26 / 42
24「そして、ついに」
しおりを挟む
💭 🔁 ❤×?324
【陽キャリーダー】蹴鞠「ど、どうしたんだい物部くん!?」
【紅一点】州都「どうせいつものだろ、放っておこうぜ」
【映えの権化】蝿塚「なになに、映える!?」
【エロ垢】江口「……キモ」
急にクラスの注目を集めてしまい、僕は戸惑う。
【陽キャリーダー】蹴鞠「もしかして、何か思い付いた?」
「う、うん。もしかしたらやけど、時間の減り方の法則性を見つけたかも知れんくて」
【陽キャリーダー】蹴鞠「それは! 是非、聞かせてくれないかい?」
天晴さんの凋落によって、今や名実ともにクラスの中心人物となった爽やかイケメン陽キャリーダーから推挙されてしまい、僕は多少舞い上がりながら、たった今見つけたアイデアを披露する。
【紅一点】州都「……何そのこじ付け」
【陽キャリーダー】蹴鞠「いや、でも現実とぴったり合っているじゃないか! この法則に当てはめると、次に1分減る時刻は――」
12時45分から(14 - 5)時間後だから、21時45分。
【陽キャリーダー】蹴鞠「決まりだな。今日の21時半に、エントランスに集合だ」
💭 🔁 ❤×?325
夕食は豪勢だった、と思う。けど、あまり味がしなかったというか、何を食べたのかほとんど覚えていない。
大浴場はまぁ、気持ち良かった。
他クラスの男子たちが自分の……のサイズ比べをやっていて、馬鹿じゃないかと思った。馬子が生きてたら、一緒になって騒いでたかもしれない。
あと、こんな事態になっていなければ、【801】八坂さんあたりが嬉々として同人のテーマにしていたかも。
……ほんの1週間前までは、平和だった。
星狩さんに対するイジメはあったとは言え、それでもまだ、平和だったんだ。
それが……的場くんが死に、相曽さんが死に、出目さんが死に、馬肉さんが死んだ。
馬子? あれは自業自得だ。けど、他の4人は『呪い』によって殺されたんだろう、と思う。
出目さんと馬肉さんについては飛び降り自殺という手段が用いられたけど、1分間動画はUPされたし。そして逆に、いいねがまだ残っている状態で死んだ馬子については、1分間動画がUPされなかった。
4人の死は、僕と星狩さんの所為、という事になるのだろうか? 頼々子さんは、まだ来てくれないのだろうか……。
だ、大丈夫だ。警視庁刑事部捜査4課は、たくさんの『プロ』を擁しているって話だ。きっと、この『呪い』も祓ってくれるはず。だから大丈夫。大丈夫だ。
💭 🔁 ❤×?325
……そうして、21時40分になった。
旅館のエントランスは2年4組に占拠され、ガヤガヤと騒がしい。
【担任】古井戸先生がキレてたけど、種田の恫喝と蹴鞠くんの説得に圧され、しぶしぶ出て行った。
あの先生は、未だにこの『呪い』の事を信じていないらしい。あの先生が防壁になって、学校にちゃんとした情報が伝わっていないのかな?
元々、古井戸先生はホームルームや授業以外では生徒に一切関わろうとしない人だった。きっと生徒に興味が無いんだろう。
この騒動も、相次ぐ死亡に関しても、『頭のおかしな子供たちが意味不明に騒いでて、迷惑だ』くらいにしか考えていないのかもしれない。
――と、益体の無い事を考えているうちに、21時45分になった。
【セミプロダンサー】舞姫「あぁぁ……本当に『54分』になってる!!」
すかさず僕も、Twittooを確認する。
……本当だ。『favo_min』のアカウント名とヘッダ画像が、『いいね❤ × 54分 = 余命』になっている!
