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Touched on the past ⑧
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「アキちゃん、ここ座って」
「はあ……」
言われた通りに畳の上へと腰を下ろすと、黒埼が後ろから晃良を抱き締めてきた。なぜか晃良の心臓がどきりと鳴る。黒埼の両脚の間に後ろ向きで収まった。
「やっぱ、浴衣には畳だな」
「なにそれ。そんなの関係ないだろ」
「いや、和には和だって。畳の上だと、5倍増しでエロいし、浴衣のアキちゃん」
そう言って、首筋にちゅっとキスをされた。
仲間がいてよかったな、涼。
畳の方が燃えると言っていた涼に向かって心の中で呟く。
「寝ないのかよ?」
「ちょっとだけ」
そう答えて、黒埼が晃良の首筋に舌を這わせてきた。
「……ヤんねーぞ」
「それはアキちゃん次第じゃない?」
「お前、無理やりはヤらねぇって言ってただろっ」
「俺、無理やりしてないし。嫌だったら、アキちゃん、嫌って言ってくれていいよ」
「嫌だって……ちょっ……あっ……」
するりと、黒埼の手が浴衣の襟を通して後ろから侵入してきた。少し強めに晃良の胸の突起を摘まれて思わず声が出る。
「嫌だって言う割には、直ぐに硬くなったな」
もう、なんなんだよ。
直ぐに反応する自分の体が憎らしい。黒埼も黒埼だ。ラブホテルで抱かれるのを覚悟したときには手を出してこなかったくせに。借りてきた猫みたいな顔して、晃良の心の準備ができるまで我慢すると頷いたくせに。晃良は悔し紛れに大声を上げた。
「我慢するんじゃねーのかよっ!」
「だけど、アキちゃん撤回したじゃん、この前。だから、もう待たなくてもいいんでしょ?」
「いや、そういう意味じゃなくて。お前とヤりたくないわけじゃないって部分を撤回したかったんだって」
「もういいじゃん。面倒くさ。今のこの状況でいちゃいちゃしない方がおかしいって」
「おかしくないっ! それに許したのはキスまでだし!」
「最後までするわけじゃないし、ちょっと触るだけだから。キスの延長みたいなもんじゃん」
「いやいや、違うだろ! キスはAで、それはBだろ!」
「アキちゃん……そんな古い隠語よく覚えてたな。もう誰もわかんないって、それ」
「とにかくAとBで違う!」
「……じゃあ、アキちゃん、本当にして欲しくないわけ?」
黒埼が後ろから晃良の耳元で囁いた。
「めちゃくちゃ溜まってんだよね? 1人でやるの飽きたんだよね? こんな乳首もあそこも凄ぇ立たせてんのに、それでもして欲しくない?」
晃良の顔が一気に赤くなった。
「アキちゃんが本当に嫌だったらしない」
黒埼が、晃良の体を撫で回していた手を止めた。その途端、その黒埼の手が恋しくなる自分を感じて、晃良は心の中で舌打ちをする。あんなに黒埼との関係に線引きしたいと頑張っていたのに。性欲処理のために体は売らないと尚人たちに言ったばかりなのに。この数ヶ月全くご無沙汰だった晃良の体はもう限界だった。
欲に負けた。
「……Bまでだからな」
と精一杯の抵抗を見せてそうぼそっと呟くと、後ろで黒埼がふっと笑った気配がした。
「はあ……」
言われた通りに畳の上へと腰を下ろすと、黒埼が後ろから晃良を抱き締めてきた。なぜか晃良の心臓がどきりと鳴る。黒埼の両脚の間に後ろ向きで収まった。
「やっぱ、浴衣には畳だな」
「なにそれ。そんなの関係ないだろ」
「いや、和には和だって。畳の上だと、5倍増しでエロいし、浴衣のアキちゃん」
そう言って、首筋にちゅっとキスをされた。
仲間がいてよかったな、涼。
畳の方が燃えると言っていた涼に向かって心の中で呟く。
「寝ないのかよ?」
「ちょっとだけ」
そう答えて、黒埼が晃良の首筋に舌を這わせてきた。
「……ヤんねーぞ」
「それはアキちゃん次第じゃない?」
「お前、無理やりはヤらねぇって言ってただろっ」
「俺、無理やりしてないし。嫌だったら、アキちゃん、嫌って言ってくれていいよ」
「嫌だって……ちょっ……あっ……」
するりと、黒埼の手が浴衣の襟を通して後ろから侵入してきた。少し強めに晃良の胸の突起を摘まれて思わず声が出る。
「嫌だって言う割には、直ぐに硬くなったな」
もう、なんなんだよ。
直ぐに反応する自分の体が憎らしい。黒埼も黒埼だ。ラブホテルで抱かれるのを覚悟したときには手を出してこなかったくせに。借りてきた猫みたいな顔して、晃良の心の準備ができるまで我慢すると頷いたくせに。晃良は悔し紛れに大声を上げた。
「我慢するんじゃねーのかよっ!」
「だけど、アキちゃん撤回したじゃん、この前。だから、もう待たなくてもいいんでしょ?」
「いや、そういう意味じゃなくて。お前とヤりたくないわけじゃないって部分を撤回したかったんだって」
「もういいじゃん。面倒くさ。今のこの状況でいちゃいちゃしない方がおかしいって」
「おかしくないっ! それに許したのはキスまでだし!」
「最後までするわけじゃないし、ちょっと触るだけだから。キスの延長みたいなもんじゃん」
「いやいや、違うだろ! キスはAで、それはBだろ!」
「アキちゃん……そんな古い隠語よく覚えてたな。もう誰もわかんないって、それ」
「とにかくAとBで違う!」
「……じゃあ、アキちゃん、本当にして欲しくないわけ?」
黒埼が後ろから晃良の耳元で囁いた。
「めちゃくちゃ溜まってんだよね? 1人でやるの飽きたんだよね? こんな乳首もあそこも凄ぇ立たせてんのに、それでもして欲しくない?」
晃良の顔が一気に赤くなった。
「アキちゃんが本当に嫌だったらしない」
黒埼が、晃良の体を撫で回していた手を止めた。その途端、その黒埼の手が恋しくなる自分を感じて、晃良は心の中で舌打ちをする。あんなに黒埼との関係に線引きしたいと頑張っていたのに。性欲処理のために体は売らないと尚人たちに言ったばかりなのに。この数ヶ月全くご無沙汰だった晃良の体はもう限界だった。
欲に負けた。
「……Bまでだからな」
と精一杯の抵抗を見せてそうぼそっと呟くと、後ろで黒埼がふっと笑った気配がした。
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