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本編
本来の姿でゴロンゴロンしたいんだよ
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山の頂上が完全に白くなりました。
もう春まで土の色が見える事はないでしょう。
そんな季節に村でも積もった雪が解けきらずに残る様になりました。
「にゅ~。にゅ~」
雪は楽しいけれどただただ寒いだけのこの時期は、三巳も丸めた尻尾に体を埋めてフラストレーションを溜めています。
ここまで来ると山に入っても実りが少なく。三巳が好きに採ると動物やモンスターの分が無くなってしまうので遠慮しているのです。
「体が鈍るんだよ……」
三巳は口元に来ている尻尾の毛先をガジガジ噛みながら眉根を寄せました。
そこへ母獣がのっしのっしとやって来ます。
『そんなに暇なら荒野にでも散歩に行けば良かろう』
母獣が前脚の肉球で三巳を踏むと、三巳から「ぷきゅ」と声が漏れました。その声が赤ちゃんの頃の三巳と同じで思わず目元が和みます。
『クロ。クロよ。聞いたか今の鳴き声』
「聞こえたよ愛しい人。可愛らしい鳴き声だねぇ」
『うむ。赤子の頃は良くかような声で鳴きおったものよ』
「そうなのかい?それはとても可愛かったろうねぇ」
『うむ。何度クロに見せたいと思った事か』
「ふふふ、ありがとう愛しい人」
突如始まった親バカな会話。と見せかけたイチャイチャに、肉球布団に踏まれている三巳の目が据わります。
何とか肉球から逃れようともがきますが母獣の方が力が強いので出られません。
「母ちゃん!散歩行く!散歩行くから!」
下からペシペシ母獣の前脚を叩くと漸く気付いてくれました。
『おおそうか。ならば三巳よ行くが良い』
まるで何処かの王様が勇者を送り出すかの様な態度で前脚を退かす母獣です。
三巳は緩んだ隙にそそくさと抜け出すと、サッと距離をとって敬礼をしました。
「いってきますなんだよっ」
「いってらっしゃい。暗くなる前に帰っておいで」
「うにゅ!」
手を振るクロに手を振り返してター!っと一足飛びに村を飛び出しました。向かう先は決めていません。でも荒野なら何も気にせずゴロンゴロン出来そうだと思いました。
三巳は一路荒野を目指して駆けて行きます。
山を抜けた所で本体に戻り更に速度を速めます。急に大きな狼が現れてビックリした人の声が聞こえた気がしますが、その時にはもう遠くに離れていたので聞こえなかった事にしました。
チラリとだけ後ろを向いた三巳は問題なさそうだと判断して更に速度を上げていきます。
因みにビックリした人は確かにいました。けれどもコソコソとしている人相の悪い人達でした。悪い顔の人達は神気を放つ大きな狼の鬼気迫る動きに恐怖して腰を抜かしています。本当はゴロンゴロンしに行っただけなのですが人の目にはそれがわかりません。結果的に悪い顔をした人達は足早にその地を去るのでした。
さてはて本人の預かり知らぬ所で山の平和を保っていた三巳はあっという間に荒野に着いていました。
『にゅ。お水飲みたいな』
荒野の真ん中でお座りをした三巳は鼻をヒスヒスさせて辺りを見渡します。
しかし荒野というからには荒れた大地が広がっています。川も泉も見当たらないし音も匂いもしません。
三巳は哀しみに鼻に皺を作りました。
『にゅぅー……』
飲めないと思うと余計に飲みたくなります。
三巳はやるせない思いを体で表現しました。
即ち大きな体いっぱいに使ってグズったのです。
急にゴロンと横になったかと思えば前脚でバシバシ大地を叩いたり、「ゔゔ~っ」と唸ったかと思えばパッと立ち上がりその場でクルクル回って「うぉん!」と吠えたりしたのです。
とはいえ何をしても無いものは無いのです。
ひとしきり暴れた三巳は諦めました。
当初の予定通りゴロンゴロンしようと仰向けに寝転がります。お腹のふわふわお毛々がそよ風に揺られてその柔らかさを伝えてくれます。
『にゃー……思う存分体を伸ばせるの気持ち良ー……』
久し振りに全力で動いたのでコリ固まった体が解れた気がします。
