143 / 150
143話
しおりを挟む
「師匠、一杯食わされましたね」
「リッツ……!? まさかあなたの仕業じゃないでしょうね」
「ち、違います! とりあえずウムトの話を聞いてください!」
こんな状況だしちゃんと落ち着いてからだ。
ウムトが説明すると師匠はすぐに理解した。
「みたところアンジェロの浄化は狭い範囲であればかなり強力に作用するみたいです。種が成長するまで籠る作戦でしょう」
「こういうときに無事がわかるのは守護者として安心だな」
おかげでニエが視た予知夢への対策はわかった。
「それで、あなたたちはこの状況を打開する方法を思いついた?」
「それがさっぱり……。これがもてば穢れを退かすくらいはできると思いますが」
「あの子たちがいつまで耐えられるかわからない以上、うかうかしてられないわね」
もし浄化が弱まれば中の二人は危険だ。
できる限り早く解決策をださないと――。
「お前ら、何かあったのか?」
「アルフレッドさん!? なんでここに!」
「嬢ちゃんにこっちの様子をみてきてほしいと頼まれた。安心しろ、全員安全な場所まで送り届けた。ミレイユ、これはいったい何事だ?」
「見ての通り――とはいえないわね」
師匠はアルフレッドさんに説明した。
戦力が増えたのは嬉しいが穢れに対する対抗手段がなければ意味がない。
「なんだそんなことか。要は成長を早めればいいだけの話だろう?」
「リッツのスキルで早くはなってるの。それでも一日、下手したら数日かかるから困ってるのよ」
「そんなことか。だったら俺の出番だな」
「えっ、アルフレッドさんもそういうスキルなんですか!?」
「まぁな。さてと、状況が悪化してしまう前にさっさとやってしまいたいが――こればかりは俺じゃどうにもならん。なんとかしてくれ」
「アル、あなたまさかッ!?」
「おっと詮索はよくないな。余計なことを考えてる時間はないはずだぞ」
「そうですよ師匠、とにかく今は穢れをなんとかしましょう!」
「わかったわ。リッツ、タイミングをみて破壊するわよ。合わせなさい」
「なかなかシビアそうですね……」
「大丈夫、あなたならやれるわ」
そうだ、俺は師匠の弟子だ。
教えられたものは全て俺の中にある。
ニエとアンジェロを助け出しついでに世界を救う。
正確には世界を救うのはアルフレッドさんになるがそれでいい。
師匠と一緒に世界を救った英雄としてシリウスに報告すれば、聖人の座も譲れるかもしれないし、そうなったら俺は自由に草巡りができる。
……絶対に成功させてやるっ!!
「リッツ……!? まさかあなたの仕業じゃないでしょうね」
「ち、違います! とりあえずウムトの話を聞いてください!」
こんな状況だしちゃんと落ち着いてからだ。
ウムトが説明すると師匠はすぐに理解した。
「みたところアンジェロの浄化は狭い範囲であればかなり強力に作用するみたいです。種が成長するまで籠る作戦でしょう」
「こういうときに無事がわかるのは守護者として安心だな」
おかげでニエが視た予知夢への対策はわかった。
「それで、あなたたちはこの状況を打開する方法を思いついた?」
「それがさっぱり……。これがもてば穢れを退かすくらいはできると思いますが」
「あの子たちがいつまで耐えられるかわからない以上、うかうかしてられないわね」
もし浄化が弱まれば中の二人は危険だ。
できる限り早く解決策をださないと――。
「お前ら、何かあったのか?」
「アルフレッドさん!? なんでここに!」
「嬢ちゃんにこっちの様子をみてきてほしいと頼まれた。安心しろ、全員安全な場所まで送り届けた。ミレイユ、これはいったい何事だ?」
「見ての通り――とはいえないわね」
師匠はアルフレッドさんに説明した。
戦力が増えたのは嬉しいが穢れに対する対抗手段がなければ意味がない。
「なんだそんなことか。要は成長を早めればいいだけの話だろう?」
「リッツのスキルで早くはなってるの。それでも一日、下手したら数日かかるから困ってるのよ」
「そんなことか。だったら俺の出番だな」
「えっ、アルフレッドさんもそういうスキルなんですか!?」
「まぁな。さてと、状況が悪化してしまう前にさっさとやってしまいたいが――こればかりは俺じゃどうにもならん。なんとかしてくれ」
「アル、あなたまさかッ!?」
「おっと詮索はよくないな。余計なことを考えてる時間はないはずだぞ」
「そうですよ師匠、とにかく今は穢れをなんとかしましょう!」
「わかったわ。リッツ、タイミングをみて破壊するわよ。合わせなさい」
「なかなかシビアそうですね……」
「大丈夫、あなたならやれるわ」
そうだ、俺は師匠の弟子だ。
教えられたものは全て俺の中にある。
ニエとアンジェロを助け出しついでに世界を救う。
正確には世界を救うのはアルフレッドさんになるがそれでいい。
師匠と一緒に世界を救った英雄としてシリウスに報告すれば、聖人の座も譲れるかもしれないし、そうなったら俺は自由に草巡りができる。
……絶対に成功させてやるっ!!
22
お気に入りに追加
1,441
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
主人公は高みの見物していたい
ポリ 外丸
ファンタジー
高等魔術学園に入学した主人公の新田伸。彼は大人しく高校生活を送りたいのに、友人たちが問題を持ち込んでくる。嫌々ながら巻き込まれつつ、彼は徹底的に目立たないようにやり過ごそうとする。例え相手が高校最強と呼ばれる人間だろうと、やり過ごす自信が彼にはあった。何故なら、彼こそが世界最強の魔術使いなのだから……。最強の魔術使いの高校生が、平穏な学園生活のために実力を隠しながら、迫り来る問題を解決していく物語。
※主人公はできる限り本気を出さず、ずっと実力を誤魔化し続けます
※小説家になろう、ノベルアップ+、ノベルバ、カクヨムにも投稿しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる