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「ひな、何にするの?」
「えっと…えっと…」
高校当時は、照り焼き味のバーガーが好きでよく食べていた。
だけどあれは、カロリーが高いから肥っちゃうもんね。
お値段だって高いから、ここは一番安いプレーンのハンバーガーでも…
「じゃ、ひなはこの絶品なチーズバーガーのセットな」
「えっ」
「ひな、チーズ嫌い?」
「いえ…」
「んじゃ、これで会計ね」
優柔不断なのは認めるし、悩むのに時間かけ過ぎて待たせたかなぁとも思ったけど。
なんか、勝手に決められちゃった。
「ここのチーズバーガー、マジ絶品だから。
絶対美味いって」
「へぇ…」
やけに推してくるわけだから、さぞ美味しいんだろうな。
奢ってもらったわけだから、別に文句はないけどね。
お会計を済ませた彼はトレイに乗せられた注文したセットを抱え、テーブルへと運んだ。
「わぁ、チーズがスゴく濃厚!
ホント、美味しい!」
テーブル席に向かい合うようにして座ると、早速私たちはオーダーしたバーガーを開いて口にした。
10年前にはこんなリッチなチーズバーガーはメニューになかったなぁ。
ファーストフードもしばらく行かない間に、やっぱり時代は当たり前のように流れていってるんだなぁと改めて思った。
まるで私だけが、取り残されたかのようにね…。
「なっ、言った通りだろ?
よく学校帰りに寄り道して食ってるから、俺そういうの詳しいんだ」
「コラコラ。
学校帰りは寄り道しちゃダメでしょっ!」
「え~?ひなはマジメだなぁ。
まるで口うるさい親みたい」
あ…。
ついまた年上目線で喋ってしまったな。
私だって高校の時、半ドンの土曜日には友だちとファーストフードでランチした事あったっけ。
…って。
今の学生は土曜日も休みなんだったかな。
さて、よっぽどお腹が空いていたのかな。
彼はバクバクと自分のバーガーとポテトを平らげては、ジュースもシェイクも飲み干した。
「はぁーっ
食った食った!」
なんて言いつつも、2つも注文したシェイクがあと1つまるまる残っている。
ほらやっぱり、ジュースもあるのに更にシェイクを2つも飲むなんて多いんだってば。
「ま、待ってねっ
私、そんなに早く食べれなくて…っ」
「あぁ、急がなくていいよ。
ゆっくり残りのシェイク飲みながら見てるから」
「見…っ!?//」
テーブルに片肘付きながら頬杖をついた彼は、もう1つのシェイクのストローを口に付けながら私の方をジッと上目遣いで見てきた。
て言うか、イマドキの高校生男子って、上目遣いとかしちゃうの!?
て言うかて言うか!
そんな目で見られてたらやたら緊張しちゃって、食べられるものも食べられないじゃなーい!///
一般的なファミレスとは違う、ファーストフード店の小さなテーブル。
そんな小さなテーブルに肘をついて見上げられたら、必然的にお互いの顔が至近距離にあるわけで。
「…………………っ///」
だけど、こうやって改めて間近で彼の顔を見てみると、まだ10代と言えども鼻の下やアゴにヒゲの剃ったあとなんかがあるからリアルにドキッとする。
高校生でも、カラダとか結構オトナなんだ…!
「どーしたの?
さっきから進んでないよ」
「あ、いや…っ//」
珍しいものを見るように私も彼をマジマジと見てしまっていて、ついつい食べる事を忘れてしまっていた。
慌ててパッと目をそらしては、まだ半分も減ってないチーズバーガーにかぶりついて照れ隠しする。
「あははっ
ひなって面白れー」
そんな私を見ては、白い歯を見せて笑うコイツ。
「お、面白いって、私は別に…っ//」
こんな時、どんな顔していいのかわかんないもん!
