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突然の呼吸困難
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さて、カズくんは、腸穿孔を起こしたものの、あまり広がっていないことが分かりました。
で、このまま絶食と、点滴治療をして、まずはお腹に管を入れて膿を外に出してから手術をすることになりました。
2人ともほうこうせいが決まり、一安心していたので、面会も穏やかに過ぎました。
管もじゅんちょうに入れられることができ、カズくんも明らかにお腹の痛みが減りました。
後は穿孔部を手術するだけ・・・
しかし、この後、ヒコちゃんにとんでもないことが起きます。
それは、外科に移って1週間が経った頃。
私がいつもの様にカズくんの面会に行くと、カズくんの病室にベッドがなくなっていました。
丁度透析の日でしたが、カズくんは一人で歩いていけます。
不思議に思っている私。
そこに病院から電話がかかってきました。
急いで電話に出ると、病棟の看護師さんからで。
「今すぐ病院に来れますか?」
と言うものでした。
私が病室いることを伝えると、すぐに看護師さんがやってきて、
「今すぐ医師からお話があります」
と、言ってきましたので、私は了解して、看護師さんの後ろをついていきました。
看護師さんの後をついて行って、ナースステーションの中に通された私は、医者の話を聞きます。
医者は主治医の外科医先生ではなく、呼吸器科の医師でした。
話の内容は、
「今、原因は分かりませんが、呼吸困難が起きていて、今すぐ人工呼吸器を挿入しないといけない状態」
だと説明をされました。
私は、とにかく一度カズくんに会わせて欲しいと懇願します。
医師は承諾して、私はカズくんのいるリカバリルームへと通されました。
そこにいたのは、ベッドのギャッチを90度にして、酸素マスクをしているカズくんでした。
カズくんは、顔色も爪の色も真っ青になっていました。
「カズくん?!」
私が声をかけると、カズくんはボーとした顔で私の方へ顔を向けました。
私はすぐさま近くまで行くと、
「カズくん、人工呼吸器つけることになったから、頑張るんだよ!」
と、言いました。
私が手を握ると、カズくんは、こくんと頷きます。
私は看護師さんに連れられてリカバリールームから出されました。そして、近くにあった椅子に座らされました。
それから、1時間ほど経った頃、看護師さんがやってきて、私に声をかけてきました。
「旦那さんに会えますが、どうされますか?」
私はすぐに『会います』と、返事をしました。
どうされたのは、先ほどのリカバリールームでした。
シュコー シュコー・・・
静かな部屋の中、人工呼吸器の作動している音だけが大きく聞こえてきます。
そして。
目線の先には、すでに人工呼吸器に繋がれ、モニターが装着されたカズくんの姿がありました。
「カズくん・・・」
ゆっくりと私は、ベッドに横たわるカズくんの横へと立ちました。
「機械をつけたので、今は眠ってもらっていますから、大丈夫ですよ」
一言、看護師さんはそう言いました。
それから、
「呼吸がおかしくなったのは、透析をしている最中からで。段々と呼吸困難になった様です。病室に戻ってきた時には、もう先ほどの状態でした。」
と、経緯を説明してくれました。
そして、
「席を外しますので、何かあったら呼んでください」
そう言うと、部屋から出て行きました。
私は、頭の中がぐちゃぐちゃで。
何が何度か分からない状況でしたが、とにかく、カズくんの腕を触りました。
温かい・・・
カズくんは、生きている。
そう思うと、ふと涙がこぼれました。
で、このまま絶食と、点滴治療をして、まずはお腹に管を入れて膿を外に出してから手術をすることになりました。
2人ともほうこうせいが決まり、一安心していたので、面会も穏やかに過ぎました。
管もじゅんちょうに入れられることができ、カズくんも明らかにお腹の痛みが減りました。
後は穿孔部を手術するだけ・・・
しかし、この後、ヒコちゃんにとんでもないことが起きます。
それは、外科に移って1週間が経った頃。
私がいつもの様にカズくんの面会に行くと、カズくんの病室にベッドがなくなっていました。
丁度透析の日でしたが、カズくんは一人で歩いていけます。
不思議に思っている私。
そこに病院から電話がかかってきました。
急いで電話に出ると、病棟の看護師さんからで。
「今すぐ病院に来れますか?」
と言うものでした。
私が病室いることを伝えると、すぐに看護師さんがやってきて、
「今すぐ医師からお話があります」
と、言ってきましたので、私は了解して、看護師さんの後ろをついていきました。
看護師さんの後をついて行って、ナースステーションの中に通された私は、医者の話を聞きます。
医者は主治医の外科医先生ではなく、呼吸器科の医師でした。
話の内容は、
「今、原因は分かりませんが、呼吸困難が起きていて、今すぐ人工呼吸器を挿入しないといけない状態」
だと説明をされました。
私は、とにかく一度カズくんに会わせて欲しいと懇願します。
医師は承諾して、私はカズくんのいるリカバリルームへと通されました。
そこにいたのは、ベッドのギャッチを90度にして、酸素マスクをしているカズくんでした。
カズくんは、顔色も爪の色も真っ青になっていました。
「カズくん?!」
私が声をかけると、カズくんはボーとした顔で私の方へ顔を向けました。
私はすぐさま近くまで行くと、
「カズくん、人工呼吸器つけることになったから、頑張るんだよ!」
と、言いました。
私が手を握ると、カズくんは、こくんと頷きます。
私は看護師さんに連れられてリカバリールームから出されました。そして、近くにあった椅子に座らされました。
それから、1時間ほど経った頃、看護師さんがやってきて、私に声をかけてきました。
「旦那さんに会えますが、どうされますか?」
私はすぐに『会います』と、返事をしました。
どうされたのは、先ほどのリカバリールームでした。
シュコー シュコー・・・
静かな部屋の中、人工呼吸器の作動している音だけが大きく聞こえてきます。
そして。
目線の先には、すでに人工呼吸器に繋がれ、モニターが装着されたカズくんの姿がありました。
「カズくん・・・」
ゆっくりと私は、ベッドに横たわるカズくんの横へと立ちました。
「機械をつけたので、今は眠ってもらっていますから、大丈夫ですよ」
一言、看護師さんはそう言いました。
それから、
「呼吸がおかしくなったのは、透析をしている最中からで。段々と呼吸困難になった様です。病室に戻ってきた時には、もう先ほどの状態でした。」
と、経緯を説明してくれました。
そして、
「席を外しますので、何かあったら呼んでください」
そう言うと、部屋から出て行きました。
私は、頭の中がぐちゃぐちゃで。
何が何度か分からない状況でしたが、とにかく、カズくんの腕を触りました。
温かい・・・
カズくんは、生きている。
そう思うと、ふと涙がこぼれました。
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