魔法使いに奪われたい~夫が心を入れ替えてももう遅い。侯爵夫人は奪われて幸せになります~

ユフィリアは政略結婚した夫との冷え切った関係に悩んでいた。
一年の夫婦の務めを果たらず、お化粧をしても気付いてもらえない。
義母に虐められても「お前が悪いんだろう」の一点張り。
パーティーではエスコートされず、社交界で笑い物にされる日々。

「私、なんで生きてるんだろう」

実家の両親の顔を立てるため離婚も出来ない。
思いつめたユフィリアは買い物の最中に偶然、一人の男と出会う。
ルガール・ガンタール。
彼は世間で『狼閣下』と恐れられている冷酷な侯爵様だった。
ユフィリアの境遇に同情した侯爵様は言った。

「俺が奪ってやりましょうか」
「え……」

当初こそルガールを拒絶したユフィリアだが、他の男性と仲良くしたら夫が振り向いてくれるかもしれないと思い、デートをすることに。

「もっと早く出会っていたら、君に寂しい思いはさせなかったのに」

ルガールはユフィリアの健気な優しさと寂し気な瞳に惹かれ、ユフィリアまた夫にはない頼もしさと男らしさを感じて二人は惹かれ合う。ある日とうとう一夜を共に過ごしてしまいユフィリアは苦悩していたが、夫が後輩騎士と歩いているのを見たことで関係の終わりを悟る。

「あなた……私たち、離婚しましょう」
「待て。待ってくれ……俺が悪かった」
「さようなら」

ゴミ夫が心を入れ替えても、もう遅い。
あの手この手でユフィリアを取り戻そうとしても無駄だった。

「迎えに来ましたよ、ユフィリア」

傾いた心は、もう戻らない。
24h.ポイント 49pt
672
小説 15,240 位 / 192,240件 恋愛 7,032 位 / 57,284件

あなたにおすすめの小説

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
古代魔法を専門とする魔法研究者のアンヌッカは、家族と研究所を守るために軍人のライオネルと結婚をする。 ライオネルもまた昇進のために結婚をしなければならず、国王からの命令ということもあり結婚を渋々と引き受ける。 しかし、愛のない結婚をした二人は結婚式当日すら顔を合わせることなく、そのまま離れて暮らすこととなった。 ある日、アンヌッカの父が所長を務める魔法研究所に軍から古代文字で書かれた魔導書の解読依頼が届く。 それは禁帯本で持ち出し不可のため、軍施設に研究者を派遣してほしいという依頼だ。 この依頼に対応できるのは研究所のなかでもアンヌッカしかいない。 しかし軍人の妻が軍に派遣されて働くというのは体裁が悪いし何よりも会ったことのない夫が反対するかもしれない。 そう思ったアンヌッカたちは、アンヌッカを親戚の娘のカタリーナとして軍に送り込んだ――。 素性を隠したまま働く妻に、知らぬ間に惹かれていく(恋愛にはぽんこつ)夫とのラブコメディ。

妹を溺愛したい旦那様は婚約者の私に出ていってほしそうなので、本当に出ていってあげます

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族令嬢であったアリアに幸せにすると声をかけ、婚約関係を結んだグレゴリー第一王子。しかしその後、グレゴリーはアリアの妹との関係を深めていく…。ある日、彼はアリアに出ていってほしいと独り言をつぶやいてしまう。それを耳にしたアリアは、その言葉の通りに家出することを決意するのだった…。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。

白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?  *6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」 *外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……

藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」 大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが…… ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。 「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」 エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。 エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話) 全44話で完結になります。

心から愛しているあなたから別れを告げられるのは悲しいですが、それどころではない事情がありまして。

ふまさ
恋愛
「……ごめん。ぼくは、きみではない人を愛してしまったんだ」  幼馴染みであり、婚約者でもあるミッチェルにそう告げられたエノーラは「はい」と返答した。その声色からは、悲しみとか、驚きとか、そういったものは一切感じられなかった。  ──どころか。 「ミッチェルが愛する方と結婚できるよう、おじさまとお父様に、わたしからもお願いしてみます」  決意を宿した双眸で、エノーラはそう言った。  この作品は、小説家になろう様でも掲載しています。