【紅一点】州都「なぁなぁ、じゃあ次に『53分』に変わるのはいつだ!?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「ええと――」21時45分から(9 – 6)時間後の、「0時45分だな」
【紅一点】州都「ええと、今までマイナス1、2、3、4、5、6と来たから、次は3 - 7になるわけだよな? マイナスになったら、どうなっちまうんだ?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「それは……どうなるんだろうね」
【紅一点】州都「もしかして、一気に『1分』にまで減っちまったりするのかな? オレ、いいねに余裕ねぇんだけど……」
州都さんの言葉に、クラスは騒然となる。特に『インスタ女子組』が泣き始めた。
【陽キャリーダー】蹴鞠「いや、いや、いや」なだめる様に大きな声を出す。「案外、反転して『54分』に戻ったりするかもしれないし」
【クラス委員長】長々「いずれにしても、相互いいね体制は維持だ。0時半に再びここに集まるとして、今は解散!」
長々くんの号令で、クラスは三々五々と散っていった。
💭 🔁 ❤×?325
相部屋の連中がずっとダベっていたから、ほとんど眠れなかった。
そうして僕らは再びエントランスに集まり、もうすぐ0時45分。
【セミプロダンサー】舞姫「じゅーご、じゅーよん――」スマホを覗き込みながらカウントダウンを始める。
女子数名が同調する。
「「「じゅーう、きゅーう、はーち、なーな――」」」
何て滑稽な光景だろう。自分たちの余命を、自らカウントダウンするだなんて。
きっとみんな、心の奥底では信じていないんだ。自分だけは死なないと思っているんだろう。
「「「さーん、にーい、いーち、ゼロ~!」」」
【紅一点】州都「あぁ……くそ。やっぱり減ってる」
【セミプロダンサー】舞姫「え? 次って『52分』だっけ?」
【映えの権化】蝿塚「『51分』って書いてるんだけど?」
【猫可愛がり】猫目「え? え? え? 私の画面には『50分』って書いてある! どういうこと!? 人によって違うの!?」
猛烈に嫌な予感がして、僕は『favo_min』アカウントの画面を何度も更新してみる。
あぁ、あぁぁぁ……何て事だろう、何て事だろう!
画面を更新する度に、『いいね❤ × 47分 = 余命』、『46分』、『45分』、『44分』、『43分』……と減っていっている!
【陽キャリーダー】蹴鞠「ど、どうしたんだい物部くん!?」
【紅一点】州都「どうせいつものだろ、放っておこうぜ」
【映えの権化】蝿塚「なになに、映える!?」
【エロ垢】江口「……キモ」
急にクラスの注目を集めてしまい、僕は戸惑う。
【陽キャリーダー】蹴鞠「もしかして、何か思い付いた?」
「う、うん。もしかしたらやけど、時間の減り方の法則性を見つけたかも知れんくて」
【陽キャリーダー】蹴鞠「それは! 是非、聞かせてくれないかい?」
天晴さんの凋落によって、今や名実ともにクラスの中心人物となった爽やかイケメン陽キャリーダーから推挙されてしまい、僕は多少舞い上がりながら、たった今見つけたアイデアを披露する。
【紅一点】州都「……何そのこじ付け」
【陽キャリーダー】蹴鞠「いや、でも現実とぴったり合っているじゃないか! この法則に当てはめると、次に1分減る時刻は――」
12時45分から(14 - 5)時間後だから、21時45分。
【陽キャリーダー】蹴鞠「決まりだな。今日の21時半に、エントランスに集合だ」
💭 🔁 ❤×?325
夕食は豪勢だった、と思う。けど、あまり味がしなかったというか、何を食べたのかほとんど覚えていない。
大浴場はまぁ、気持ち良かった。
他クラスの男子たちが自分の……のサイズ比べをやっていて、馬鹿じゃないかと思った。馬子が生きてたら、一緒になって騒いでたかもしれない。
あと、こんな事態になっていなければ、【801】八坂さんあたりが嬉々として同人のテーマにしていたかも。
……ほんの1週間前までは、平和だった。
星狩さんに対するイジメはあったとは言え、それでもまだ、平和だったんだ。