三巳はそのままの姿勢で尻尾だけをふわり、さわりと揺らしていました。
『うーにゅ』
三巳は唸りながら右にゴロンと寝返りを打ちます。
『にゅーむ』
今度は左にゴロンと寝返りを打ちます。
『うにゅ。やっぱしそーだよな』
何かに納得した三巳はゆっくりと立ち上がりました。
そして鼻先を大地に付けてヒスヒスと匂いを嗅ぎます。
嗅いだままチョロチョロと動き、元いた場所から少し離れた所でピタリと止まります。
『ここなら良さそうなんだよ』
言うなり三巳は片前脚でトンと大地を叩きました。
するとどうした事でしょう。小さな振動が大地を震わせ始めます。そしてそれは少しづつ大きくなりました。
三巳までも揺れて見える頃になると、三巳は叩いた大地を掘り始めます。『ここ掘れワンワン♪』と鼻歌を歌いながら掘っていきます。
ある程度お椀型に掘れたら満足してその場にお座りをして出来た穴を見つめます。尻尾を振って鼻歌混じりにジッと見つめます。
見つめていると穴の底に亀裂が入ったと思う次の瞬間、ドッッ!!!と轟音を上げて水が噴き上がりました。
噴き上がった水は四方八方に飛んで行き綺麗な虹を幾重にも作り出しています。
『水ー♪』
尻尾を大きく振った三巳は一足飛びに穴の中へと入って行き、ゴクゴクと吹き出した水を飲んだのでした。
そうです。三巳はゴロンゴロンしている時に地下の水脈を聞き当てたのです。
水を飲みたい気持ちを忘れていなかった三巳は一番地上に近い場所を探し、神力を打ち込み上へ引き上げたという訳です。
『にゅはー♪にゃはー♪ちめたーい♪』
冬も初めだというのに毛皮いっぱいに水を浴びてご満悦です。
けれども冷たいのは冷たいので次第に体に震えが出てきました。
『にゅ……さーむーいー』
大きな体でピルピル震える三巳です。
しかも穴は噴き出た水で泉になっています。
濡れてペションとなった毛皮がその寒さを如実に語り出しています。
そこで三巳は考えました。
『お風呂にしちゃえ』
という事で魔法であっという間に泉を沸かせた三巳は、心ゆく迄荒野の露天風呂をゴロンゴロンしながら堪能するのでした。
『にゃふー……。いーい湯ーだなー♪にゅふふん♪』
もう春まで土の色が見える事はないでしょう。
そんな季節に村でも積もった雪が解けきらずに残る様になりました。
「にゅ~。にゅ~」
雪は楽しいけれどただただ寒いだけのこの時期は、三巳も丸めた尻尾に体を埋めてフラストレーションを溜めています。
ここまで来ると山に入っても実りが少なく。三巳が好きに採ると動物やモンスターの分が無くなってしまうので遠慮しているのです。
「体が鈍るんだよ……」
三巳は口元に来ている尻尾の毛先をガジガジ噛みながら眉根を寄せました。
そこへ母獣がのっしのっしとやって来ます。
『そんなに暇なら荒野にでも散歩に行けば良かろう』
母獣が前脚の肉球で三巳を踏むと、三巳から「ぷきゅ」と声が漏れました。その声が赤ちゃんの頃の三巳と同じで思わず目元が和みます。
『クロ。クロよ。聞いたか今の鳴き声』
「聞こえたよ愛しい人。可愛らしい鳴き声だねぇ」
『うむ。赤子の頃は良くかような声で鳴きおったものよ』
「そうなのかい?それはとても可愛かったろうねぇ」
『うむ。何度クロに見せたいと思った事か』
「ふふふ、ありがとう愛しい人」
突如始まった親バカな会話。と見せかけたイチャイチャに、肉球布団に踏まれている三巳の目が据わります。
何とか肉球から逃れようともがきますが母獣の方が力が強いので出られません。
「母ちゃん!散歩行く!散歩行くから!」
下からペシペシ母獣の前脚を叩くと漸く気付いてくれました。
『おおそうか。ならば三巳よ行くが良い』
まるで何処かの王様が勇者を送り出すかの様な態度で前脚を退かす母獣です。
三巳は緩んだ隙にそそくさと抜け出すと、サッと距離をとって敬礼をしました。
「いってきますなんだよっ」
「いってらっしゃい。暗くなる前に帰っておいで」
「うにゅ!」
手を振るクロに手を振り返してター!っと一足飛びに村を飛び出しました。向かう先は決めていません。でも荒野なら何も気にせずゴロンゴロン出来そうだと思いました。
