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後日談…③
しおりを挟む「隠すなよ、もう全部見てるんだから恥ずかしがることないだろ」
やり過ぎたと謝ったそばから、これだ。アルフレッドはヴィオラの恥ずかしがる様を見るのがどうやら好きらしい。
「…アルって結構意地悪ですよね」
「そうだぞ?今更気づいたのか」
ククク、と喉を鳴らして笑うアルフレッドの目は怪しく光っている。背筋がゾクリとしたヴィオラは思わず後ずさるも、素早く彼の腕の中に閉じ込められた。熱の宿ったアルフレッドの瞳が間近に迫り、声を発する暇もなく唇を奪われる。
「ん…っ!…あ…」
すぐさま入り込んできたアルフレッドの熱い舌がヴィオラの口内を縦横無尽に動き回り、抵抗する意思と力を奪い代わりに身体の奥に甘い疼きを与えてくる。背中に回った彼の手もヴィオラの身体をゆっくりと這う。背中を伝い、臀部まで下がって来た手がキュ、と尻肉を揉むと思わず「あん…っ」と艶めいた悲鳴が口から漏れた。アルフレッドが満足そうに微笑む。
溶けそうな理性を手繰り寄せたヴィオラは自らのものに絡まる舌から逃れ、唇を解くと潤んだ目で訴えた。
「し、しないって言ったのに…」
敬語を忘れたヴィオラにう、と唸ったアルフレッドは頭を振ると掠れた声でこう言う。
「嘘じゃねぇよ、今日はもうしない…キスしかしないから…」
アルフレッドは足にうまく力が入らないヴィオラを軽々と抱き上げベッドにそっと下ろすと、覆い被さって来た。
「キスしかしない」という宣言通りアルフレッドはそれ以上のことはしなかった。
が、最後までしなければ何をしても良いよな?と開き直った彼によって文字通り全身にキスをされた。ネグリジェを下にずらし、細身に合わない豊満な胸が溢れ出るとそこに顔を埋めちゅう、強く吸い付く。花弁のような赤い痕を胸全体に痕を散らしていった。
「み、見えるところは駄目…」
弱々しいヴィオラの訴えに「分かってる」と短く答えたアルフレッドは胸だけに痕を残していった。気づいた時には夥しい数の花弁が胸に刻まれていた。
満足したアルフレッドの身体は徐々に降りていき…太腿の内側、足の付け根、下着の上から敏感な箇所に口付けられた時は悲鳴をあげそうになるも、声が漏れないように口を覆った。アルフレッドの「キス」は激しさを増していき、下着をずらされて直接敏感な場所にキスされ、舌を這わされた時はとうとう声が我慢出来ず泣きそうになる。
アルフレッドは身を捩り、必死で甘い声を抑えようとするヴィオラに何度も「可愛い」「綺麗だ」と蕩けた表情で囁くものだから基本的に彼に甘いヴィオラの怒りは何処はやら、結局身を委ねてしまう。
ヴィオラを高めるだけ高めて、息を乱しているヴィオラのネグリジェを整えた後最後とばかりに唇を貪って、帰ろうとするアルフレッドを引き留めた。
「あの…それ」
夜着の上からでも分かる程盛り上がってる部分に視線を落としながら訊ねると、アルフレッドはバツが悪そうに告げる。
「あー、後でどうにかするからヴィオラは気にしないで寝てくれ」
アルフレッドはそう言うが、ヴィオラだけ色々してもらって申し訳ないという気持ちで一杯だった。
「…私手伝いましょうか…」
閨の知識は一通り頭に入っていたので、その状態のアルフレッドをどうすれば良いのか一応知っている。少しでも彼の手伝いをしたかった。恥も何もかもかなぐり捨てたヴィオラの申し出を聞いたアルフレッドの、驚愕に染まった表情は暫く忘れられない。
「…幻聴?」
「現実です」
「…………………」
「な、何か言ってください」
「あ、悪い、今自分の中でちょっと葛藤して…」
険しい顔つきでたっぷり5分悩んだアルフレッドは、結局ゆっくりと首を縦に振った。
やり方を教わりながら、慎重に進めて行くヴィオラをアルフレッドは気遣いに満ちた眼差しを向けてくる。何度も無理してないか、大丈夫か気にしてくれて、時折「背徳感が…」と呻きながら天を仰ぐ。アルフレッドの顔は終始赤く、何かに耐えているのか眉間に皺を寄せていて口から漏れる悩ましい吐息がヴィオラの興奮を煽る。
アルフレッドは一生懸命なヴィオラの顎をやや乱暴に掬い上げて、唇に噛み付いてくる。当然そんなことをされると目の前のことが疎かになり手が止まった。不自由な体勢で無理矢理上を向かされているので、少し苦しい。
「んっ…ふ…ぅ…」
涙目のヴィオラを解放したアルフレッドは眉を下げ、切なげな表情で謝った。
「悪い、苦しいよな。でもこうしないと変なこと口走りそうで心配なんだ」
「変なこと…」
「…そのうち教えてやるよ」
色っぽく笑ったアルフレッドはまた口付けて来て、ヴィオラは些細な疑問は気にならなくなってしまった。
苦しいけどキスするのは気持ちが良いし好きだ。あっという間にヴィオラの理性は溶けそうになる。アルフレッドの理性の糸はちゃんと残っていたようで吐息混じりの掠れた声で「もっと強く擦って…」と指示を出しながら、懸命に奉仕してくれるヴィオラを欲情を滾らせた目で見下ろしていた。最後までしなくても、触れ合うことがこんなに心地良いなんて初めて知った。
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