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第八十二話
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ハロウィンの季節が近づいて俺は秋葉原にコスプレの衣装の下見に行った。
何軒かコスプレ衣装の店を見て歩いたがどの店も結構値段が高い。
一休みしようと思って以前よく行ったモスバーガーを探したが閉店したらしい。
どこでもいいやと思って裏道にはいるとメイドカフェの女の子達が大勢ビラを配っている。
「あら恵美ちゃん久しぶりね。こんな所でなにしてるの」と女の子に声を掛けられた。
メイド服を着てお化粧をしているのですぐには気がつかなかったが姉の幼馴染みの美和ちゃんだ。
「ちょうどよかった恵美ちゃん。私の店でバイトしない一日で5千円になるのよ。もちろんメイドカフェだからメイド服を着てお化粧もして女装してもらうんだけど」
「恵美ちゃんは女装するととっても可愛いからちょうどいいわよね。やってもらえるわよね」と美和ちゃんに強引に薦められた。
俺は子供の頃に姉の誕生会で女装をさせられたことがある。
姉の友達の女の子達に可愛いと褒められて嬉しかったのを思い出した。
「じゃあ、やらせてもらいます」と俺が返事をするとさっそく店に案内された。
しゃれた感じの喫茶店風の店にはセーラー服を来た女の子が数人いた。
中には男の娘も混じっているはずだがどの子が男の娘なのか見ただけでは判らなかった。
店の奥の控室でセーラー服に着替えると美和ちゃんがお化粧をしてくれた。
自分で鏡で確かめてみたが、可愛くて女の子にしか見えない。
お店でお客の男の子たちとおしゃべりをしていると閉店の時間になった。
「よかったらカラオケにいかないか、お腹すいたんじゃないか。食事もできる店があるんだ」と中年の男性に誘われた。
俺はどうしようかと思ったがせっかくのお誘いを断るのも悪い気がした。
男と二人でカラオケ店に入ると「おなかが空いたろう。この店はね唐揚げが美味いんだ」と言ってメニューを渡してくれた。
ヤンニョムチキンだのトマトチーズだの訳の判らない唐揚げの名前が並んでいてどれを頼んでいいのか判らない。
メニューを男に返しながら「おまかせします」と言うと男が適当に注文してくれた。
唐揚げを食べながら、お酒を薦められて慣れないお酒をいっぱい飲んだ。
食事のあとカラオケをしたが何を歌ったか酔ったせいで記憶がはきっりしなくなった。
目が覚めたとき俺は公園のベンチで寝ているのに気がついた。
家に戻ったはずだと思ったがどうも違っていたらしい。
どうやらコスプレのセーラー服を着たまま公園のベンチで寝たしまったらしい。
昨日の事を思い出そうとしたが、カラオケを出た所までは覚えているがそのあとの記憶がない。
俺はセーラー服を着たままなので着替えようと思ったが着替えがない。
持ち物をさがすと財布と携帯をもっている。
これなら家に帰る電車賃くらいはありそうだと思って公園を出たが自分がどこにいるのか分からない。
景色を確かめると高層ビルが一杯立っているのが見えた。
どうやら新宿にいるらしいと俺はなんとなく気がついた。
駅前まで歩いていくとロッテリアを見つけたので一休みしようと思った。
ベーコンチーズバーガーとコーヒーを頼んで空いてる席に座ると食べ終わったあとトイレに立った。
セーラー服を着ているので便器に座って小便をしようとしたとき俺は愕然とした。
股間にあるべきものがないのだ。
何度も手で触って確かめたがやっぱりない。
それでも小便がでるので用は済ませたがやっぱり変だ。
トイレの鏡で自分の顔を確かめてみたがいつもの俺の顔とは全然違う。
お化粧をしているから別人に見えるのかとも思ったが顔の輪郭が全然違う。
胸に手を当てて確かめると肉の塊の感触があって本物の胸だ。
何がなんだかさっぱり訳が分からない。
俺は昨夜何があったのか思い出そうとしてみた。
俺は昨日までは確かに男だったはず。
男の娘カフェでセーラー服の女装をしたが、それだけで身体が女になるはずがない。
スカートを直して席にもどったが頭の中は混乱するばかりだった。