それが……的場くんが死に、相曽さんが死に、出目さんが死に、馬肉さんが死んだ。
馬子? あれは自業自得だ。けど、他の4人は『呪い』によって殺されたんだろう、と思う。
出目さんと馬肉さんについては飛び降り自殺という手段が用いられたけど、1分間動画はUPされたし。そして逆に、いいねがまだ残っている状態で死んだ馬子については、1分間動画がUPされなかった。
4人の死は、僕と星狩さんの所為、という事になるのだろうか? 頼々子さんは、まだ来てくれないのだろうか……。
だ、大丈夫だ。警視庁刑事部捜査4課は、たくさんの『プロ』を擁しているって話だ。きっと、この『呪い』も祓ってくれるはず。だから大丈夫。大丈夫だ。
💭 🔁 ❤×?325
……そうして、21時40分になった。
旅館のエントランスは2年4組に占拠され、ガヤガヤと騒がしい。
【担任】古井戸先生がキレてたけど、種田の恫喝と蹴鞠くんの説得に圧され、しぶしぶ出て行った。
あの先生は、未だにこの『呪い』の事を信じていないらしい。あの先生が防壁になって、学校にちゃんとした情報が伝わっていないのかな?
元々、古井戸先生はホームルームや授業以外では生徒に一切関わろうとしない人だった。きっと生徒に興味が無いんだろう。
この騒動も、相次ぐ死亡に関しても、『頭のおかしな子供たちが意味不明に騒いでて、迷惑だ』くらいにしか考えていないのかもしれない。
――と、益体の無い事を考えているうちに、21時45分になった。
【セミプロダンサー】舞姫「あぁぁ……本当に『54分』になってる!!」
すかさず僕も、Twittooを確認する。
……本当だ。『favo_min』のアカウント名とヘッダ画像が、『いいね❤ × 54分 = 余命』になっている!
【紅一点】州都「なぁなぁ、じゃあ次に『53分』に変わるのはいつだ!?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「ええと――」21時45分から(9 – 6)時間後の、「0時45分だな」
【紅一点】州都「ええと、今までマイナス1、2、3、4、5、6と来たから、次は3 - 7になるわけだよな? マイナスになったら、どうなっちまうんだ?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「それは……どうなるんだろうね」
【紅一点】州都「もしかして、一気に『1分』にまで減っちまったりするのかな? オレ、いいねに余裕ねぇんだけど……」
州都さんの言葉に、クラスは騒然となる。特に『インスタ女子組』が泣き始めた。
【陽キャリーダー】蹴鞠「いや、いや、いや」なだめる様に大きな声を出す。「案外、反転して『54分』に戻ったりするかもしれないし」
【クラス委員長】長々「いずれにしても、相互いいね体制は維持だ。0時半に再びここに集まるとして、今は解散!」
長々くんの号令で、クラスは三々五々と散っていった。
💭 🔁 ❤×?325
相部屋の連中がずっとダベっていたから、ほとんど眠れなかった。
そうして僕らは再びエントランスに集まり、もうすぐ0時45分。
【セミプロダンサー】舞姫「じゅーご、じゅーよん――」スマホを覗き込みながらカウントダウンを始める。
女子数名が同調する。
「「「じゅーう、きゅーう、はーち、なーな――」」」
何て滑稽な光景だろう。自分たちの余命を、自らカウントダウンするだなんて。
きっとみんな、心の奥底では信じていないんだ。自分だけは死なないと思っているんだろう。
「「「さーん、にーい、いーち、ゼロ~!」」」
【紅一点】州都「あぁ……くそ。やっぱり減ってる」
【セミプロダンサー】舞姫「え? 次って『52分』だっけ?」
【映えの権化】蝿塚「『51分』って書いてるんだけど?」
【猫可愛がり】猫目「え? え? え? 私の画面には『50分』って書いてある! どういうこと!? 人によって違うの!?」
猛烈に嫌な予感がして、僕は『favo_min』アカウントの画面を何度も更新してみる。
あぁ、あぁぁぁ……何て事だろう、何て事だろう!
