229 / 345
本編
山の夏
しおりを挟む
ミーンミンとセミが鳴く夏がやってきました。
連日続く夏空に、子共達が元気に走り回っています。
「夏だなー」
池のある公園では足を水につけて寝転がる三巳がいました。
「これで夏とは、なんて山は涼しいのでしょう」
その隣では今日の授業を終えたハンナが立っています。
侍女として制服を汚すのは御法度だと座ることを固辞したのです。
「うみゅ。南の国は春なのにもっと暑かったんだよ」
常夏の国に比べれば山の夏など暑くもなんともないと、三巳は股下から覗かせた尻尾を振っています。半ば池に浸かっていた尻尾は振るたびに水を撥ねさせ涼やかな印象を更に強めてくれています。
「ふふふ。それはさぞ大変だったでしょう」
「うにゅ。三巳の尻尾はもっさりしてるからなー。熱が籠もりやすくて大変だったんだよ」
「三巳様は自然を大切にしておりますからね。耐えられる内は魔法も使わなかったのでしょう」
「うぬ。ギリギリだった」
ギリギリ耐えた三巳は暑さに対する耐性が出来ていたので、今年の山の夏は涼しく過ごせそうだと、のほほんとした顔をしています。
池の周りでは子供達が水を掛け合って涼を取っているのが見えます。
ハンナは元気な子供達にニコリと優しく微笑みを向けました。
「山の夏は遊び場が多くて宜しゅうございます」
「まーなー。虫取りも川遊びも楽しいし、スイカ割りも醍醐味だ」
「スイカ割りとはなんでしょうか?」
「うぬ?ハンナはやった事なかったかー」
三巳は寝転がったまま不思議そうな顔のハンナを見上げ、そして何かを思いつきました。
「にゅふー♪じゃー明日は川遊びしよー♪そーと決まればリリも誘いに行くんだよ」
ニマニマーッと笑うと楽しそうにそう言ってシュバッと立ち上がり、ハンナが何か言う間も無くタッタカ駆けて行ってしまいました。
ポツンと取り残されたハンナは直ぐに追い掛けます。そして三巳の後ろを付き従う様について行きました。
診療所に辿り着くとリリがミナミ達と楽しくお喋りしていました。
「リリー!」
そこへ突撃して輪の中に入って行きます。
「今日は三巳。ふふふ、三巳はいつでも元気ね」
勢いそのままの三巳を受け止め抱き締めて、リリはニッコリ微笑みます。そのまま三巳の耳の裏をこしょこしょ撫でてあげれば三巳の尻尾が元気良く振っています。
「うぬ。それが三巳だからなっ。それよか明日川遊びするからお誘いに来たんだよ」
「まあ!私達も丁度川遊びの話をしていたのよ。日にちは決めていなかったのだけど……」
そう言ってリリはミナミ達を見回します。
その視線を受けたミナミはニコッと笑って頷いてくれました。
「誘われたなら吉日よ。勿論行きましょ」
「そうね。明日も良い天気になりそうだし、良いんじゃないかしら」
同意の声が一つ上がる度に三巳の尻尾は元気に振られて、行こうと決まった時には高速で動くメトロノームの様にはちきれていました。
「やったー!そしたらデッカいスイカ確保して行くんだよ!そうと決まれば今の内にお願いしてくるー!」
「スイカ割りなら的は小さい方が楽しくない?」
三巳が両手を高く掲げて走り出すと、後ろからミナミに言われました。
「でもこの人数だと足りないんじゃないかしら」
「ダイジョブダイジョブ。
三巳ー!持てるだけ貰って来てー!」
リリの疑問にミナミは軽く笑って言い、そしてもう大分離れていた三巳に聞こえるように大きな声で伝えます。
勿論良く聞こえる三巳の耳はちゃんと聞こえます。
「おー!任せろー!」
振り向き大きく片腕を上げて快く請け負い、更に速度を上げて走って行きました。楽しさはワクワクを加速させてそれが行動に反映されているのです。