何だか恥ずかしくなってしまった私は、多分顔を真っ赤にしながら黙々と食べてしまったという。
「えっと…えっと…」
高校当時は、照り焼き味のバーガーが好きでよく食べていた。
だけどあれは、カロリーが高いから肥っちゃうもんね。
お値段だって高いから、ここは一番安いプレーンのハンバーガーでも…
「じゃ、ひなはこの絶品なチーズバーガーのセットな」
「えっ」
「ひな、チーズ嫌い?」
「いえ…」
「んじゃ、これで会計ね」
優柔不断なのは認めるし、悩むのに時間かけ過ぎて待たせたかなぁとも思ったけど。
なんか、勝手に決められちゃった。
「ここのチーズバーガー、マジ絶品だから。
絶対美味いって」
「へぇ…」
やけに推してくるわけだから、さぞ美味しいんだろうな。
奢ってもらったわけだから、別に文句はないけどね。
お会計を済ませた彼はトレイに乗せられた注文したセットを抱え、テーブルへと運んだ。
「わぁ、チーズがスゴく濃厚!
ホント、美味しい!」
テーブル席に向かい合うようにして座ると、早速私たちはオーダーしたバーガーを開いて口にした。
10年前にはこんなリッチなチーズバーガーはメニューになかったなぁ。
ファーストフードもしばらく行かない間に、やっぱり時代は当たり前のように流れていってるんだなぁと改めて思った。
まるで私だけが、取り残されたかのようにね…。
「なっ、言った通りだろ?
よく学校帰りに寄り道して食ってるから、俺そういうの詳しいんだ」
「コラコラ。
学校帰りは寄り道しちゃダメでしょっ!」
「え~?ひなはマジメだなぁ。
まるで口うるさい親みたい」
あ…。
ついまた年上目線で喋ってしまったな。
私だって高校の時、半ドンの土曜日には友だちとファーストフードでランチした事あったっけ。
…って。
今の学生は土曜日も休みなんだったかな。
さて、よっぽどお腹が空いていたのかな。
彼はバクバクと自分のバーガーとポテトを平らげては、ジュースもシェイクも飲み干した。
「はぁーっ
食った食った!」
なんて言いつつも、2つも注文したシェイクがあと1つまるまる残っている。
ほらやっぱり、ジュースもあるのに更にシェイクを2つも飲むなんて多いんだってば。
「ま、待ってねっ
私、そんなに早く食べれなくて…っ」
「あぁ、急がなくていいよ。
ゆっくり残りのシェイク飲みながら見てるから」
「見…っ!?//」
テーブルに片肘付きながら頬杖をついた彼は、もう1つのシェイクのストローを口に付けながら私の方をジッと上目遣いで見てきた。
て言うか、イマドキの高校生男子って、上目遣いとかしちゃうの!?
て言うかて言うか!
そんな目で見られてたらやたら緊張しちゃって、食べられるものも食べられないじゃなーい!///
一般的なファミレスとは違う、ファーストフード店の小さなテーブル。
そんな小さなテーブルに肘をついて見上げられたら、必然的にお互いの顔が至近距離にあるわけで。
「…………………っ///」
だけど、こうやって改めて間近で彼の顔を見てみると、まだ10代と言えども鼻の下やアゴにヒゲの剃ったあとなんかがあるからリアルにドキッとする。
高校生でも、カラダとか結構オトナなんだ…!
「どーしたの?
さっきから進んでないよ」
「あ、いや…っ//」
珍しいものを見るように私も彼をマジマジと見てしまっていて、ついつい食べる事を忘れてしまっていた。
慌ててパッと目をそらしては、まだ半分も減ってないチーズバーガーにかぶりついて照れ隠しする。
「あははっ
ひなって面白れー」
そんな私を見ては、白い歯を見せて笑うコイツ。
「お、面白いって、私は別に…っ//」
こんな時、どんな顔していいのかわかんないもん!
何だか恥ずかしくなってしまった私は、多分顔を真っ赤にしながら黙々と食べてしまったという。
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