このまま家に帰るかどうか俺には決心がつきかねた。
俺はもともと男の子なはず。
家に戻れば家の子じゃないと言われるに決まっている。
俺はぼんやりとロッテリアの中を見渡してみたが、女子高生の姿が多い。
女の子達はいろんな学校の制服を着て居て同じ学校の子だけが集まってる訳でもない。
大抵が一人か二人で座っていて、みな携帯をいじってる。
それにどの女子高生もお化粧が濃くてスカートの丈も短くて普通の女子高生には見えない。
どうして女子高生がみな携帯をいじってるのか気になって、俺の隣の席の女子高生の携帯をこっそりと盗み見した。
女子高生は携帯の操作に夢中で俺が盗み見しているのには全然気が付く様子もない。
女子高生が夢中になってやっててるのはどうやら出会い系サイトらしい。
俺も携帯を取り出して今居る店の名前を検索してみた。
いろいろ試してみると俺は変な名前の投稿サイトを見つけた。
どうやらこの店は出会い系サイトの待ち合わせの場所になっているらしい。
店にいる女の子が携帯で自分の写真をアップロードして相手を見つける仕組みらしい。
出会い系サイトで男と遊ぶのは大抵が金が目当ての援助交際だ。
それでこの店には援助交際をしたい女子高生が大勢集まっているらしいと俺は気が付いた。
一応は女子高生らしくセーラー服をきているが、本当に女子高生なのか分かったもんじゃない。
俺も他の女の子の真似をして写真を出会い系サイトにアップロードして「いま暇してます」と書き込んだ。
すぐに男からメッセージが届いたので読んでみると「何して遊びたいのかな」と書いてある。
俺は適当に返事を書いて男とメッセージのやりとりを続けた。
「私、今日行くところがないんです」と俺が試しに書いてみると、すぐに男が「大丈夫、心配いらないら」とメッセージをよこした。
俺はとりあえず今夜はなんとか泊まる場所が確保できたと思って一安心したが、男に何をされるのかやっぱり不安な気持ちもあった。
俺はロッテリア前で待ち合わせをする約束をして返事を待った。
男はすぐ近くらしくてこれからすぐ来ると返事が来た。
ロッテリア前でしばらく待っていると、それらしい男が来た。
「いや、恵美ちゃんだね、可愛いじゃないか」と男は俺に気が付いてすぐに声を掛けてきた。
グレーのジャンパーを着た中年の男はサラリーマンには見えない。
歳も俺のおやじくらいで、随分と老けて見える。
男がそんなに待たせずに待ち合わせの場所に来たところを見ると、すぐ近くでロッテリアの様子を覗き見していてよさそうな女を物色していたらしい。
「じゃあ飯でも食おうか、お腹空いてるだろう」と男に誘われて俺は男と歩き始めた。
男はすぐに手を伸ばして俺の手をしっかりと掴んできた。
俺が逃げられないようにしっかりと捕まえておく気らしい。
俺は女の子と手をつないだこともないので、手を握られると胸がドキドキして変な気分になった。
「何が食べたいんだ」と男に聞かれて俺は「何でもいいです」と答えた。
しばらく歩いてちゃんこ鍋屋に着いた。
ちゃんこ鍋と言えばお相撲さんが食べる食事の事だ。
肉や野菜が一杯入った鍋物らしいと一応は知っている。
ちゃんこ鍋というのはテレビの番組で紹介されているのを見たことはあるが実際に食べるのは初めてだ。
有名なお相撲さんの琴桜が経営している店らしいが俺は相撲の事は良く知らないので名前を聞いても判らない。
メニューにはいろんな種類のちゃんこ鍋が並んでいてどれを頼んでいいのか判らない。
しかたないので俺は適当に頼んだ。
しばらくしてちゃんこ鍋が運ばれてくると随分と量が多い。
だが鍋は一つしかない。
どうやら二人前らしい。
男と二人で分けて食べてみるとニラの入った濃い味噌味でそんなに美味しい物でもなかった。
一応はおなかいっぱいにはなったがまだ食べたりない気がした。
たぶんお相撲さんはもっと他にも料理をいっぱい食べるんだろうと思った。
「恵美ちゃん踊りを見るのは好きかな」と男に聞かれて俺は一瞬戸惑った。
男が言う「踊り」というのは日本舞踊の事なのか、それとも夏祭りの盆踊りの事なのかよくわからない。
俺は「そうですね」と適当に返事をした。
「プロのダンサーの踊りが見られる店があるんだ、一度見ておいた方がいいよ」と男に言われてどうやらダンサーの居る飲み屋らしいとなんとなく気が付いた。