上機嫌の三巳はあっという間にスイカ畑へやって来ました。
畑ではタウろんが実のチェックを入念にやっています。
「こんちわー。タウろんよく働くなー。何処の畑でも見ない日は無いんじゃないか?」
『こんにちわモー。草育てるの楽しいモー。良いスイカが出来ると皆喜ぶモー』
「うにゅ。夏にスイカは欠かせないんだよ。
って事で明日川遊びでスイカ割り女子会するから小玉が数個欲しいんだよ」
『わかったモー』
タウろんは三巳から参加人数を聞いて、食べきれるだけの量に目印のリボンを巻いていきました。リボンを巻かれたスイカは丁度明日食べ頃になっていそうな物ばかりです。中にはもう食べ頃の物もあります。
このスイカ畑はタウろんがお手伝いではなく、一から自分で育てているのです。だからどのスイカがいつ頃実になって、いつ頃食べ頃になるかを把握しているのです。
「凄いなー。もう独り立ちしてるんだもんなー」
『ありがとうモー。でもお手伝いももっとしたいモー』
「おー。何だかとっても耳が痛いお話なんだよ……」
働くのが嫌では無いですが、出来れば縁側で一日中ボーッとしていたい三巳は耳を両手で塞いで遠くを見つめるのでした。
連日続く夏空に、子共達が元気に走り回っています。
「夏だなー」
池のある公園では足を水につけて寝転がる三巳がいました。
「これで夏とは、なんて山は涼しいのでしょう」
その隣では今日の授業を終えたハンナが立っています。
侍女として制服を汚すのは御法度だと座ることを固辞したのです。
「うみゅ。南の国は春なのにもっと暑かったんだよ」
常夏の国に比べれば山の夏など暑くもなんともないと、三巳は股下から覗かせた尻尾を振っています。半ば池に浸かっていた尻尾は振るたびに水を撥ねさせ涼やかな印象を更に強めてくれています。
「ふふふ。それはさぞ大変だったでしょう」
「うにゅ。三巳の尻尾はもっさりしてるからなー。熱が籠もりやすくて大変だったんだよ」
「三巳様は自然を大切にしておりますからね。耐えられる内は魔法も使わなかったのでしょう」
「うぬ。ギリギリだった」
ギリギリ耐えた三巳は暑さに対する耐性が出来ていたので、今年の山の夏は涼しく過ごせそうだと、のほほんとした顔をしています。
池の周りでは子供達が水を掛け合って涼を取っているのが見えます。
ハンナは元気な子供達にニコリと優しく微笑みを向けました。
「山の夏は遊び場が多くて宜しゅうございます」
「まーなー。虫取りも川遊びも楽しいし、スイカ割りも醍醐味だ」
「スイカ割りとはなんでしょうか?」
「うぬ?ハンナはやった事なかったかー」
三巳は寝転がったまま不思議そうな顔のハンナを見上げ、そして何かを思いつきました。
「にゅふー♪じゃー明日は川遊びしよー♪そーと決まればリリも誘いに行くんだよ」
ニマニマーッと笑うと楽しそうにそう言ってシュバッと立ち上がり、ハンナが何か言う間も無くタッタカ駆けて行ってしまいました。
ポツンと取り残されたハンナは直ぐに追い掛けます。そして三巳の後ろを付き従う様について行きました。
診療所に辿り着くとリリがミナミ達と楽しくお喋りしていました。
「リリー!」
そこへ突撃して輪の中に入って行きます。
「今日は三巳。ふふふ、三巳はいつでも元気ね」
勢いそのままの三巳を受け止め抱き締めて、リリはニッコリ微笑みます。そのまま三巳の耳の裏をこしょこしょ撫でてあげれば三巳の尻尾が元気良く振っています。
「うぬ。それが三巳だからなっ。それよか明日川遊びするからお誘いに来たんだよ」
「まあ!私達も丁度川遊びの話をしていたのよ。日にちは決めていなかったのだけど……」
