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盆子原さんが会社に向かってから、数分が経過しただろうか。
ようやく少し落ち着いてきた私は、もう一度ベッドで眠っている慎吾くんの側に立った。
…これで、本当に最後だね。
後は私がいなくなれば、慎吾くんとの関係も終わる。
初めて会った時は、チャラチャラしてて初対面の人に失礼な事を言う奴だなって思ったよ。
──『そのおっぱいに張り付いたTシャツ。男には魅惑的過ぎて困るんだけど?』
──『っ!!?
そ そんなトコ見てたなんてぇ!』
だけどその実態は、とても深い絆で結ばれて家族愛に溢れた家庭の、普通の男の子だったんだよね。
──『ヤッタね。
実はあの雨の日に初めて見た時から、思ってたんだ』
──『…何、を……?』
──『ひなのその魅惑的なおっぱい、触ってみたかったんだ』
──『そん…、ぁ────…っ///』
16歳のクセに28歳のバージンもらっちゃうなんて、なかなかないんだぞっ
「………もぉっ」
これで最後と思ったら、今までの想いが一度に胸の中に蘇ってきた。
それがたまらなく苦しくて、切なくて。
私は…この胸で慎吾くんの顔をギュッと抱きしめたの。
「……………ひゃっ//」
急に胸元に感じた動きに、私はくすぐったくなって慎吾くんから離れた。
(い、今なんか、動いたような────っ)
「あれー?もうおしまい?
ちょー気持ちよかったんだけど」
「し、し、慎吾くん!?////」
いくら眠っていたとは言え、顔を抱きしめたりなんかしたらビックリして起きちゃうよねっ
だけど、だけどぉ!!
「ほら、早くっ
もう一回やってよ、おっぱい顔にムギューって」
「ゃ…っ、ダメっ//
もうダメなのぉーっ!!」
せっかくこのまま姿を消そうと思ってたのに。
私が変な事しちゃったから、おかしな話になっちゃったかもーっ//
「わ、私、もう帰るからっ//
じゃあ、元気でね、慎吾くん!」
「ヤだよ。
もっと俺と一緒にいてよ、ひな?」
「え………………?」
懐かしいその呼び方に、何だか信じられないような気持ちになって振り返った。
今、なんて─────?
今まで見てきた慎吾くんと同じ、その顔、その言葉。
頭を打った衝撃で私の事を忘れちゃったから、私はもう『せのおさん』であって、『ひな』ではなくなってしまった。
そう、思ってたのに。
「慎吾くん、記憶戻……っ!」
「もー、忘れるわけないじゃん!
ひなのおっぱいはチョー絶品なんだからぁ」
胸の奥から溢れてきたドキドキに、もう耐えられなくなったの。
ここが病院、慎吾くんは患者さん。
それはわかってるんだけどね。
でも、どうしてもしてあげたかったの。
「ね、俺おなかすいちゃった。
ひな、食べてもいい?」
「もぉ!
いっぱいあげちゃうんだからね!」
「わっ、ひなぁ!」
慎吾くんの顔を思いきりギュッと胸に抱くと、私は決めた。
うん、もう迷ったりしない。
私は自分の気持ちに正直になるの!
ようやく少し落ち着いてきた私は、もう一度ベッドで眠っている慎吾くんの側に立った。
…これで、本当に最後だね。
後は私がいなくなれば、慎吾くんとの関係も終わる。
初めて会った時は、チャラチャラしてて初対面の人に失礼な事を言う奴だなって思ったよ。
──『そのおっぱいに張り付いたTシャツ。男には魅惑的過ぎて困るんだけど?』
──『っ!!?
そ そんなトコ見てたなんてぇ!』
だけどその実態は、とても深い絆で結ばれて家族愛に溢れた家庭の、普通の男の子だったんだよね。
──『ヤッタね。
実はあの雨の日に初めて見た時から、思ってたんだ』
──『…何、を……?』
──『ひなのその魅惑的なおっぱい、触ってみたかったんだ』
──『そん…、ぁ────…っ///』
16歳のクセに28歳のバージンもらっちゃうなんて、なかなかないんだぞっ
「………もぉっ」
これで最後と思ったら、今までの想いが一度に胸の中に蘇ってきた。
それがたまらなく苦しくて、切なくて。
私は…この胸で慎吾くんの顔をギュッと抱きしめたの。
「……………ひゃっ//」
急に胸元に感じた動きに、私はくすぐったくなって慎吾くんから離れた。
(い、今なんか、動いたような────っ)
「あれー?もうおしまい?
ちょー気持ちよかったんだけど」
「し、し、慎吾くん!?////」
いくら眠っていたとは言え、顔を抱きしめたりなんかしたらビックリして起きちゃうよねっ
だけど、だけどぉ!!
「ほら、早くっ
もう一回やってよ、おっぱい顔にムギューって」
「ゃ…っ、ダメっ//
もうダメなのぉーっ!!」
せっかくこのまま姿を消そうと思ってたのに。
私が変な事しちゃったから、おかしな話になっちゃったかもーっ//
「わ、私、もう帰るからっ//
じゃあ、元気でね、慎吾くん!」
「ヤだよ。
もっと俺と一緒にいてよ、ひな?」
「え………………?」
懐かしいその呼び方に、何だか信じられないような気持ちになって振り返った。
今、なんて─────?
今まで見てきた慎吾くんと同じ、その顔、その言葉。
頭を打った衝撃で私の事を忘れちゃったから、私はもう『せのおさん』であって、『ひな』ではなくなってしまった。
そう、思ってたのに。
「慎吾くん、記憶戻……っ!」
「もー、忘れるわけないじゃん!
ひなのおっぱいはチョー絶品なんだからぁ」
胸の奥から溢れてきたドキドキに、もう耐えられなくなったの。
ここが病院、慎吾くんは患者さん。
それはわかってるんだけどね。
でも、どうしてもしてあげたかったの。
「ね、俺おなかすいちゃった。
ひな、食べてもいい?」
「もぉ!
いっぱいあげちゃうんだからね!」
「わっ、ひなぁ!」
慎吾くんの顔を思いきりギュッと胸に抱くと、私は決めた。
うん、もう迷ったりしない。
私は自分の気持ちに正直になるの!
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