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23 夜会4
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(どうしよう、殿下とダンスなんて……足を踏んでしまわないようにしなければ!)
アルベルトに手を取られて広間の中央に向かいながら、エステルの頭の中からもはや他のことは吹き飛んでいた。
淑女教育の一環としてダンスもきちんとならったし、運動神経も悪い方ではないと思う。
だが、もう二年間というものエステルはダンスと全く無縁であった。
普段は使用人として忙しく働いていたし、社交界に出ても没落令嬢のエステルにダンスを申し込もうとする者などロクにいなかった。
嫌な感じの目をした中年男性から何度か声をかけられたことはあったのだが、どうしても気持ちが受け付けなくて必死に断っていたのだ。
よって、アンネリーと共に社交の場に行っても、エステルはひっそりと壁の花に徹していて、従姉妹が優雅に踊る様をうっとり眺めているだけだった。
動作は覚えているものの、実際に踊るのは久しぶりなだけに不安だ。
つい表情を強張らせてしまうと、アルベルトに緊張を気づかれたらしい。
「多少は失敗しても大丈夫だ。出来る限りのフォローはする」
そっと耳打ちをされた。
「っ! ありがとうございます」
アルベルトの言葉に、不思議な程に心が軽くなる。
彼は仕方がなくエステルを娶っただけで、愛など欠片もない。
そんな相手に甘えるのは良くないと思うが、気遣ってもらえた事実が嬉しい。
ちょうど曲が切り替わる時で、アルベルトはちょうどいい場所まで来ると足を止め、エステルの背に片手を回す。
ゆったりとしたワルツの音に合わせ、エステルは思い切ってステップを踏み始めた。
1・2・3・1・2・3……と、頭の中で数えながら身体を動かしていくうちに、段々と感覚が戻って来る。
それにアルベルトは本当に踊りが上手で、安心して身を任せることができたのも大きいだろう。
ホッと息を吐き、エステルは正面にいるアルベルトの顔を見上げた。
「踊りには自信が無かったのですが、殿下がお上手なおかげで助かりました」
正直に告げると、見る見るうちにアルベルトの頬が朱に染まる。
「踊りなど……これくらい当然の嗜みだ」
そう小声で囁き返した彼の声が少々上擦っていたように感じたのは、気のせいだろうか?
アルベルトは見事にリードしてくれ、エステルはクルクルと大広間の床を踏みしめて踊る。
片手をアルベルトと繋いで、彼と互いの身体に手を回して密着して踊るのはドキドキと緊張したが、それ以上に……。
――楽しい。
呪いは解けなかったのに、こんな事を思うのは不謹慎かもしれないが、思わず胸中でそう呟いてしまうほど、アルベルトとのダンスは楽しかった。
夜会で楽しく踊っていた、両親の生きていた頃の幸せを思い出すからかもしれない。
しかし、どれほど名残惜しくても楽しい時間はいつか終わる。
曲が最後の音色を奏でると同時にエステルも足を止め、アルベルトと身体を離してダンスの終わりのお辞儀をする。
決まり切った動作なのに、やけに寂しかった。
「殿下! どうか次の曲はわたくしと踊ってくださいませ!」
「いいえ、ぜひ私と!」
ダンスが終わり大広間の端に戻った途端、数人の令嬢がアルベルトに駆け寄ってきた。
その中には位の高い家柄の令嬢もいたし……アンネリーもいた。
アンネリーがエステルに向け、そっと目配せをしてくる。
恐らく、自分がアルベルトと踊れるようにとりなしてくれと頼んでいるのだろう。
(でも、うう……)
ギラギラした目でアルベルトに詰め寄っている令嬢達は、まるで飢えた猛獣の群れのようだ。
考えてみれば、アルベルトが夜会で踊っている姿など見たことがなかった。
王宮の夜会に出席している彼を何度か見たが、いつも卒の無い挨拶を皆にしているだけで、王太子が誰となら踊るかなど密かに賭けまでされていた始末だ。
