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シャナル王子 7

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勘は鋭いほうだって思う。
これも魔力量の関係なのかな?

お昼ご飯を食べに王子宮に帰ってきて、リアを見つけた瞬間、「あ、まずい」って思った。

リアが僕をみる目が、覚悟に満ちててさ。
あ、これ、最後通告されるって気づいた。

誰だよ、やりすぎたヤツ!
リアは真面目で思いつめやすいから、かるーく僕のこと意識させる程度に声をかけてって言っておいたのに!
異性として意識するどころか、思いつめて僕のことはっきりきっぱりふろうとしているじゃないか!
あー、もう。つかえないなぁ。

……まぁねー、脈なんてないってわかっていたけど、やっぱ目の当たりにするとショック。
いそがしいふりして、リアを避けていたけど、お子様な僕の夕食後の予定はほとんどあいている。

夕食を食べて、いくつか魔力充して、勉強をして。
今日の予定はもうお風呂に入って寝るだけになった時、リアが切り出した。

「シャナル王子。すこし、お時間いただけますか」

緊張しているんだろうな。
リアは白い手を胸の前でぎゅっと握って、うるんだ瞳で僕を見る。

世間一般の美的感覚でいえば、リアは特別美人ってわけじゃないと思う。
どっちかといえば、僕のほうがかわいいくらいかも。
でもいつも一生懸命って感じのリアは、僕にはすごくかわいく見えるんだ。

子どもとしてあまえるふりをして、ぎゅって抱きつきたい。
そしたら、リアは話をやめてくれるかな。

……無理だろうなぁ。
リアだもん。
言わなくちゃって思ったことは、ぜったいに言うよね。

「うん、もちろんだよ」

僕はうなずいて、人払いした。

不満そうなハウアーも追い出して、リアとふたりきり。
ふだんなら嬉しいシチュエーションだけど、今日はちょっとつらい。

「王子。いつもわたくしのことを好きだとおっしゃってくださって、ありがとうございます。……でも、わたくし、別に好きな人がいるんです。王子のお気持ちは嬉しいですが、お受けすることはできません。今まで黙っていて、申し訳ございませんでした」

「ガイ・ハッセンのこと?」

なんだろう、わかっていたはずなのに、リアが僕のことを好きじゃないって聞いたとたん、体をめぐる魔力が止まって、体が急に冷えていく。
心も、声までも冷たくなって、ぽろりとこぼれた名前に、リアがはっと顔をあげる。

「……わたくしの片思いです」

……どうかな。僕の調べた限りでは、あっちもまんざらでもなさそうだけど。

ずるいなぁ、ガイ・ハッセン。
ずぅっとリアと一緒に暮らしてきて、そばにいて、リアに好きになってもらって。
ずるい。ずるい。ずるい。

僕だって、7年もリアの側にいたら、リアに好きになってもらえたかもしれないのに。
僕がもうちょっと年上なら、リアに好きになってもらえたかもしれないのに!
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