三巳は一路荒野を目指して駆けて行きます。
山を抜けた所で本体に戻り更に速度を速めます。急に大きな狼が現れてビックリした人の声が聞こえた気がしますが、その時にはもう遠くに離れていたので聞こえなかった事にしました。
チラリとだけ後ろを向いた三巳は問題なさそうだと判断して更に速度を上げていきます。
因みにビックリした人は確かにいました。けれどもコソコソとしている人相の悪い人達でした。悪い顔の人達は神気を放つ大きな狼の鬼気迫る動きに恐怖して腰を抜かしています。本当はゴロンゴロンしに行っただけなのですが人の目にはそれがわかりません。結果的に悪い顔をした人達は足早にその地を去るのでした。
さてはて本人の預かり知らぬ所で山の平和を保っていた三巳はあっという間に荒野に着いていました。
『にゅ。お水飲みたいな』
荒野の真ん中でお座りをした三巳は鼻をヒスヒスさせて辺りを見渡します。
しかし荒野というからには荒れた大地が広がっています。川も泉も見当たらないし音も匂いもしません。
三巳は哀しみに鼻に皺を作りました。
『にゅぅー……』
飲めないと思うと余計に飲みたくなります。
三巳はやるせない思いを体で表現しました。
即ち大きな体いっぱいに使ってグズったのです。
急にゴロンと横になったかと思えば前脚でバシバシ大地を叩いたり、「ゔゔ~っ」と唸ったかと思えばパッと立ち上がりその場でクルクル回って「うぉん!」と吠えたりしたのです。
とはいえ何をしても無いものは無いのです。
ひとしきり暴れた三巳は諦めました。
当初の予定通りゴロンゴロンしようと仰向けに寝転がります。お腹のふわふわお毛々がそよ風に揺られてその柔らかさを伝えてくれます。
『にゃー……思う存分体を伸ばせるの気持ち良ー……』
久し振りに全力で動いたのでコリ固まった体が解れた気がします。
三巳はそのままの姿勢で尻尾だけをふわり、さわりと揺らしていました。
『うーにゅ』
三巳は唸りながら右にゴロンと寝返りを打ちます。
『にゅーむ』
今度は左にゴロンと寝返りを打ちます。
『うにゅ。やっぱしそーだよな』
何かに納得した三巳はゆっくりと立ち上がりました。
そして鼻先を大地に付けてヒスヒスと匂いを嗅ぎます。
嗅いだままチョロチョロと動き、元いた場所から少し離れた所でピタリと止まります。
『ここなら良さそうなんだよ』
言うなり三巳は片前脚でトンと大地を叩きました。
するとどうした事でしょう。小さな振動が大地を震わせ始めます。そしてそれは少しづつ大きくなりました。
三巳までも揺れて見える頃になると、三巳は叩いた大地を掘り始めます。『ここ掘れワンワン♪』と鼻歌を歌いながら掘っていきます。
ある程度お椀型に掘れたら満足してその場にお座りをして出来た穴を見つめます。尻尾を振って鼻歌混じりにジッと見つめます。
見つめていると穴の底に亀裂が入ったと思う次の瞬間、ドッッ!!!と轟音を上げて水が噴き上がりました。
噴き上がった水は四方八方に飛んで行き綺麗な虹を幾重にも作り出しています。
『水ー♪』
尻尾を大きく振った三巳は一足飛びに穴の中へと入って行き、ゴクゴクと吹き出した水を飲んだのでした。
そうです。三巳はゴロンゴロンしている時に地下の水脈を聞き当てたのです。
水を飲みたい気持ちを忘れていなかった三巳は一番地上に近い場所を探し、神力を打ち込み上へ引き上げたという訳です。
『にゅはー♪にゃはー♪ちめたーい♪』
冬も初めだというのに毛皮いっぱいに水を浴びてご満悦です。
けれども冷たいのは冷たいので次第に体に震えが出てきました。
『にゅ……さーむーいー』
大きな体でピルピル震える三巳です。
しかも穴は噴き出た水で泉になっています。
濡れてペションとなった毛皮がその寒さを如実に語り出しています。
そこで三巳は考えました。
『お風呂にしちゃえ』
という事で魔法であっという間に泉を沸かせた三巳は、心ゆく迄荒野の露天風呂をゴロンゴロンしながら堪能するのでした。
『にゃふー……。いーい湯ーだなー♪にゅふふん♪』
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