それが運命の相手とはいえ、没落令嬢と蔑まれていたエステルなんかと踊ったから、余計に令嬢達の闘争心に火をつけてしまったのだろう。
あの中にヘタに突っ込んで行ったら食い殺されかねないと思う程に怖い。
戸惑っていると、アルベルトがコホンと咳ばらいをした。
「皆も承知の通り、本日は私と妻の結婚式だ」
そう言い、アルベルトがまたエステルの肩を抱き寄せた。
「陛下からも、今宵の宴は夫婦で楽しむようにと仰せつかっている。夫婦になって初めての夜会なのだから、申し訳ないが二人で堪能したい」
その言葉を聞いた途端、令嬢達の顔に憤怒と絶望の色が走る。
アンネリーもキッとエステルを睨みつけたが、言い訳をする間もなくアルベルトに手を引かれて踊りの場に戻ってしまう。
「で、殿下……」
「私とずっと踊るなど気が進まないだろうが、先ほども言っただろう。仲良く見えるよう協力して欲しいと」
ムスッとした口調で囁かれ、エステルは慌てて首を横に振った。
「いえ……気が進まないということはないです」
「無理をしなくてもいい」
ステップを踏みながら、微かにブスッとした表情で言われると、拗ねた子猫の姿が脳裏に浮かんで危うく噴き出しそうになった。
「本当です。殿下は踊りが上手ですし、このように楽しく踊ったのは両親が生きていた頃以来なので、何だか夢のようで……」
「そうか」
アルベルトは短く答え、エステルをクルリと回す。
「ならば、今夜は遠慮なく付き合ってもらう」
「はい」
一瞬、アンネリーに申し訳ないと思ったものの、アルベルトが望んでいるのだからと自分の心に言い訳をする。
(私、とても我が侭だわ……)
アルベルトと踊りたい令嬢は大勢いるというのに。
彼には彼の考えがあるのだし、その為にエステルを利用して踊っているだけなのだという言葉を都合よくとらえ、この状況を楽しんでいる。
自己嫌悪で複雑な気分になりながら、エステルは夜会の最後までアルベルトと踊り続けた。
アルベルトに手を取られて広間の中央に向かいながら、エステルの頭の中からもはや他のことは吹き飛んでいた。
淑女教育の一環としてダンスもきちんとならったし、運動神経も悪い方ではないと思う。
だが、もう二年間というものエステルはダンスと全く無縁であった。
普段は使用人として忙しく働いていたし、社交界に出ても没落令嬢のエステルにダンスを申し込もうとする者などロクにいなかった。
嫌な感じの目をした中年男性から何度か声をかけられたことはあったのだが、どうしても気持ちが受け付けなくて必死に断っていたのだ。
よって、アンネリーと共に社交の場に行っても、エステルはひっそりと壁の花に徹していて、従姉妹が優雅に踊る様をうっとり眺めているだけだった。
動作は覚えているものの、実際に踊るのは久しぶりなだけに不安だ。
つい表情を強張らせてしまうと、アルベルトに緊張を気づかれたらしい。
「多少は失敗しても大丈夫だ。出来る限りのフォローはする」
そっと耳打ちをされた。
「っ! ありがとうございます」
アルベルトの言葉に、不思議な程に心が軽くなる。
彼は仕方がなくエステルを娶っただけで、愛など欠片もない。
そんな相手に甘えるのは良くないと思うが、気遣ってもらえた事実が嬉しい。
ちょうど曲が切り替わる時で、アルベルトはちょうどいい場所まで来ると足を止め、エステルの背に片手を回す。
ゆったりとしたワルツの音に合わせ、エステルは思い切ってステップを踏み始めた。
1・2・3・1・2・3……と、頭の中で数えながら身体を動かしていくうちに、段々と感覚が戻って来る。
それにアルベルトは本当に踊りが上手で、安心して身を任せることができたのも大きいだろう。
ホッと息を吐き、エステルは正面にいるアルベルトの顔を見上げた。
「踊りには自信が無かったのですが、殿下がお上手なおかげで助かりました」
正直に告げると、見る見るうちにアルベルトの頬が朱に染まる。
「踊りなど……これくらい当然の嗜みだ」
そう小声で囁き返した彼の声が少々上擦っていたように感じたのは、気のせいだろうか?