画面を更新する度に、『いいね❤ × 47分 = 余命』、『46分』、『45分』、『44分』、『43分』……と減っていっている!
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
三条美玲の炎上
中岡 始
現代文学
SNSで100万人以上のフォロワーを持つ美しきインフルエンサー・三条美玲が、「青海の宿」という洗練された温泉リゾートを訪れます。そこで出会ったのは、誠実で冷静なフロントスタッフ・佐々木隼人。完璧なホスピタリティと端正な容姿に魅了された美玲は、隼人との「特別な関係」を妄想し始め、やがてSNSで彼との関係を匂わせた投稿を繰り返すようになります。
一方で、青海の宿では美玲の要望が次第にエスカレートしていく中、プロフェッショナリズムを重んじる総支配人・松永やマーケティングディレクター・田村綾子が慎重に対応を進めます。しかし、ついに美玲が不満をSNSでぶつけたことで、事態は炎上騒動へと発展し、美玲の影響力が予想外の形で試されることに。
彼女のフォロワーたちが彼女を支持するのか、それとも…。ホテル側が守り抜こうとする「真のホスピタリティ」とは何か。そして、果たして美玲はこの騒動から何を学ぶのか?ホテルとインフルエンサーの複雑な駆け引きと成長を描く物語が、いよいよ幕を開けます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
眼ノ球
*花*
ホラー
“『目』は口ほどにものを言う”――
とある会社で働く会社員、柏木晋太。
彼は極度の不幸体質で、そんな自分のことが死ぬほど大嫌い。
「俺がいなくても――……」
ある日、そう考えていた彼は、最近不思議な夢を見るようになる。
彼が目を覚ますと、そこには、謎の目玉の生き物がいて――
彼が謎の生き物と会った時、夢が現実となり返ってくる。
彼が見た社会の現実とは――
そして彼はこの社会でどのように生きていくのか――
今、人々の心の『闇』が剥き出しになる。
叫ぶ家と憂鬱な殺人鬼(旧Ver
Tempp
ホラー
大学1年の春休み、公理智樹から『呪いの家に付き合ってほしい』というLIMEを受け取る。公理智樹は強引だ。下手に断ると無理やり呪いの家に放りこまれるかもしれない。それを避ける妥協策として、家の前まで見に行くという約束をした。それが運の悪い俺の運の尽き。
案の定俺は家に呪われ、家にかけられた呪いを解かなければならなくなる。
●概要●
これは呪いの家から脱出するために、都合4つの事件の過去を渡るホラーミステリーです。認識差異をベースにした構成なので多分に概念的なものを含みます。
文意不明のところがあれば修正しますので、ぜひ教えてください。
●改稿中
見出しにサブ見出しがついたものは公開後に改稿をしたものです。
2日で1〜3話程度更新。
もともと32万字完結を22万字くらいに減らしたい予定。
R15はGの方です。人が死ぬので。エロ要素は基本的にありません。
定期的にホラーカテゴリとミステリカテゴリを行ったり来たりしてみようかと思ったけど、エントリの時点で固定されたみたい。
滅霊の空を想う
ゆずぽん
ホラー
天鬼家、それは悪霊を消す為だけに存在する滅霊士の一族。
主人公の真田輝と幼馴染みの天鬼空は、親友、山仲亮の死を境に天鬼の過酷な運命に飲み込まれていく。
想い合う二人が様々な困難を乗り越えて成長していくホラーラブコメ。
個性豊かな登場人物達に翻弄される主人公達は果たして結ばれることが出来るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる