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リハビリと疫病
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さて、カズくんが食事が食べられるようになると、同時進行でリハビリが本格的に始まった。
臥床している時間が長かったこともあり、体の筋力がだいぶ落ちてしまっていたからだ。
今までは、生命維持をすることに時間を費やしてきたが、口から食べられることによって、今度は筋力をつけていかなくてはならないのだ。
カズくんは、2020年5月の段階で、なんとか起きて、自分でベッドサイドに座る事はできたが、自分で車椅子に座る事はできなかった。
立つことができなかったのである。
しかも、この頃。
丁度悪いことに疫病が流行りだし、巷では皆がマスクを買い漁り、面会も限られた時間の中でしかできなくなってきていた。
カズくんは毎日ベットの上で足を上げ下げしたり、自転車を漕ぐ動きをしたりと自主トレをしていた。
私も15分ほど面会をすると、病院を後にする日がしばらく続いた。
そして、カズくんが自分で車椅子に座れるようになった頃、2020年6月、病院での面会中止が始まった。
私はそのせいで、精神的に追い込まれた。元々双極性感情障害という精神障害を持っていたが、それが悪化したのだ。
そして、仕事も行くことができず、結果、仕事を辞めることとなりました。
そして、長らくお世話になっていたお宅にも迷惑をかけてわいけないと、自宅に戻ってきたのです。
毎日、カズくんのことが心配で、夕方になるとLINEをしたり、電話をしました。
カズくんは、今日はこんなリハビリをしたとか、自主的にこんなことをしているとかは、教えてくれましたが、あまり詳しくはわかりませんでした。
2020年7月、カズくんはリハビリ病棟に転棟することとなりました。
そして面会も予約制で15分だけできるようになりました。
疫病はもちろん続いていましてが、少し感染する人が少なくなったためでした。
私は元気になり、また病院へ週1回会いに行きます。
私は久しぶりにカズくんを見た時、驚きました。
何しろ、自分で立って、歩行器で歩いていたのです。
「オレ、すごいだろ?!」
そんなことを言いながら、笑顔を見せるカズくんは、本当に少年のような笑顔でした。
カズくんは、私と会えなかった間、毎日リハビリを頑張っていたのです。
しかし、期限が迫っていました。
リハビリの病棟にいられるのは2ヶ月間だけ。
までには退院しなくてはならないのです。
私は嬉しさ半分、現実が半分・・・
階段を登るのは無理だろう。
どうやって週3回透析に行くのか?!
とにかく、今の状態では、長距離の歩行は無理。そう思っていました。
カズくんは、
「大丈夫、歩けばいいんだから」
と、まるで他人事のように笑います。
そして、
「髪を切って欲しい」
と、カズくんは言います。
それで、次の面会時、バリカンを買って持っていきました。
すると、カズくんは歩行器なしで廊下の手すりに捕まりながら歩いていました。
「すごいだろう?」
イタズラっ子のようにカズくんが笑います。
「普段は歩行器なんだけど、リハビリの時は歩行器を外して歩いてるんだ」
部屋に時間をかけて戻ってくると、カズくんの髪を私がバリカンで刈り取りました。
そうして、カズくんは本当に少しずつリハビリを頑張ってくれました。
臥床している時間が長かったこともあり、体の筋力がだいぶ落ちてしまっていたからだ。
今までは、生命維持をすることに時間を費やしてきたが、口から食べられることによって、今度は筋力をつけていかなくてはならないのだ。
カズくんは、2020年5月の段階で、なんとか起きて、自分でベッドサイドに座る事はできたが、自分で車椅子に座る事はできなかった。
立つことができなかったのである。
しかも、この頃。
丁度悪いことに疫病が流行りだし、巷では皆がマスクを買い漁り、面会も限られた時間の中でしかできなくなってきていた。
カズくんは毎日ベットの上で足を上げ下げしたり、自転車を漕ぐ動きをしたりと自主トレをしていた。
私も15分ほど面会をすると、病院を後にする日がしばらく続いた。
そして、カズくんが自分で車椅子に座れるようになった頃、2020年6月、病院での面会中止が始まった。
私はそのせいで、精神的に追い込まれた。元々双極性感情障害という精神障害を持っていたが、それが悪化したのだ。
そして、仕事も行くことができず、結果、仕事を辞めることとなりました。
そして、長らくお世話になっていたお宅にも迷惑をかけてわいけないと、自宅に戻ってきたのです。
毎日、カズくんのことが心配で、夕方になるとLINEをしたり、電話をしました。
カズくんは、今日はこんなリハビリをしたとか、自主的にこんなことをしているとかは、教えてくれましたが、あまり詳しくはわかりませんでした。
2020年7月、カズくんはリハビリ病棟に転棟することとなりました。
そして面会も予約制で15分だけできるようになりました。
疫病はもちろん続いていましてが、少し感染する人が少なくなったためでした。
私は元気になり、また病院へ週1回会いに行きます。
私は久しぶりにカズくんを見た時、驚きました。
何しろ、自分で立って、歩行器で歩いていたのです。
「オレ、すごいだろ?!」
そんなことを言いながら、笑顔を見せるカズくんは、本当に少年のような笑顔でした。
カズくんは、私と会えなかった間、毎日リハビリを頑張っていたのです。
しかし、期限が迫っていました。
リハビリの病棟にいられるのは2ヶ月間だけ。
までには退院しなくてはならないのです。
私は嬉しさ半分、現実が半分・・・
階段を登るのは無理だろう。
どうやって週3回透析に行くのか?!
とにかく、今の状態では、長距離の歩行は無理。そう思っていました。
カズくんは、
「大丈夫、歩けばいいんだから」
と、まるで他人事のように笑います。
そして、
「髪を切って欲しい」
と、カズくんは言います。
それで、次の面会時、バリカンを買って持っていきました。
すると、カズくんは歩行器なしで廊下の手すりに捕まりながら歩いていました。
「すごいだろう?」
イタズラっ子のようにカズくんが笑います。
「普段は歩行器なんだけど、リハビリの時は歩行器を外して歩いてるんだ」
部屋に時間をかけて戻ってくると、カズくんの髪を私がバリカンで刈り取りました。
そうして、カズくんは本当に少しずつリハビリを頑張ってくれました。
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