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そこには、黒髪の少年がいた。その少年は冷たい目つきでゴリドを見つめていた。
「久しぶりだね……」
モサークは力を振り絞って立ち上がった。そして、話しかける。
「ああ……そうだな……」
「君が助けに来てくれるなんて思ってもいなかったよ……」
「別にあんたを助けに来たわけじゃない……」
「じゃあ、なんでここにいるんだい……?」
「こいつに用があるだけだ……」
「こいつ……?ってことは、僕に負けた君が勝てる相手ではないと思うけど……」
「そんなこと知っている……」
「なら、何故だい……?」
「少しだけ興味を持ったからだよ……」
(この男は強い……。今の自分では勝つことは不可能だろう……。でも、それでも戦う価値はある……。俺はもっと強くなりたい……。あいつを守る為に……)
「そうかい……。それなら、さっさと行きなよ……」
「言われなくても行くつもりだ……」
「そうか……。なら、早く行ってくれ……」
モサークは歩き出そうとしたが、足を止めて振り返った。
「最後に一つ聞かせてくれ……」
「なんだい……?」
「あの時使った技は何だ……?」
モサークはずっと疑問に思っていたことを尋ねた。
「あれは俺のオリジナル魔法だ……」
「オリジナル魔法だと……」
「ああ、そうだ……」
「なら、なんでお前が使えるんだ?」
「簡単な話だ……。お前より先に覚えたからだ……」
「嘘だな……」
「本当だ……」
「いいや、違うな……」
「どうしてそう思う?」
「理由は簡単だ……。あの時の動きは明らかに素人の動きではなかった……。だから、お前が教えた可能性が高いと思っただけだ……」
「なるほど……、そういう事か……。だが、答えはノーだ……。確かに教えようとしたが、すぐに逃げられたんでな……」
「逃げた……?」
「ああ、そうだ……。俺が教えようと近づく度に泣き叫んでいたぞ……」
「それは本当のようだな……」
モサークは納得したように呟いていた。
「まあ、そんな事はどうでもいいじゃないか……」
「それもそうだな……」
モサークはそう言うと、再び歩き出した。
「また会おう……」
モサークはそう言うと、その場から離れた。
「もう二度と会いたくないね……」
ゴリドはそう言って、モサークを追いかけた。だが、すでに姿はなかった。
「逃げ足の速い奴だ……」
ゴリドはそう言うと、辺りを見渡して人がいないことを確認した。そして、黒い鎖を解除すると、モサークが戦っていた場所に向かった。
「やっぱり死んでないのか……。しぶといな……」
ゴリドは倒れているモサークを見て、呆れた表情をしていた。
「それにしても、この男……。一体何者なんだ……?まあ、今は気にする必要もないか……。それよりも……」
ゴリドはそう言うと、自分の手を見つめていた。
「久しぶりに楽しかったぜ……。モサーク……。だが、もう終わりだ……。次は殺す……。絶対に殺してやる……」
ゴリドはそう言うと、立ち去っていった。
その頃、シンヤ達は街に戻ってきていた。そして、宿に向かって歩いていた。
(結局、今日は一日中買い物していただけのような気がするんだけど……。まあ、楽しいから別に良いけどね……)
シンヤはそう思いながら歩いていると、突然声をかけられた。
「ねえ!君たち!」
振り向くとそこには若い女がいた。
「はい……?」
「君たちは旅人かな?」
「えっと……、一応そうですが……」
「そっかぁ~。実は私たちの村に来ないかなって思って声をかけたんだよ!」
「村ですか……?」
(もしかして、ナンパされているのか!?)