そう言ってリリはミナミ達を見回します。
その視線を受けたミナミはニコッと笑って頷いてくれました。
「誘われたなら吉日よ。勿論行きましょ」
「そうね。明日も良い天気になりそうだし、良いんじゃないかしら」
同意の声が一つ上がる度に三巳の尻尾は元気に振られて、行こうと決まった時には高速で動くメトロノームの様にはちきれていました。
「やったー!そしたらデッカいスイカ確保して行くんだよ!そうと決まれば今の内にお願いしてくるー!」
「スイカ割りなら的は小さい方が楽しくない?」
三巳が両手を高く掲げて走り出すと、後ろからミナミに言われました。
「でもこの人数だと足りないんじゃないかしら」
「ダイジョブダイジョブ。
三巳ー!持てるだけ貰って来てー!」
リリの疑問にミナミは軽く笑って言い、そしてもう大分離れていた三巳に聞こえるように大きな声で伝えます。
勿論良く聞こえる三巳の耳はちゃんと聞こえます。
「おー!任せろー!」
振り向き大きく片腕を上げて快く請け負い、更に速度を上げて走って行きました。楽しさはワクワクを加速させてそれが行動に反映されているのです。
上機嫌の三巳はあっという間にスイカ畑へやって来ました。
畑ではタウろんが実のチェックを入念にやっています。
「こんちわー。タウろんよく働くなー。何処の畑でも見ない日は無いんじゃないか?」
『こんにちわモー。草育てるの楽しいモー。良いスイカが出来ると皆喜ぶモー』
「うにゅ。夏にスイカは欠かせないんだよ。
って事で明日川遊びでスイカ割り女子会するから小玉が数個欲しいんだよ」
『わかったモー』
タウろんは三巳から参加人数を聞いて、食べきれるだけの量に目印のリボンを巻いていきました。リボンを巻かれたスイカは丁度明日食べ頃になっていそうな物ばかりです。中にはもう食べ頃の物もあります。
このスイカ畑はタウろんがお手伝いではなく、一から自分で育てているのです。だからどのスイカがいつ頃実になって、いつ頃食べ頃になるかを把握しているのです。
「凄いなー。もう独り立ちしてるんだもんなー」
『ありがとうモー。でもお手伝いももっとしたいモー』
「おー。何だかとっても耳が痛いお話なんだよ……」
働くのが嫌では無いですが、出来れば縁側で一日中ボーッとしていたい三巳は耳を両手で塞いで遠くを見つめるのでした。
10
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
料理人がいく!
八神
ファンタジー
ある世界に天才料理人がいた。
↓
神にその腕を認められる。
↓
なんやかんや異世界に飛ばされた。
↓
ソコはレベルやステータスがあり、HPやMPが見える世界。
↓
ソコの食材を使った料理を極めんとする事10年。
↓
主人公の住んでる山が戦場になる。
↓
物語が始まった。
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
異世界転生したけどチートもないし、マイペースに生きていこうと思います。
碧
児童書・童話
異世界転生したものの、チートもなければ、転生特典も特になし。チート無双も冒険もしないけど、現代知識を活かしてマイペースに生きていくゆるふわ少年の日常系ストーリー。テンプレっぽくマヨネーズとか作ってみたり、書類改革や雑貨の作成、はてにはデトックス効果で治療不可の傷を癒したり……。チートもないが自重もない!料理に生産、人助け、溺愛気味の家族や可愛い婚約者らに囲まれて今日も自由に過ごします。ゆるふわ癒し系異世界ファンタジーここに開幕!