アルベルトは見事にリードしてくれ、エステルはクルクルと大広間の床を踏みしめて踊る。
片手をアルベルトと繋いで、彼と互いの身体に手を回して密着して踊るのはドキドキと緊張したが、それ以上に……。
――楽しい。
呪いは解けなかったのに、こんな事を思うのは不謹慎かもしれないが、思わず胸中でそう呟いてしまうほど、アルベルトとのダンスは楽しかった。
夜会で楽しく踊っていた、両親の生きていた頃の幸せを思い出すからかもしれない。
しかし、どれほど名残惜しくても楽しい時間はいつか終わる。
曲が最後の音色を奏でると同時にエステルも足を止め、アルベルトと身体を離してダンスの終わりのお辞儀をする。
決まり切った動作なのに、やけに寂しかった。
「殿下! どうか次の曲はわたくしと踊ってくださいませ!」
「いいえ、ぜひ私と!」
ダンスが終わり大広間の端に戻った途端、数人の令嬢がアルベルトに駆け寄ってきた。
その中には位の高い家柄の令嬢もいたし……アンネリーもいた。
アンネリーがエステルに向け、そっと目配せをしてくる。
恐らく、自分がアルベルトと踊れるようにとりなしてくれと頼んでいるのだろう。
(でも、うう……)
ギラギラした目でアルベルトに詰め寄っている令嬢達は、まるで飢えた猛獣の群れのようだ。
考えてみれば、アルベルトが夜会で踊っている姿など見たことがなかった。
王宮の夜会に出席している彼を何度か見たが、いつも卒の無い挨拶を皆にしているだけで、王太子が誰となら踊るかなど密かに賭けまでされていた始末だ。
それが運命の相手とはいえ、没落令嬢と蔑まれていたエステルなんかと踊ったから、余計に令嬢達の闘争心に火をつけてしまったのだろう。
あの中にヘタに突っ込んで行ったら食い殺されかねないと思う程に怖い。
戸惑っていると、アルベルトがコホンと咳ばらいをした。
「皆も承知の通り、本日は私と妻の結婚式だ」
そう言い、アルベルトがまたエステルの肩を抱き寄せた。
「陛下からも、今宵の宴は夫婦で楽しむようにと仰せつかっている。夫婦になって初めての夜会なのだから、申し訳ないが二人で堪能したい」
その言葉を聞いた途端、令嬢達の顔に憤怒と絶望の色が走る。
アンネリーもキッとエステルを睨みつけたが、言い訳をする間もなくアルベルトに手を引かれて踊りの場に戻ってしまう。
「で、殿下……」
「私とずっと踊るなど気が進まないだろうが、先ほども言っただろう。仲良く見えるよう協力して欲しいと」
ムスッとした口調で囁かれ、エステルは慌てて首を横に振った。
「いえ……気が進まないということはないです」
「無理をしなくてもいい」
ステップを踏みながら、微かにブスッとした表情で言われると、拗ねた子猫の姿が脳裏に浮かんで危うく噴き出しそうになった。
「本当です。殿下は踊りが上手ですし、このように楽しく踊ったのは両親が生きていた頃以来なので、何だか夢のようで……」
「そうか」
アルベルトは短く答え、エステルをクルリと回す。
「ならば、今夜は遠慮なく付き合ってもらう」
「はい」
一瞬、アンネリーに申し訳ないと思ったものの、アルベルトが望んでいるのだからと自分の心に言い訳をする。
(私、とても我が侭だわ……)
アルベルトと踊りたい令嬢は大勢いるというのに。
彼には彼の考えがあるのだし、その為にエステルを利用して踊っているだけなのだという言葉を都合よくとらえ、この状況を楽しんでいる。
自己嫌悪で複雑な気分になりながら、エステルは夜会の最後までアルベルトと踊り続けた。
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