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39話 『戦いの舞台』
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「わかった……君の意思、確かに受け取った!!」
そういってオミーネは堂々と剣を拾い上げ天高く掲げた。レイラさんを見ると違うんだという目をしている……うん、わかってる……たぶん俺に使えって言ったんだよね……? こいつは剣を使えそうにないがいったい何の職業なんだ。
【ものまねし:状態(道化師)】
なッ!? なんだこの…………親近感というか、似たものを感じる職業は!
「オミーネさん、剣が苦手なら俺に」
「少年よ……わかっている、君もすでに限界なのだろう。よくやってくれた、あとは僕に任せてくれ!」
俺の言葉を遮り剣を構え前に出ていくと、それに合わせなぜか男が対面し構えながら前にでてきた。何これ……。
「託されたこの想い、必ずや成し遂げてみせる」
「ふっふっふっふ……貴様程度にやられるものか。パワーアップしたこの力、とくと味わうがいい」
男が身体から魔力を放出すると数体の分身が現れる。これはさすがに分が悪い、俺も手助けに……そう思ったがオミーネは微塵も驚いている様子はなく、むしろヴァイスさんの剣を持ち自信に溢れていた。
「そんなもので僕を騙せると思ったのか、こちらこそ本当の力をみせてやる」
オミーネさんは敵の前まで歩くと目をつぶった。
まさか心眼のつもり……いや、道化師にしかない何か特性があるのかもしれない。
「……心眼に見抜けぬものなし! そこだあああああああ!!!」
バカだこいつ。攻撃は見事に宙を空振っ……たはずだった。なぜか何もないそこに薄っすらと切れ目が起きると男が現れる。
「な……なぜ、わかった……!」
「いったはずだ、見抜けぬものなどないと」
まさか自分だけ透明になり分身を囮にして襲う作戦だったのか。
男は見破られたことに戸惑っていると、メアリアさんが声をあげた。
「乱麻石を割ってください!!」
「わかった、これで終わりにするぞ……聖剣、スラーーーーッシュ!!」
見た目だけでまったく斬るという動作になっていないその攻撃は男の服に引っ掛かり……乱麻石は反動でルークの元へ飛んでいく。そのままルークが叩き落とすと乱麻石は粉々に砕け消えていった。
ルークが俺を見つめてくる――壊れちゃった……と言ってるようだ。
男を包んでいた魔力がなくなるとその場で剣を落とし膝をつく。
「そんな馬鹿な…………こんなことが……」
「これが僕の、僕たちの力だ!!」
絶妙にダサいポーズを決めると男は倒れ気絶した。そしてしばらくするとマナが安定したのか全員が回復していった。
「この場にいる兵に告ぐ、体の動く者は怪我をした者の救護へあたりなさい。謀反を企てた者たちは手当がすみ次第牢の中へ!」
メアリアさんは立ち上がるとすぐに指示を出していく。オミーネはレイラさんとアリスの元へいくと剣を返していた。その姿はさっきのポンコツっぷりが嘘のように紳士的だった。
「ありがとう、これが無ければ僕は負けていた」
「あっ、いえ……」
「お嬢さんも怪我はないかい?」
「は、はい……ありがとうございます」
レイラさんとアリスは若干苦手なようだ。
「戦友よ、君と従魔の助けがなければ危ないところだった。礼を言う」
そんなにまっすぐな目で見ないでくれ……。悔しいが俺はほとんど役に立っていなかったしな。
そんなこんなでみんなでお礼を言い合っていると場も落ち着いたため、俺はメアリアさんへ騒動の流れを説明した。
「まさかそんなことがあったなんてね……いいわ、一度協議をしましょう」
「あっ……ありがとうございます!!」
これで無事に協定の話も進みそうだな、ヴァイスさんにいい報告ができそうだ。
「お二人はこれからどうなされる予定で?」
「僕はこのまま旅を続ける、世界を平和にしなければならないからな。ただ……壊れてしまった聖剣を元に戻さなければならないな」
「それならばドワーフの里へ行ってみてはどうでしょうか? 彼らの中には伝説の鍛冶師がいると聞きます。その方ならば直すことも可能ではないかと」
「伝説の鍛冶師!?」
と、取り乱すな……冷静になれ。俺は少しでもリリアの情報を探さなければならないのだ。
「そ、その伝説の鍛冶師というのは?」
「詳しくは私もわからないのですが、なんでも鉱石の声が聞こえるとか」
…………この辺りでリリアの情報がないということはもっと遠くにいるのかもしれない。
「俺も仲間を探しにドワーフの里に行ってみようと思います」
「ならば共にいこう。一人よりも二人、二人よりも三人のほうが安全だ」
確かに、まともな武器がない今、ルークに何かが起きるとも言い切れない。人数は少しでも多いほうがいいだろう。
「では皆さん、出発は明日にして今日は休んでいかれてはどうでしょうか?」
「それはありがたい。お言葉に甘えさせてもらおう」
「あの、私たちもよろしいのでしょうか……?」
「もちろんです。協定についてもしっかりとお話をしたいですからね」
こうして一通り話もまとまると、緊張から解放されたのかミントが声をあげる。
「あぁ~やっとこれで休める~」
「ふふふ、あなたたちも助けてくれてありがとう」
「女王様、こいつは少し厳しくしてやるくらいがちょうどいいんです!」
「なっ……もう勘弁してよぉー!!」
この世界のどこかにリリアもいるのだろうか、必ず見つけ出さなくては……。
そういってオミーネは堂々と剣を拾い上げ天高く掲げた。レイラさんを見ると違うんだという目をしている……うん、わかってる……たぶん俺に使えって言ったんだよね……? こいつは剣を使えそうにないがいったい何の職業なんだ。
【ものまねし:状態(道化師)】
なッ!? なんだこの…………親近感というか、似たものを感じる職業は!