俺が「はい」と答えると、男は俺をつれてちゃんこ鍋屋から出た。
裏道をしばらく進むとけばけばしいネオンが輝いているのが見えた。
大きな看板にはダンサーの女性がポーズを取っている写真が一杯張り付けてある。
どうやらストリップ劇場らしい。
俺はまだ未成年だからストリップ劇場になんか来たことはない。
それにストリップ劇場というのがどうゆうショーを見せる所かもよく知らない。
以前テレビの深夜番組でストリップショーの紹介をちらっと見たことがあるだけだ。
俺は男だからストリップショーには多少の興味がある。
だけど今は女の体だ。
女がストリップショーを見にストリップ劇場に入るなんてどう考えても変だ。
それにセーラー服を着ていて女子高生だとすぐわかる。
未成年が中に入れて貰えるはずはない。
男が切符を二枚買うと、受付を通ろうとした。
俺はきっと受付で何か言われると思ったが、すんなりと中に入れた。
女が入るときは未成年でも構わないらしい。
防音のドアを開けて劇場の中に入ると、正面に舞台があって花道が伸びている。
花道の両脇に観客の男性が沢山いるが、会場はそれほど広くはないので多くても50人くらいだろうか。
ちょうど踊りが終わって、幕間にはいったらしくてお笑い芸人らしい二人がコントをしている。
客はお笑い芸人のコントなど見る気もないらしくて「はやく止めろ」と怒鳴る声も聞こえる。
コントが終わると場内に聞いたことがある曲が流れ始めた。
イントロのベースの跳ねるようなリズムは「もってけセーラー服」だ。
アニメの主題歌の「もってけセーラー服」をストリップ劇場で流すなんてどうゆうことだろうと思ってみていると、ステージにチアガールの衣装を着た女の子達が並んだ。
両手に色とりどりのボンボンを持って大きく振り回してる。
まるで甲子園の応援席のチアガールみたいだ。
どうやらチアガールのショーが始まるらしい。
女の子達はもってけセーラー服の曲に合わせてチアガールのダンスを踊り始めた。
それほど上手ではないが見ていて楽しめるくらいには踊れている。
ここはストリップ劇場なので、チアガールのダンスを見て喜ぶ客などあまりいない。
「はやく脱げー」と場内から声がかかると、女達の一人が花道の中央に進んだ。
思わせぶりに踊ながらチアガールの衣装を脱ぐと、下は可愛らしい下着姿だ。
下着姿でダンスをしばらく踊った後、下着も脱いでまる裸になった。
股間の黒い茂みは手入れをしてあるらしくて、かなり小さい。
不意に俺のお尻に変な感触があるのに気が付いた。
隣にいる男の手が俺のお尻を触っているらしい。
ストリップショーを見ていれば普通の男だったら変な気持ちになるのは仕方がない。
男が俺のお尻を触りたくなる気分になるのも当たり前だ。
俺はしかたがないと思って、男にされるままになっていた。
「おい、オXXコを見せるんだ。足を開いてもっとよく見せろ」とまた男の声が聞こえた。
女は床にしゃがみ込むと足を大きく開いてオXXコを指先で広げて見せた。
男達が体を前に乗り出してオXXコを覗き込むと女は指先を震わせて回しながらオXXコを触り始めた。
女の眉が変な風に吊り上がって今にも泣きそうな顔になるのを見て俺は女が何をしてるのか気が付いた。
この女は男達の見ている前でオ×ニーを始めたらしい。
俺は元々男だから男のオ×ニーだったらやり方はしってるけど女のオ×ニーを見るのはこれが初めてだ。
男だったらオXンXンの先端をこすれば気持ちよくなるけど女がどうやってオ×ニーをするのか俺は不思議に思っていた。
女は腰を前につきだして太腿を震わせながら、頭を何度も仰け反らせた。
目の前で女がオ×ニーをしているのを見て、俺は男のオナニーとは全然違うと気が付いた。
男だったらいくら気持ちよくても体中を震わせて仰け反ったりはしない。
男のオ×ニーは気持ちいいのはオXンXンの先端だけで、他は何も感じない。
だけど女の様子を見ているとオXXコだけでなく体全体が気持ちよくなっちゃってるのがよく見て取れる。
しばらくして舞台の照明が一旦消えた。
ストリップショーはまだ続くらしいが男に促されて俺はストリップ劇場を後にした。
