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実習先の施設に着くと、早速指導員さんにあいさつをして指示を受ける。
この施設は、自宅で生活するのが困難な人たちが集う、いわゆる老人ホーム。
じいちゃんばあちゃんたちの生活を助けたり、相談に乗ってやるのがオレたちの目指してるものの仕事だ。
そんな施設で働くスタッフたちについてまわり、一緒に働いて実務経験を積む事が福祉コースの必須項目なのだ。
「おはようございます!
よろしくお願いしまーすっ」
「若い子は元気いいですね。
利用者さんにも、その元気をわけてあげて下さいね」
学校で支給されてる専用のウェアに着替えて、オレたちはそれぞれ担当者について指導を受けながら実習を開始した。
卒業後、就職するとすればこういう所になるんだ。
今のうちに、気合い入れてしっかりアピっとこうか!
正社員のスタッフと同じ、1日の実習時間は昼休みの1時間を入れて朝8時半から夕方5時までのフルタイム。
まずはじいちゃんばあちゃんの風呂やら着替えやらを手伝ったり、レクリエーション活動を支援したり。
それから昼ご飯の介助にベッドのシーツを替えたり掃除したりする。
こういった仕事は力もいるけど、体力もいる。
普段飲食店のバイトばかりしてるオレだけど、でも全然苦には思わない。
オレって、人の世話と面倒が案外好きなんだな。
とか今更思ったり。
「今日はここまでですね。
お疲れ様、相川くん」
給食室から送られた沸かしたてのお茶を一部屋一部屋に配り終わった所で、今日の実習が終わった。
「ありがとうございまーす」
ペコリと頭を下げると、オレは荷物を置いている部屋にと向かった。
ベッドもあって家のように暮らしてるこの施設と併設して、ここには通所サービスも行っている。
自宅から通って、他の利用者さんと一緒に昼ご飯食べて風呂に入って、レクリエーション活動を楽しんで15時くらいには帰るってサービスだ。
そこに使ってる部屋は17時には空く。
だもんでオレたちの荷物はその部屋に置かせてもらい、しかも寝具まで貸してもらって泊まれるようにしてくれた。
家から通うには遠い場合はそうやって泊まり込みで実習に来ている奴もいるが、オレと秀明はこれで2回目の泊まり込み実習になる。
車持ってる奴は、ない奴に近場を譲ってやったりするからな。
「おっ。
陸、お疲れー」
「あぁ」
1日に十何人かの利用者さんが集まる部屋なので、男2人が泊まらせてもらうには十分すぎるぐらいの大きさ。
その部屋の壁際に設置された長テーブルに、レポート用紙を並べた秀明が手を振ってオレを迎えた。
実習を終えると、後は1日のレポートを書いて、その日の実習は終わりとなる。
それから後は明日の集合時間までは自由で、テレビは見放題だし風呂も借りて入り放題だ。
食事は安く出してもらえるので、実習に来てるんだけど案外快適だったりする。
「陸、どうだった?
俺ばあちゃんに菓子いっぱい貰っちまったよ」
「良かったじゃないか、モテモテで。
レポートにしっかり書いとけよ」
「良かねーし、書かねーよ!」
「ははっ」
身体の大きなじいちゃんとか支えたり抱えたりもある仕事だから、気を付けないと腰を傷める事にもなると先生に言われたっけ。
学生が勉強に来たって珍しがって菓子やら何やらオレももらったりしたけどさ、結構しんどい事もあったりした。
今、他の施設にいる由香たちも、頑張ってんだろうな。
この施設は、自宅で生活するのが困難な人たちが集う、いわゆる老人ホーム。
じいちゃんばあちゃんたちの生活を助けたり、相談に乗ってやるのがオレたちの目指してるものの仕事だ。
そんな施設で働くスタッフたちについてまわり、一緒に働いて実務経験を積む事が福祉コースの必須項目なのだ。
「おはようございます!
よろしくお願いしまーすっ」
「若い子は元気いいですね。
利用者さんにも、その元気をわけてあげて下さいね」
学校で支給されてる専用のウェアに着替えて、オレたちはそれぞれ担当者について指導を受けながら実習を開始した。
卒業後、就職するとすればこういう所になるんだ。
今のうちに、気合い入れてしっかりアピっとこうか!
正社員のスタッフと同じ、1日の実習時間は昼休みの1時間を入れて朝8時半から夕方5時までのフルタイム。
まずはじいちゃんばあちゃんの風呂やら着替えやらを手伝ったり、レクリエーション活動を支援したり。
それから昼ご飯の介助にベッドのシーツを替えたり掃除したりする。
こういった仕事は力もいるけど、体力もいる。
普段飲食店のバイトばかりしてるオレだけど、でも全然苦には思わない。
オレって、人の世話と面倒が案外好きなんだな。
とか今更思ったり。
「今日はここまでですね。
お疲れ様、相川くん」
給食室から送られた沸かしたてのお茶を一部屋一部屋に配り終わった所で、今日の実習が終わった。
「ありがとうございまーす」
ペコリと頭を下げると、オレは荷物を置いている部屋にと向かった。
ベッドもあって家のように暮らしてるこの施設と併設して、ここには通所サービスも行っている。
自宅から通って、他の利用者さんと一緒に昼ご飯食べて風呂に入って、レクリエーション活動を楽しんで15時くらいには帰るってサービスだ。
そこに使ってる部屋は17時には空く。
だもんでオレたちの荷物はその部屋に置かせてもらい、しかも寝具まで貸してもらって泊まれるようにしてくれた。
家から通うには遠い場合はそうやって泊まり込みで実習に来ている奴もいるが、オレと秀明はこれで2回目の泊まり込み実習になる。
車持ってる奴は、ない奴に近場を譲ってやったりするからな。
「おっ。
陸、お疲れー」
「あぁ」
1日に十何人かの利用者さんが集まる部屋なので、男2人が泊まらせてもらうには十分すぎるぐらいの大きさ。
その部屋の壁際に設置された長テーブルに、レポート用紙を並べた秀明が手を振ってオレを迎えた。
実習を終えると、後は1日のレポートを書いて、その日の実習は終わりとなる。
それから後は明日の集合時間までは自由で、テレビは見放題だし風呂も借りて入り放題だ。
食事は安く出してもらえるので、実習に来てるんだけど案外快適だったりする。
「陸、どうだった?
俺ばあちゃんに菓子いっぱい貰っちまったよ」
「良かったじゃないか、モテモテで。
レポートにしっかり書いとけよ」
「良かねーし、書かねーよ!」
「ははっ」
身体の大きなじいちゃんとか支えたり抱えたりもある仕事だから、気を付けないと腰を傷める事にもなると先生に言われたっけ。
学生が勉強に来たって珍しがって菓子やら何やらオレももらったりしたけどさ、結構しんどい事もあったりした。
今、他の施設にいる由香たちも、頑張ってんだろうな。
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