「オミーネさん、剣が苦手なら俺に」
「少年よ……わかっている、君もすでに限界なのだろう。よくやってくれた、あとは僕に任せてくれ!」
俺の言葉を遮り剣を構え前に出ていくと、それに合わせなぜか男が対面し構えながら前にでてきた。何これ……。
「託されたこの想い、必ずや成し遂げてみせる」
「ふっふっふっふ……貴様程度にやられるものか。パワーアップしたこの力、とくと味わうがいい」
男が身体から魔力を放出すると数体の分身が現れる。これはさすがに分が悪い、俺も手助けに……そう思ったがオミーネは微塵も驚いている様子はなく、むしろヴァイスさんの剣を持ち自信に溢れていた。
「そんなもので僕を騙せると思ったのか、こちらこそ本当の力をみせてやる」
オミーネさんは敵の前まで歩くと目をつぶった。
まさか心眼のつもり……いや、道化師にしかない何か特性があるのかもしれない。
「……心眼に見抜けぬものなし! そこだあああああああ!!!」
バカだこいつ。攻撃は見事に宙を空振っ……たはずだった。なぜか何もないそこに薄っすらと切れ目が起きると男が現れる。
「な……なぜ、わかった……!」
「いったはずだ、見抜けぬものなどないと」
まさか自分だけ透明になり分身を囮にして襲う作戦だったのか。
男は見破られたことに戸惑っていると、メアリアさんが声をあげた。
「乱麻石を割ってください!!」
「わかった、これで終わりにするぞ……聖剣、スラーーーーッシュ!!」
見た目だけでまったく斬るという動作になっていないその攻撃は男の服に引っ掛かり……乱麻石は反動でルークの元へ飛んでいく。そのままルークが叩き落とすと乱麻石は粉々に砕け消えていった。
ルークが俺を見つめてくる――壊れちゃった……と言ってるようだ。
男を包んでいた魔力がなくなるとその場で剣を落とし膝をつく。
「そんな馬鹿な…………こんなことが……」
「これが僕の、僕たちの力だ!!」
絶妙にダサいポーズを決めると男は倒れ気絶した。そしてしばらくするとマナが安定したのか全員が回復していった。
「この場にいる兵に告ぐ、体の動く者は怪我をした者の救護へあたりなさい。謀反を企てた者たちは手当がすみ次第牢の中へ!」
メアリアさんは立ち上がるとすぐに指示を出していく。オミーネはレイラさんとアリスの元へいくと剣を返していた。その姿はさっきのポンコツっぷりが嘘のように紳士的だった。
「ありがとう、これが無ければ僕は負けていた」
「あっ、いえ……」
「お嬢さんも怪我はないかい?」
「は、はい……ありがとうございます」
レイラさんとアリスは若干苦手なようだ。
「戦友よ、君と従魔の助けがなければ危ないところだった。礼を言う」
そんなにまっすぐな目で見ないでくれ……。悔しいが俺はほとんど役に立っていなかったしな。
そんなこんなでみんなでお礼を言い合っていると場も落ち着いたため、俺はメアリアさんへ騒動の流れを説明した。
「まさかそんなことがあったなんてね……いいわ、一度協議をしましょう」
「あっ……ありがとうございます!!」
これで無事に協定の話も進みそうだな、ヴァイスさんにいい報告ができそうだ。
「お二人はこれからどうなされる予定で?」
「僕はこのまま旅を続ける、世界を平和にしなければならないからな。ただ……壊れてしまった聖剣を元に戻さなければならないな」
「それならばドワーフの里へ行ってみてはどうでしょうか? 彼らの中には伝説の鍛冶師がいると聞きます。その方ならば直すことも可能ではないかと」
「伝説の鍛冶師!?」
と、取り乱すな……冷静になれ。俺は少しでもリリアの情報を探さなければならないのだ。
「そ、その伝説の鍛冶師というのは?」
「詳しくは私もわからないのですが、なんでも鉱石の声が聞こえるとか」
…………この辺りでリリアの情報がないということはもっと遠くにいるのかもしれない。
「俺も仲間を探しにドワーフの里に行ってみようと思います」
「ならば共にいこう。一人よりも二人、二人よりも三人のほうが安全だ」
確かに、まともな武器がない今、ルークに何かが起きるとも言い切れない。人数は少しでも多いほうがいいだろう。
「では皆さん、出発は明日にして今日は休んでいかれてはどうでしょうか?」
「それはありがたい。お言葉に甘えさせてもらおう」
「あの、私たちもよろしいのでしょうか……?」
「もちろんです。協定についてもしっかりとお話をしたいですからね」
こうして一通り話もまとまると、緊張から解放されたのかミントが声をあげる。
「あぁ~やっとこれで休める~」
「ふふふ、あなたたちも助けてくれてありがとう」
「女王様、こいつは少し厳しくしてやるくらいがちょうどいいんです!」
「なっ……もう勘弁してよぉー!!」
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