「これから二人でゆっくり出来る所に連れてってやるぜ、その方が恵美ちゃんもいいだろう」と男が俺の耳元で囁いた。
男が俺をどんな場所に連れ込むつもりなのか大体の見当は付いた。
ストリップ劇場をでてしばらく歩くとラブホテルの前に着た。
部屋に入ると目の前に大きなベッドがある。
ラブホテル何て入ったことがないので、部屋に置いてあるものが何なのかいまいちよく把握できない。
男はすぐに俺に「服を脱いで裸になるんだ」と命じてきた。
俺はちょうどいいから男に俺の体をよく確かめてもらおうと思った。
女の子なら男の前で裸になるのはとっても恥ずかしいことだろうけど俺はもともと男なので、別に男の前で服を脱いだってどうってことはない。
すぐにセーラ服を脱いでブラジャーとパンティーも脱いで全裸になった。
「いっしょに風呂に入ろうか」と男に誘われて俺は男のあとから浴室に入った。
浴室の中はおもったより広くてバスタブもかなり大きい。
男がスイッチを入れるとバスタブの内側に泡が一斉に噴き出してきた。
話には聞いたことがあるが、バスタブの周囲から空気を噴き出す仕組みのジャグジーバスらしい。
「ジャグジーバスはとっても気持ちがいいんだぜ。いちど経験したら病みつきになるのは保証付きだ」と男がいうと先にバスタブに入った。
俺も男のあとからバスタブに入ったが体中に空気の泡が吹きつけられてきてくすぐったくて気持ちがいい。
俺のオXXコにも泡が吹きつけられてくると、あまりの気持よさに思わず飛び上がりそうになった。
男は俺に後ろから抱き着くと、俺の手をバスタブに着かせた。
欲望の儀式が始まる予感が、俺の身体を襲った。
男の欲望は、楽しみを先に延ばしたいかのように、俺の身体ををじらしながら開いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできなかった。
俺の体は意志のない人形のようにもてあそばれて引き裂かれた。
天国にまで放り投げられた俺の身体は、燃えあがったまま空をさまよい続けた。
男は俺の身体を征服すると俺の身体は永遠の時に震え続けた。
俺は女の体がこんなに気持ちいいならずっと女の体で居た方がいいと本気で思った。
何軒かコスプレ衣装の店を見て歩いたがどの店も結構値段が高い。
一休みしようと思って以前よく行ったモスバーガーを探したが閉店したらしい。
どこでもいいやと思って裏道にはいるとメイドカフェの女の子達が大勢ビラを配っている。
「あら恵美ちゃん久しぶりね。こんな所でなにしてるの」と女の子に声を掛けられた。
メイド服を着てお化粧をしているのですぐには気がつかなかったが姉の幼馴染みの美和ちゃんだ。
「ちょうどよかった恵美ちゃん。私の店でバイトしない一日で5千円になるのよ。もちろんメイドカフェだからメイド服を着てお化粧もして女装してもらうんだけど」
「恵美ちゃんは女装するととっても可愛いからちょうどいいわよね。やってもらえるわよね」と美和ちゃんに強引に薦められた。
俺は子供の頃に姉の誕生会で女装をさせられたことがある。
姉の友達の女の子達に可愛いと褒められて嬉しかったのを思い出した。
「じゃあ、やらせてもらいます」と俺が返事をするとさっそく店に案内された。
しゃれた感じの喫茶店風の店にはセーラー服を来た女の子が数人いた。
中には男の娘も混じっているはずだがどの子が男の娘なのか見ただけでは判らなかった。
店の奥の控室でセーラー服に着替えると美和ちゃんがお化粧をしてくれた。
自分で鏡で確かめてみたが、可愛くて女の子にしか見えない。
お店でお客の男の子たちとおしゃべりをしていると閉店の時間になった。
「よかったらカラオケにいかないか、お腹すいたんじゃないか。食事もできる店があるんだ」と中年の男性に誘われた。
俺はどうしようかと思ったがせっかくのお誘いを断るのも悪い気がした。
男と二人でカラオケ店に入ると「おなかが空いたろう。この店はね唐揚げが美味いんだ」と言ってメニューを渡してくれた。
ヤンニョムチキンだのトマトチーズだの訳の判らない唐揚げの名前が並んでいてどれを頼んでいいのか判らない。
メニューを男に返しながら「おまかせします」と言うと男が適当に注文してくれた。
