46 / 58
とっておきのI Love You(クローバー続編)
薬
しおりを挟む
「……太田?」
「あいつより俺の方が絶対工藤のこと好きやし。工藤はそれに気づいてないだけやから、無理やりでも1回俺のもんになったら分かってくれるやろうて思うてん。やから、花を注文して工藤を家に呼んでん」
その言葉の意味を理解したのと同時に頭の中に危険信号が走った。
ここにいたらあかん。
そう思って、立ち上がろうとしたのだが。
え?
くらっとめまいのような感覚があって、そのままその場に再び座り込む。
「……薬、効いてくれたみたいやな」
その様子を見ていた太田がぼそっと呟いた。恐怖に近い感情が心の中に広がっていくのを感じながら、太田を睨む。
「お前、何したん??」
「何って。コーヒーにちょっと薬混ぜただけやん。大丈夫やって。ちょっとの間、体の自由が効かへんくなるくらいやから」
ちょっとしか飲んでくれへんかったから効かへんかと思うたけど。とブツブツ言いながら太田が立ち上がって、近付いてきた。
逃げようとするが、手足が痺れてきてうまく体が動かなかった。ずりずりと後ろへと下がるしかなかった。
あっという間に、太田に跨がられてそのまま押し倒された。
「ちょっ、やめろやっ、太田っ!!」
「止めへんよ。だって、工藤は俺のもんやから」
「何言うてんねんっ!! 俺はお前のもんちゃうわっ。放せやっ!!」
「……なんで分からへんかな」
しゃーないなぁ。分からしたるわ。そう言って、太田が顔を近づけてきた。
「あいつより俺の方が絶対工藤のこと好きやし。工藤はそれに気づいてないだけやから、無理やりでも1回俺のもんになったら分かってくれるやろうて思うてん。やから、花を注文して工藤を家に呼んでん」
その言葉の意味を理解したのと同時に頭の中に危険信号が走った。
ここにいたらあかん。
そう思って、立ち上がろうとしたのだが。
え?
くらっとめまいのような感覚があって、そのままその場に再び座り込む。
「……薬、効いてくれたみたいやな」
その様子を見ていた太田がぼそっと呟いた。恐怖に近い感情が心の中に広がっていくのを感じながら、太田を睨む。
「お前、何したん??」
「何って。コーヒーにちょっと薬混ぜただけやん。大丈夫やって。ちょっとの間、体の自由が効かへんくなるくらいやから」
ちょっとしか飲んでくれへんかったから効かへんかと思うたけど。とブツブツ言いながら太田が立ち上がって、近付いてきた。
逃げようとするが、手足が痺れてきてうまく体が動かなかった。ずりずりと後ろへと下がるしかなかった。
あっという間に、太田に跨がられてそのまま押し倒された。
「ちょっ、やめろやっ、太田っ!!」
「止めへんよ。だって、工藤は俺のもんやから」
「何言うてんねんっ!! 俺はお前のもんちゃうわっ。放せやっ!!」
「……なんで分からへんかな」
しゃーないなぁ。分からしたるわ。そう言って、太田が顔を近づけてきた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
「誕生日前日に世界が始まる」
悠里
BL
真也×凌 大学生(中学からの親友です)
凌の誕生日前日23時過ぎからのお話です(^^
ほっこり読んでいただけたら♡
幸せな誕生日を想像して頂けたらいいなと思います♡
→書きたくなって番外編に少し続けました。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
世界で最も難解なアルゴリズム
ストロングベリー
BL
システム開発会社で技術責任者を務める『音川』は常に冷静沈着、モラル意識も高く、フェアな態度を貫いているため社内からの信頼も厚い。鍛え上げた身体とぶっきらぼうな物言いのせいで一見威圧的だが、部下には優しく、技術力向上のために尽力する仕事一筋の男だ。
ある日、社内で起きた事件をきっかけに、開発部に新人が配属される。彼は驚異的なプログラミングの能力を持ち、音川はいち早くそれを見抜くが――
その新人を前にすると、音川は自身のコントロールを失い、論理の鎧が剥がれていくのを止められない。
*過去に『非論理的ラブ』として投稿していたものを大幅に書き換えました。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした
たっこ
BL
【加筆修正済】
7話完結の短編です。
中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。
二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。
「優、迎えに来たぞ」
でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。

僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる