙な年頃なのは分かってるけどよ。冷たいだろお? な? そう思うだろ?」
「そうっすねー」
「ぽっと出の男の方が、俺より頼りになるわけねぇっての」
「そうっすねー」
「ちょっとは寂しがってくれてもいいじゃなねぇかよ。小さい頃はずっと俺の後をついてきてくれてたってのによぉぉ」
「そうっすねー」
カウンターでグダグダと愚痴るマルスの言葉は、両耳を直通で抜けていく。どうせ酔っ払いだ。どんな受け応えをしても明日には忘れているだろう。
ベスは適当な相槌を打って、次々とグラスを磨いていった。
酒場の主人は少し離れたところでカクテルやつまみを用意し、カップルらしい客に振る舞っていた。店内には他に数人がテーブルについている。
「おい、こらベス。ちゃんと聞いてんのか」
「そうっすねー」
またもやマルスに何か言われたが、ベスは大抵の場合に使える相槌、「そうっすねー」を機械的に返した。
くそ。あそこで赤を選んでおけば、元手より増えたのに。番号は合ってたんだ、番号は! ちきしょう、ついてねぇ。
上の空を返事をするベスの頭の中は、ギャンブルでいっぱいだった。
ベスの頭を占めているのは、ギャンブルに金をつぎ込んだことではなく、ギャンブルのルーレットで賭ける色を間違えたこと。
どっぷりとはまって抜けだせないギャンブル中毒者。それがベスなのである。
「聞いてねぇだろ」
「痛でででででででっ」
酒でとろんとしていたマルスの目が細くなり、おもむろに手を伸ばしてベスの耳を引っ張った。流石の酔っ払いも、全部「そうっすねー」で済ましていたことに気付いたらしい。
「なんで俺に愚痴言ってんすか。他にもいっぱいいるっしょ」
ベスは耳を擦りながら、唇を尖らせた。
昔からマルスは社交的で、基本的にいつの間にか人の中心にいるような男だった。事実、久しぶりに帰ってきたマルスの元には老若男女問わず人が集まり、話を聞きたがった。帰ってきた当日は家族と過ごすと断り、翌日は同年代のおっさんや近所のおじさんたちと盛り上がっていたのだが、今日は一人だ。
「他の皆にはもう散々愚痴ったからな。それにお前。サナトって男とお前、随分と仲がいいらしいじゃねぇか」
「ああ、まあ、そうっすね」
一応サナトとは友人のポジションだ。周りにはそう言っているし、最近では本当に友人だと思っている。金もしっかりと持ってるという、いい友人だ。
「どんな男だ」
「どんな男って言われても……」
マルスに問われ、ベスはサナトについて思い浮かべる。
魔王で、偉そうで、人間界には疎くて、畑が大好き。それらを踏まえた結論としては。
「まあ、一言で言えば、変なやつだな!」
変人。その一言に尽きる。ベスは力強く、事実そのままを言いきった。途端にマルスの顔がしかめられる。
「どう変なんだ」
チリチリと痛みが引かない耳を擦りながら、ベスは考えた。
「立場的には貴族っつーか、偉いやつなのに、畑なんてやりたがる変わり者っすね」
まさか魔王のくせに嬉しそうに畑仕事をやる変人とも言えず。少し言葉を選んで真実を告げた。
なにせサナトの正体をバラすなり衛兵に通報なりすると、指がネジ切れると言われている。ぼろを出して指がねじ切られるのは勘弁だ。
魔王なのだから王様だし。偉いやつで合っているだろう。
「ふーん」
目をすがめたマルスが、ベスを凝視する。これがベスは苦手だ。
マルスは妙に勘がいい。そして正義感に溢れた男だった。そしてベスは子供の頃から大のギャンブル好きだった。
幼い頃はくじ付きの菓子や、おまけのカードなどをそろえる為にあっという間に小遣いを使い切った。
小遣いがなくなると、ベスは友達を口八丁手八丁に丸め込み、金を巻き上げようとした。しかし何故かいつもマルスに見抜かれ、説教と拳骨を食らった。ギャンブルをするのはいいが、他人に迷惑をかけることはするな、と。
ギャンブルそのものをするなという両親や祖母と違い、ギャンブル自体は認めるマルスの説教はベスに響いた。
だからベスは金を巻き上げたり、不当にもらったりしない。
どんなに拳骨を落とされ説教を食らおうとも、万年金欠であろうともギャンブルはやめないが。ギャンブルにつぎ込むのは、農具屋で稼いだ自分の取り分。それがなくなれば副業で稼ぐ。