唐揚げを食べながら、お酒を薦められて慣れないお酒をいっぱい飲んだ。
食事のあとカラオケをしたが何を歌ったか酔ったせいで記憶がはきっりしなくなった。
目が覚めたとき俺は公園のベンチで寝ているのに気がついた。
家に戻ったはずだと思ったがどうも違っていたらしい。
どうやらコスプレのセーラー服を着たまま公園のベンチで寝たしまったらしい。
昨日の事を思い出そうとしたが、カラオケを出た所までは覚えているがそのあとの記憶がない。
俺はセーラー服を着たままなので着替えようと思ったが着替えがない。
持ち物をさがすと財布と携帯をもっている。
これなら家に帰る電車賃くらいはありそうだと思って公園を出たが自分がどこにいるのか分からない。
景色を確かめると高層ビルが一杯立っているのが見えた。
どうやら新宿にいるらしいと俺はなんとなく気がついた。
駅前まで歩いていくとロッテリアを見つけたので一休みしようと思った。
ベーコンチーズバーガーとコーヒーを頼んで空いてる席に座ると食べ終わったあとトイレに立った。
セーラー服を着ているので便器に座って小便をしようとしたとき俺は愕然とした。
股間にあるべきものがないのだ。
何度も手で触って確かめたがやっぱりない。
それでも小便がでるので用は済ませたがやっぱり変だ。
トイレの鏡で自分の顔を確かめてみたがいつもの俺の顔とは全然違う。
お化粧をしているから別人に見えるのかとも思ったが顔の輪郭が全然違う。
胸に手を当てて確かめると肉の塊の感触があって本物の胸だ。
何がなんだかさっぱり訳が分からない。
俺は昨夜何があったのか思い出そうとしてみた。
俺は昨日までは確かに男だったはず。
男の娘カフェでセーラー服の女装をしたが、それだけで身体が女になるはずがない。
スカートを直して席にもどったが頭の中は混乱するばかりだった。
このまま家に帰るかどうか俺には決心がつきかねた。
俺はもともと男の子なはず。
家に戻れば家の子じゃないと言われるに決まっている。
俺はぼんやりとロッテリアの中を見渡してみたが、女子高生の姿が多い。
女の子達はいろんな学校の制服を着て居て同じ学校の子だけが集まってる訳でもない。
大抵が一人か二人で座っていて、みな携帯をいじってる。
それにどの女子高生もお化粧が濃くてスカートの丈も短くて普通の女子高生には見えない。
どうして女子高生がみな携帯をいじってるのか気になって、俺の隣の席の女子高生の携帯をこっそりと盗み見した。
女子高生は携帯の操作に夢中で俺が盗み見しているのには全然気が付く様子もない。
女子高生が夢中になってやっててるのはどうやら出会い系サイトらしい。
俺も携帯を取り出して今居る店の名前を検索してみた。
いろいろ試してみると俺は変な名前の投稿サイトを見つけた。
どうやらこの店は出会い系サイトの待ち合わせの場所になっているらしい。
店にいる女の子が携帯で自分の写真をアップロードして相手を見つける仕組みらしい。
出会い系サイトで男と遊ぶのは大抵が金が目当ての援助交際だ。
それでこの店には援助交際をしたい女子高生が大勢集まっているらしいと俺は気が付いた。
一応は女子高生らしくセーラー服をきているが、本当に女子高生なのか分かったもんじゃない。
俺も他の女の子の真似をして写真を出会い系サイトにアップロードして「いま暇してます」と書き込んだ。
すぐに男からメッセージが届いたので読んでみると「何して遊びたいのかな」と書いてある。
俺は適当に返事を書いて男とメッセージのやりとりを続けた。
「私、今日行くところがないんです」と俺が試しに書いてみると、すぐに男が「大丈夫、心配いらないら」とメッセージをよこした。
俺はとりあえず今夜はなんとか泊まる場所が確保できたと思って一安心したが、男に何をされるのかやっぱり不安な気持ちもあった。
俺はロッテリア前で待ち合わせをする約束をして返事を待った。
男はすぐ近くらしくてこれからすぐ来ると返事が来た。
ロッテリア前でしばらく待っていると、それらしい男が来た。
「いや、恵美ちゃんだね、可愛いじゃないか」と男は俺に気が付いてすぐに声を掛けてきた。
グレーのジャンパーを着た中年の男はサラリーマンには見えない。
歳も俺のおやじくらいで、随分と老けて見える。