「うん!そうなの!ほらっ!見てみてよ!」
女性はそう言いながら村の地図を見せてきた。その地図には、この国にある三つの村の位置が書かれていた。
「これは……?」
「ふふん♪凄いでしょ?これ全部私の故郷なのよ」
「へぇー、すごいですね……」
(本当に凄いな……。こんなにたくさんの人が住んでいるなんて……。まるで東京みたいだな……)
「それでね、君たちにお願いがあるんだけど……」
「なんでしょうか……?」
「私と一緒に来てくれないかな?」
「久しぶりだね……」
モサークは力を振り絞って立ち上がった。そして、話しかける。
「ああ……そうだな……」
「君が助けに来てくれるなんて思ってもいなかったよ……」
「別にあんたを助けに来たわけじゃない……」
「じゃあ、なんでここにいるんだい……?」
「こいつに用があるだけだ……」
「こいつ……?ってことは、僕に負けた君が勝てる相手ではないと思うけど……」
「そんなこと知っている……」
「なら、何故だい……?」
「少しだけ興味を持ったからだよ……」
(この男は強い……。今の自分では勝つことは不可能だろう……。でも、それでも戦う価値はある……。俺はもっと強くなりたい……。あいつを守る為に……)
「そうかい……。それなら、さっさと行きなよ……」
「言われなくても行くつもりだ……」
「そうか……。なら、早く行ってくれ……」
モサークは歩き出そうとしたが、足を止めて振り返った。
「最後に一つ聞かせてくれ……」
「なんだい……?」
「あの時使った技は何だ……?」
モサークはずっと疑問に思っていたことを尋ねた。
「あれは俺のオリジナル魔法だ……」
「オリジナル魔法だと……」
「ああ、そうだ……」
「なら、なんでお前が使えるんだ?」
「簡単な話だ……。お前より先に覚えたからだ……」
「嘘だな……」
「本当だ……」
「いいや、違うな……」
「どうしてそう思う?」
「理由は簡単だ……。あの時の動きは明らかに素人の動きではなかった……。だから、お前が教えた可能性が高いと思っただけだ……」
「なるほど……、そういう事か……。だが、答えはノーだ……。確かに教えようとしたが、すぐに逃げられたんでな……」
「逃げた……?」
「ああ、そうだ……。俺が教えようと近づく度に泣き叫んでいたぞ……」
「それは本当のようだな……」
モサークは納得したように呟いていた。
「まあ、そんな事はどうでもいいじゃないか……」
「それもそうだな……」
モサークはそう言うと、再び歩き出した。
「また会おう……」
モサークはそう言うと、その場から離れた。
「もう二度と会いたくないね……」
ゴリドはそう言って、モサークを追いかけた。だが、すでに姿はなかった。
「逃げ足の速い奴だ……」
ゴリドはそう言うと、辺りを見渡して人がいないことを確認した。そして、黒い鎖を解除すると、モサークが戦っていた場所に向かった。
「やっぱり死んでないのか……。しぶといな……」
ゴリドは倒れているモサークを見て、呆れた表情をしていた。
「それにしても、この男……。一体何者なんだ……?まあ、今は気にする必要もないか……。それよりも……」
ゴリドはそう言うと、自分の手を見つめていた。
「久しぶりに楽しかったぜ……。モサーク……。だが、もう終わりだ……。次は殺す……。絶対に殺してやる……」
ゴリドはそう言うと、立ち去っていった。
その頃、シンヤ達は街に戻ってきていた。そして、宿に向かって歩いていた。
(結局、今日は一日中買い物していただけのような気がするんだけど……。まあ、楽しいから別に良いけどね……)
シンヤはそう思いながら歩いていると、突然声をかけられた。
「ねえ!君たち!」
振り向くとそこには若い女がいた。
「はい……?」
「君たちは旅人かな?」
「えっと……、一応そうですが……」
「そっかぁ~。実は私たちの村に来ないかなって思って声をかけたんだよ!」
「村ですか……?」
(もしかして、ナンパされているのか!?)
「うん!そうなの!ほらっ!見てみてよ!」
女性はそう言いながら村の地図を見せてきた。その地図には、この国にある三つの村の位置が書かれていた。
「これは……?」
「ふふん♪凄いでしょ?これ全部私の故郷なのよ」
「へぇー、すごいですね……」
(本当に凄いな……。こんなにたくさんの人が住んでいるなんて……。まるで東京みたいだな……)
「それでね、君たちにお願いがあるんだけど……」
「なんでしょうか……?」
「私と一緒に来てくれないかな?」
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