どうしても足りなければ借りる。借りる時はベスなりに設けたルールで借りる。
借りるのは金貸しではなく、知り合いにすること。借りた金は必ず返すこと。
次に借りるのは、借りた金を返してからであること。
どんなにギャンブルが好きで、金がなくなっても。それだけは守る。それがベスの、殆どなくて他人には見えないどころか自分でもあるかないか分からない、プライドだった。
ただし。最初にサナト相手にぼったくったのは別である。
あれは巻き上げたり騙したのではない。あくまで中古の農具を最大限に売り込み、高値で売ってみせただけのことだからだ。
「ケレースもリベラも似たようなことを言っていたな。少し変わり者だが一生懸命畑仕事をする奴だと」
しばらくベスを見ていたマルスが視線を切り、ぐいと酒をあおった。マルス独特の勘で、ベスが嘘をついていないことを確認したらしい。
「ちきしょう。あのリベラが男を褒めたぁ。どこのどいつか見てやろうにも、丁度俺の休暇と入れ違いでいねぇし」
空になったグラスを置き、マルスが力なくカウンターに突っ伏した。妙な威圧がなくなると、マルスもただの娘に甘いおっさんに過ぎなかった。
「大変っすねー、単身赴任も」
マルスが王都で騎士団にいたのは、もう二十年近く前。ベスがまだ物心のついていない頃なのでよくは知らないが、かなり凄かったとは聞いている。
「クソ。俺は嫌だっつったんだよ。騎士団はとっくに引退したし、今の俺は単なる農夫だってのに。王命だって言われちまったら断れねぇしよ。内容が内容だから俺が突っぱねたって解決にならねえ」
「そういや、何で王都に呼ばれたんっすか?」
マルスの空になったグラスを下げつつ、ベスは何気なく聞いた。
「あれだよ、魔王討伐」
「まっ!?」
思わずベスの声が裏返った。
「魔王討伐っすか?」
背中に冷たい汗を流しながら、恐る恐る聞く。
「ああ。百年前に勇者が倒した魔王が復活したらしくてよ。魔界の瘴気が活性化して魔物の出没が増えたんだ。王都から触れがあっただろ。放っておけば魔王は魔界の領土を広げ、世界が暗黒に包まれるってやつ」
「そういえば、そんなのもあったっすね……」
確かに王都からの触れだという文書が回覧で回ってきたし、町の掲示板にも貼られていたが、ベスは真面目に目を通してなかった。
考えてみれば、魔王その人がうろついているのだから復活しているに決まっている。魔王が復活しているということは、子供の頃から耳にタコで聞かされているように、暗黒の時代とやらが来る。
……来るのか、本当に?
ベスは再度サナトのことを思い浮かべた。つなぎに農帽、長靴に手袋という農夫姿がすっかり板についている。毎日嬉々として野菜の世話をしているサナト。あいつが世界を暗黒の時代に叩き落すだろうか。
と、そこまで考えて。
いや、ないな。ないない。
ベスは即座に否定した。
そんなことをすれば野菜が育たなくなる。もしもそうなれば、サナトは本気で泣く。なにせこの間レンホウソの間引きで半泣きだったのだ。
「魔王復活なんていっても、案外大したことないかもしれないっすよ。ほら、魔王が毎回好戦的って限らないじゃないっすか」
「ったく、能天気だなお前は。そんなわけあるか。今まで一度も好戦的じゃない魔王なんていなかったんだぞ。お前だってそれくらい知ってるだろ」
カウンターに突っ伏したマルスが顔だけを上げて、酒をもう一杯頼んだ。
「そりゃ、そうっすけど」
ベスは新しいグラスに氷を入れて酒を注いだ。
魔王を知らない人間が信じられるわけがないのも仕方がない。ベスだっていまだにあいつが魔王だと思えないのだ。
「魔界の入り口までは行ったからな。休暇が終わったら魔界に入って魔王城を探す。さっさと魔王を倒して勇者なんざ返上だ」
「そうそう、勇者返上……勇者?」
酒を注ぐベスの手が止まった。ついでに思考も止まった。
「おい、こぼれてるぞ」
「うぉおおおっ、やばっ。ってか、マルスさんが勇者あああああぁぁぁあっ!?」
ベスの叫びが酒場に木霊した。
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