男がそんなに待たせずに待ち合わせの場所に来たところを見ると、すぐ近くでロッテリアの様子を覗き見していてよさそうな女を物色していたらしい。
「じゃあ飯でも食おうか、お腹空いてるだろう」と男に誘われて俺は男と歩き始めた。
男はすぐに手を伸ばして俺の手をしっかりと掴んできた。
俺が逃げられないようにしっかりと捕まえておく気らしい。
俺は女の子と手をつないだこともないので、手を握られると胸がドキドキして変な気分になった。
「何が食べたいんだ」と男に聞かれて俺は「何でもいいです」と答えた。
しばらく歩いてちゃんこ鍋屋に着いた。
ちゃんこ鍋と言えばお相撲さんが食べる食事の事だ。
肉や野菜が一杯入った鍋物らしいと一応は知っている。
ちゃんこ鍋というのはテレビの番組で紹介されているのを見たことはあるが実際に食べるのは初めてだ。
有名なお相撲さんの琴桜が経営している店らしいが俺は相撲の事は良く知らないので名前を聞いても判らない。
メニューにはいろんな種類のちゃんこ鍋が並んでいてどれを頼んでいいのか判らない。
しかたないので俺は適当に頼んだ。
しばらくしてちゃんこ鍋が運ばれてくると随分と量が多い。
だが鍋は一つしかない。
どうやら二人前らしい。
男と二人で分けて食べてみるとニラの入った濃い味噌味でそんなに美味しい物でもなかった。
一応はおなかいっぱいにはなったがまだ食べたりない気がした。
たぶんお相撲さんはもっと他にも料理をいっぱい食べるんだろうと思った。
「恵美ちゃん踊りを見るのは好きかな」と男に聞かれて俺は一瞬戸惑った。
男が言う「踊り」というのは日本舞踊の事なのか、それとも夏祭りの盆踊りの事なのかよくわからない。
俺は「そうですね」と適当に返事をした。
「プロのダンサーの踊りが見られる店があるんだ、一度見ておいた方がいいよ」と男に言われてどうやらダンサーの居る飲み屋らしいとなんとなく気が付いた。
俺が「はい」と答えると、男は俺をつれてちゃんこ鍋屋から出た。
裏道をしばらく進むとけばけばしいネオンが輝いているのが見えた。
大きな看板にはダンサーの女性がポーズを取っている写真が一杯張り付けてある。
どうやらストリップ劇場らしい。
俺はまだ未成年だからストリップ劇場になんか来たことはない。
それにストリップ劇場というのがどうゆうショーを見せる所かもよく知らない。
以前テレビの深夜番組でストリップショーの紹介をちらっと見たことがあるだけだ。
俺は男だからストリップショーには多少の興味がある。
だけど今は女の体だ。
女がストリップショーを見にストリップ劇場に入るなんてどう考えても変だ。
それにセーラー服を着ていて女子高生だとすぐわかる。
未成年が中に入れて貰えるはずはない。
男が切符を二枚買うと、受付を通ろうとした。
俺はきっと受付で何か言われると思ったが、すんなりと中に入れた。
女が入るときは未成年でも構わないらしい。
防音のドアを開けて劇場の中に入ると、正面に舞台があって花道が伸びている。
花道の両脇に観客の男性が沢山いるが、会場はそれほど広くはないので多くても50人くらいだろうか。
ちょうど踊りが終わって、幕間にはいったらしくてお笑い芸人らしい二人がコントをしている。
客はお笑い芸人のコントなど見る気もないらしくて「はやく止めろ」と怒鳴る声も聞こえる。
コントが終わると場内に聞いたことがある曲が流れ始めた。
イントロのベースの跳ねるようなリズムは「もってけセーラー服」だ。
アニメの主題歌の「もってけセーラー服」をストリップ劇場で流すなんてどうゆうことだろうと思ってみていると、ステージにチアガールの衣装を着た女の子達が並んだ。
両手に色とりどりのボンボンを持って大きく振り回してる。
まるで甲子園の応援席のチアガールみたいだ。
どうやらチアガールのショーが始まるらしい。
女の子達はもってけセーラー服の曲に合わせてチアガールのダンスを踊り始めた。
それほど上手ではないが見ていて楽しめるくらいには踊れている。
ここはストリップ劇場なので、チアガールのダンスを見て喜ぶ客などあまりいない。
「はやく脱げー」と場内から声がかかると、女達の一人が花道の中央に進んだ。
