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第二章

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 どう反応したらいいのか困って、私は口ごもる。
「強い人って、厳しいイメージ、怖いイメージだから」
 エネリーのその言葉に、私は思い当たる節があった。私の師匠や、剣道の師範とか、めちゃめちゃ強い人は、みんな厳しい雰囲気を持っている。喋ってみると違ったり、本当に怖かったり、まちまちだけど。
「そうだね、そういうイメージはあるかも」
「強い人は自覚があるのでは」
 シルクがそう言うと、私を見ながら続けた。
「この人は自覚が無いのですよ、本当に子供だと思います」
 シルクの言う子供と、エネリーの言う子供では、なんだか意味が違って、聞こえた。
 シルクの言葉を聞いて、慌てる様にエネリーが話始めた。
「そろそろ、夜営の準備をする頃なので、夕食も近いですよ」
「そうなんだ」
 喋っているうちに、空が赤くなり始めていた。もうすぐ夜か。危ないと言われている時間帯。道のど真ん中で馬車を停めて、襲ってください、と言っているようなものだ。
「やったね、夕食だ」
 私は、何とかなるだろう、という気持ちになり、素直に夕食を、楽しみにすることにした。
「ちなみに、もう保存の効く物しか、ありませんよ」
 シルクのその言葉に、私は「しょうがない」と答える。何も食べないでいるより、よっぽどマシだ。
「今はどういう物があるか聞かないでおこう、楽しみは取っておく」
 私はピシッとシルクに手をかざして、そう言った。
「楽しみできる様な物は、ありませんが」
「それでも、だよ」
 何でも楽しまないと。こういう、いつ襲われるかわからない状況だから、余計に。ずっと張りつめていたら、潰れてしまう。
「さて、ここの辺りで、夜営しますかな」
 ドレグがそう言うと、馬車はゆっくりと街道から外れて、止まる。
「ここで夜営かぁ」
 私は馬車から降りると、辺りを見回した。特に何もない。見晴らしがいい場所だ。逆に本当にこんなところで、大丈夫か不安になる。
「身を隠す場所が無いけど、大丈夫?」
 私は心配になって、準備を始めている皆に声をかけた。代表して、シルクが、私の疑問に答えてくれる。
「魔道具を使います」
「魔道具?」
「はい、姿を認識させない様にする、魔道具があります」
「え、それ、ずっと使ってたら、襲われずに済んだんじゃない?」
 私の疑問に、シルクが小さくため息をもらす。それだけで、なんとなくわかったけど、一応、私はシルクの言葉を待った。
「昼間は使えません」
「そういう事ね」
「それに認識させない、と言われていますが、実際の効果は認識させ辛くする程度です、安心はできません」
 なるほど。完璧に認識ができなくなる物があれば、そもそも、領地同士が隔離されるような事も、なかっただろう。
「ちなみに、昼間はどうして使えないの?」
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