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 次の日、タカテルたちは港町を散策していた。
「タカちゃん、まずはどこから行くの?」
「うーん、最初はやっぱり防具屋かな」
「じゃあそこに向かってみよう!」
タカテルはうなずき返すと目的の店へと向かっていった。
しばらく歩いているうちにタカテルはあることに気づいたのである。
「あれ?なんか町中が騒がしくないか?」
「確かに言われてみると何だか慌ただしいわね」
「何かあったんでしょうか?」
三人は不思議に思いながらも歩みを進めたのであった。
すると前方から兵士のような格好をした男達が走ってきたのだ。
「おい、みんな逃げるんだ!モンスターの大群が迫ってきているぞ!」
その言葉を聞いた瞬間タカテルたちの顔色が変わった。
「なっ、マジかよ!」
「嘘でしょ?早く逃げなきゃ!」
「ちょっと待ってください、何があったのか詳しく教えてください!」
セリーナは動揺する二人を落ち着かせると事情を聞くことにしたのである。
「ああ、実は突然大量の魔物が現れて襲い掛かってきているんだ」
「なるほどそういうことだったんですね、それで今はどうなっているんですか?」
「今は何とか持ちこたえてるがこのままだといずれ全滅しちまうだろうな、だから町の人たちにはすぐに避難するように言ってある」
「わかりました、ありがとうございます」
「いやいや礼には及ばないさ、それよりあんたらも逃げたほうがいいんじゃないか?」
「いえ、私たちは冒険者ですからこの町を守るために戦わせてもらいます」
「おおっ、頼もしいねぇ、だが無理だけはすんじゃねえぞ!」
「ありがとうございます、では私たちは先に行って準備をしておきます」
「おう、よろしく頼むぜ」
そう言うと男はその場を走り去っていった。
「じゃあ俺たちも急いで向かうとするか」
「そうね」
「はいっ!」
そして三人は駆け足で目的地へと向かったのである。
だがタカテルたちが到着した時にはすでに戦いは始まっていた。
「くそっ!数が多い上に硬いな」
「それに魔法攻撃までしてくるなんて聞いてないわよ!」
「これじゃあキリがないですよ!」
三人は必死に応戦していたが敵の数が多すぎて防ぎきれないでいたのだった。
「もうダメかも……」
「諦めちゃだめよ!」
「でも……」
「僕たちならきっと勝てるはずだ!」
タカテルの言葉に二人はうなずくと再び武器を構えたのだった。
「よし、いくぞ!!」
それから三十分後、ようやく全ての敵を倒すことに成功したのだった。
「はぁ……はぁ……やっと終わった」
「これで一安心ね……」
「でもまだ油断はできませんよ」
「そうだな、とりあえず負傷者の手当に行こう」
タカテルの言葉に二人はうなずくと倒れた兵士たちのもとへ向かったのであった。
「大丈夫ですか!?」
「あぁ、なんとかな……」
「私たちが来たからにはもう心配ありませんよ」
「すまないが少し休ませてくれ……」
「もちろんです、ゆっくり休んでくださいね」
そう言い残すとタカテルたちは他の怪我人の治療に向かったのであった。
「ふう~、とりあえず一段落ついたな」
「そうね、それにしても今回の敵はかなり強かったわ」
「そうだよね、今まで戦ったことがないくらい強い相手ばかりだったよ」
「一体どうしてこんなことになったんでしょうか?」
セリーナは疑問を口にしたが答えは出なかった。
「考えてても仕方ない、とにかく今はこの町を守ることを考えないとな」
「それもそうね」
「うん、わかった」
タカテルの言葉にタグリアナとうなずき返したのであった。
するとそこに兵士の一人がやってきたのである。
「あの~すみません」
「あっ、はい、なんでしょう?」
「あなた方がこの町を守ってくださった方々ですね?」
「ええ、そうですけど」
「本当に助かりました、なんとお礼を申し上げればいいか」
「いえいえ、困っている人を助けるのは当然のことですよ」
「そう言っていただけると救われます」
「それで今の状況を教えていただいてもいいですか?」
「ええ、構いませんよ」
「それじゃあお願いします」
「はい、実は少し前にこの辺り一帯を地震が襲いましてね、その時に地割れが起きたんですよ」
「なるほど、それでそこから魔物が出てきたということですか?」
「そうなります、おそらく何者かの策略なのでしょう」
「その可能性はありますね、ちなみにその地震の原因とかはわかってるんですか?」
タカテルの質問に男は首を横に振った。
「残念ながらそこまでは調べることができませんでした」
「そうですか、わかりました」
「申し訳ございません」
「いえ、気にしないでください」
「ところでお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、俺はタカテルと言います」
「私はタグリアナだよ!」
「セリーナといいます」
「タカテルさんにタグリアナさんにセリーナさんですね、覚えました」
「これからもこの町のことをよろしく頼みます」
「はい、任せてください」
タカテルが答えると男は嬉しそうに笑みを浮かべた。
「では私はまだ仕事が残っていますので失礼致します」
「はい、頑張ってください」
「ありがとうございます」
そして男はその場から立ち去っていったのである。
「さて、俺らも帰るとするかな」
「そうね」
「はい!」
こうしてタカテルたちの初任務は無事に終了したのだった。
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