思わせぶりに踊ながらチアガールの衣装を脱ぐと、下は可愛らしい下着姿だ。
下着姿でダンスをしばらく踊った後、下着も脱いでまる裸になった。
股間の黒い茂みは手入れをしてあるらしくて、かなり小さい。
不意に俺のお尻に変な感触があるのに気が付いた。
隣にいる男の手が俺のお尻を触っているらしい。
ストリップショーを見ていれば普通の男だったら変な気持ちになるのは仕方がない。
男が俺のお尻を触りたくなる気分になるのも当たり前だ。
俺はしかたがないと思って、男にされるままになっていた。
「おい、オXXコを見せるんだ。足を開いてもっとよく見せろ」とまた男の声が聞こえた。
女は床にしゃがみ込むと足を大きく開いてオXXコを指先で広げて見せた。
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女の眉が変な風に吊り上がって今にも泣きそうな顔になるのを見て俺は女が何をしてるのか気が付いた。
この女は男達の見ている前でオ×ニーを始めたらしい。
俺は元々男だから男のオ×ニーだったらやり方はしってるけど女のオ×ニーを見るのはこれが初めてだ。
男だったらオXンXンの先端をこすれば気持ちよくなるけど女がどうやってオ×ニーをするのか俺は不思議に思っていた。
女は腰を前につきだして太腿を震わせながら、頭を何度も仰け反らせた。
目の前で女がオ×ニーをしているのを見て、俺は男のオナニーとは全然違うと気が付いた。
男だったらいくら気持ちよくても体中を震わせて仰け反ったりはしない。
男のオ×ニーは気持ちいいのはオXンXンの先端だけで、他は何も感じない。
だけど女の様子を見ているとオXXコだけでなく体全体が気持ちよくなっちゃってるのがよく見て取れる。
しばらくして舞台の照明が一旦消えた。
ストリップショーはまだ続くらしいが男に促されて俺はストリップ劇場を後にした。
「これから二人でゆっくり出来る所に連れてってやるぜ、その方が恵美ちゃんもいいだろう」と男が俺の耳元で囁いた。
男が俺をどんな場所に連れ込むつもりなのか大体の見当は付いた。
ストリップ劇場をでてしばらく歩くとラブホテルの前に着た。
部屋に入ると目の前に大きなベッドがある。
ラブホテル何て入ったことがないので、部屋に置いてあるものが何なのかいまいちよく把握できない。
男はすぐに俺に「服を脱いで裸になるんだ」と命じてきた。
俺はちょうどいいから男に俺の体をよく確かめてもらおうと思った。
女の子なら男の前で裸になるのはとっても恥ずかしいことだろうけど俺はもともと男なので、別に男の前で服を脱いだってどうってことはない。
すぐにセーラ服を脱いでブラジャーとパンティーも脱いで全裸になった。
「いっしょに風呂に入ろうか」と男に誘われて俺は男のあとから浴室に入った。
浴室の中はおもったより広くてバスタブもかなり大きい。
男がスイッチを入れるとバスタブの内側に泡が一斉に噴き出してきた。
話には聞いたことがあるが、バスタブの周囲から空気を噴き出す仕組みのジャグジーバスらしい。
「ジャグジーバスはとっても気持ちがいいんだぜ。いちど経験したら病みつきになるのは保証付きだ」と男がいうと先にバスタブに入った。
俺も男のあとからバスタブに入ったが体中に空気の泡が吹きつけられてきてくすぐったくて気持ちがいい。
俺のオXXコにも泡が吹きつけられてくると、あまりの気持よさに思わず飛び上がりそうになった。
男は俺に後ろから抱き着くと、俺の手をバスタブに着かせた。
欲望の儀式が始まる予感が、俺の身体を襲った。
男の欲望は、楽しみを先に延ばしたいかのように、俺の身体ををじらしながら開いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできなかった。
俺の体は意志のない人形のようにもてあそばれて引き裂かれた。
天国にまで放り投げられた俺の身体は、燃えあがったまま空をさまよい続けた。
男は俺の身体を征服すると俺の身体は永遠の時に震え続けた。
俺は女の体がこんなに気持ちいいならずっと女の体で居た方がいいと本気で思った。
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