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「へえー、彼なかなかいいやつじゃないか」
「そうなの!見た目は少し怖い感じだけど中身は優しい人でね……」
タグリアナは嬉しそうに青年の事を語っていた。
だがセリーナは複雑な気持ちになっていたのであった。
(まさかこんなところで再会することになるとは思わなかったわ)
そう心の中でつぶやくとその表情は徐々に暗くなっていったのであった。
それからさらに歩くこと一時間ようやく港町に到着したのであった。
「やっと着いたわね、これで少しは休めるわ」
「それにしてもこの世界にきてからまだ何も食べていなかったから腹ペコだよ」
「私もなんだか疲れちゃいました」
「じゃあさっそく宿屋を探してご飯を食べに行きましょう」
「そうだな」
それから三人はそれぞれの部屋を取ると食堂へと向かったのであった。
「いらっしゃい!好きなところに座ってくださいな」
店に入ると恰幅の良いおばちゃんが出迎えてくれた。
「それでは遠慮なく座らせてもらいますね」
そう言うと三人はテーブルについたのである。
「私は海鮮パスタとサラダとスープをお願いします」
「俺はビーフシチューとパンを貰おうかな」
「私はオムライスとコーンポタージュにしようっと!」
三人がそれぞれ注文を終えるとタグリアナはおもむろに口を開いた。
「そういえば自己紹介がまだだったよね、私の名前はタグリアナです、こっちはセリーナさんで職業はヒーラーです。二人ともレベルはまだ1なんです。タカちゃんは……」
「おい、なんで俺だけ職業とか言っちゃうんだよ!?」
タカテルの言葉にタグリアナは慌てて口をふさいだ。
「あっ、つい……でもタカちゃんのステータスなら問題ないじゃない」
「それはそうかもしれないけどさ……」
「まあまあ二人とも落ち着いて、とにかくお互いに名前を知っておくだけでもいいじゃないですか」
セリーナの言葉に二人はしぶしぶうなずくのであった。
「それじゃあタカテルくん、あなたの職業を教えてくれるかしら?」
「はい、僕の職業は勇者です、といっても初期職なので大した能力ではないのですが……」
「あら、すごいじゃないですか!」
セリーナが感嘆の声を上げるとタグリアナも興奮したように続けた。
「そうだよすごいよ!!だってこの世界で最初に選ばれた人間ってことだもん!」
「そんなたいしたものでもないんだけどなぁ」
「そんなことありませんよ!すごいと思います!」
「まあ褒められるのは悪い気がしないけどな、ハハッ」
「それで次は私の番ですね、名前はセリーナと言います、職業はプリーストでレベルは665になっています、それとタカテルさんと同じで初期職なので能力はたいしたことありませんけど」
「へえ~、セリーナさんは回復魔法が得意なんですね!」
「えぇ、そうみたいですね」
「ちなみに二人共武器は何を使っているんだ?」
「僕は剣を使ってるよ!」
「私は杖ですね」
「やっぱりそうなのか、じゃあ明日はとりあえず装備を整えないとな」
「そうね、じゃあそろそろ食事にしましょうか」
「うん、おなかぺこぺこだよぉ」
「じゃあとりあえず乾杯といきましょうか」
「そうね、今日は二人の出会いに感謝して!」
「「「かんぱーい!!」」
こうして三人は食事を楽しみながら親睦を深めていったのであった。
「そうなの!見た目は少し怖い感じだけど中身は優しい人でね……」
タグリアナは嬉しそうに青年の事を語っていた。
だがセリーナは複雑な気持ちになっていたのであった。
(まさかこんなところで再会することになるとは思わなかったわ)
そう心の中でつぶやくとその表情は徐々に暗くなっていったのであった。
それからさらに歩くこと一時間ようやく港町に到着したのであった。
「やっと着いたわね、これで少しは休めるわ」
「それにしてもこの世界にきてからまだ何も食べていなかったから腹ペコだよ」
「私もなんだか疲れちゃいました」
「じゃあさっそく宿屋を探してご飯を食べに行きましょう」
「そうだな」
それから三人はそれぞれの部屋を取ると食堂へと向かったのであった。
「いらっしゃい!好きなところに座ってくださいな」
店に入ると恰幅の良いおばちゃんが出迎えてくれた。
「それでは遠慮なく座らせてもらいますね」
そう言うと三人はテーブルについたのである。
「私は海鮮パスタとサラダとスープをお願いします」
「俺はビーフシチューとパンを貰おうかな」
「私はオムライスとコーンポタージュにしようっと!」
三人がそれぞれ注文を終えるとタグリアナはおもむろに口を開いた。
「そういえば自己紹介がまだだったよね、私の名前はタグリアナです、こっちはセリーナさんで職業はヒーラーです。二人ともレベルはまだ1なんです。タカちゃんは……」
「おい、なんで俺だけ職業とか言っちゃうんだよ!?」
タカテルの言葉にタグリアナは慌てて口をふさいだ。
「あっ、つい……でもタカちゃんのステータスなら問題ないじゃない」
「それはそうかもしれないけどさ……」
「まあまあ二人とも落ち着いて、とにかくお互いに名前を知っておくだけでもいいじゃないですか」
セリーナの言葉に二人はしぶしぶうなずくのであった。
「それじゃあタカテルくん、あなたの職業を教えてくれるかしら?」
「はい、僕の職業は勇者です、といっても初期職なので大した能力ではないのですが……」
「あら、すごいじゃないですか!」
セリーナが感嘆の声を上げるとタグリアナも興奮したように続けた。
「そうだよすごいよ!!だってこの世界で最初に選ばれた人間ってことだもん!」
「そんなたいしたものでもないんだけどなぁ」
「そんなことありませんよ!すごいと思います!」
「まあ褒められるのは悪い気がしないけどな、ハハッ」
「それで次は私の番ですね、名前はセリーナと言います、職業はプリーストでレベルは665になっています、それとタカテルさんと同じで初期職なので能力はたいしたことありませんけど」
「へえ~、セリーナさんは回復魔法が得意なんですね!」
「えぇ、そうみたいですね」
「ちなみに二人共武器は何を使っているんだ?」
「僕は剣を使ってるよ!」
「私は杖ですね」
「やっぱりそうなのか、じゃあ明日はとりあえず装備を整えないとな」
「そうね、じゃあそろそろ食事にしましょうか」
「うん、おなかぺこぺこだよぉ」
「じゃあとりあえず乾杯といきましょうか」
「そうね、今日は二人の出会いに感謝して!」
「「「かんぱーい!!」」
こうして三人は食事を楽しみながら親睦を深めていったのであった。
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