王都から追放されて、貴族学院の落ちこぼれ美少女たちを教育することになりました。
スタジオ.T
ファンタジー
☆毎日更新中☆
護衛任務の際に持ち場を離れて、仲間の救出を優先した王都兵団のダンテ(主人公)。
依頼人を危険に晒したとして、軍事裁判にかけられたダンテは、なぜか貴族学校の教員の職を任じられる。
疑問に思いながらも学校に到着したダンテを待っていたのは、五人の問題児たち。彼らを卒業させなければ、牢獄行きという崖っぷちの状況の中で、さまざまなトラブルが彼を襲う。
学園魔導ハイファンタジー。
◆◆◆
登場人物紹介
ダンテ・・・貴族学校の落ちこぼれ『ナッツ』クラスの担任。元王都兵団で、小隊長として様々な戦場を戦ってきた。戦闘経験は豊富だが、当然教員でもなければ、貴族でもない。何かと苦労が多い。
リリア・フラガラッハ・・・ナッツクラスの生徒。父親は剣聖として名高い人物であり、剣技における才能はピカイチ。しかし本人は重度の『戦闘恐怖症』で、実技試験を突破できずに落ちこぼれクラスに落とされる。
マキネス・サイレウス・・・ナッツクラスの生徒。治療魔導師の家系だが、触手の召喚しかできない。練習で校舎を破壊してしまう問題児。ダンテに好意を寄せている。
ミミ・・・ナッツクラスの生徒。猫耳の亜人。本来、貴族学校に亜人は入ることはできないが、アイリッシュ卿の特別措置により入学した。運動能力と魔法薬に関する知識が素晴らしい反面、学科科目が壊滅的。語尾は『ニャ』。
シオン・ルブラン・・・ナッツクラスの生徒。金髪ツインテールのムードメーカー。いつもおしゃれな服を着ている。特筆した魔導はないが、頭の回転も早く、学力も並以上。素行不良によりナッツクラスに落とされた。
イムドレッド・ブラッド・・・ナッツクラスの生徒。暗殺者の家系で、上級生に暴力を振るってクラスを落とされた問題児。現在不登校。シオンの幼馴染。
フジバナ・カイ・・・ダンテの元部下。ダンテのことを慕っており、窮地に陥った彼を助けにアカデミアまでやって来る。真面目な性格だが、若干天然なところがある。
アイリッシュ卿・・・行政司法機関「賢老院」のメンバーの一人。ダンテを牢獄送りから救い、代わりにナッツクラスの担任に任命した張本人。切れ者と恐れられるが、基本的には優しい老婦人。
バーンズ卿・・・何かとダンテを陥れようとする「賢老院」のメンバーの一人。ダンテが命令違反をしたことを根に持っており、どうにか牢獄送りにしてやろうと画策している。長年の不養生で、メタボ真っ盛り。
ブラム・バーンズ・・・最高位のパラディンクラスの生徒。リリアたちと同学年で、バーンズ家の嫡子。ナッツクラスのことを下に見ており、自分が絶対的な強者でないと気が済まない。いつも部下とファンの女子生徒を引き連れている。
おさがしの方は、誰でしょう?~心と髪色は、うつろいやすいのです~
ハル*
ファンタジー
今日も今日とて、社畜として生きて日付をまたいでの帰路の途中。
高校の時に両親を事故で亡くして以降、何かとお世話になっている叔母の深夜食堂に寄ろうとした俺。
いつものようにドアに手をかけて、暖簾をぐぐりかけた瞬間のこと。
足元に目を開けていられないほどの眩しい光とともに、見たことがない円形の文様が現れる。
声をあげる間もなく、ぎゅっと閉じていた目を開けば、目の前にはさっきまであった叔母さんの食堂の入り口などない。
代わりにあったのは、洞窟の入り口。
手にしていたはずの鞄もなく、近くにあった泉を覗きこむとさっきまで見知っていた自分の姿はそこになかった。
泉の近くには、一冊の本なのか日記なのかわからないものが落ちている。
降り出した雨をよけて、ひとまずこの場にたどり着いた時に目の前にあった洞窟へとそれを胸に抱えながら雨宿りをすることにした主人公・水兎(ミト)
『ようこそ、社畜さん。アナタの心と体を癒す世界へ』
表紙に書かれている文字は、日本語だ。
それを開くと見たことがない文字の羅列に戸惑い、本を閉じる。
その後、その物の背表紙側から出てきた文字表を見つつ、文字を認識していく。
時が過ぎ、日記らしきそれが淡く光り出す。
警戒しつつ開いた日記らしきそれから文字たちが浮かび上がって、光の中へ。そして、その光は自分の中へと吸い込まれていった。
急に脳内にいろんな情報が増えてきて、知恵熱のように頭が熱くなってきて。
自分には名字があったはずなのに、ここに来てからなぜか思い出せない。
そしてさっき泉で見た自分の姿は、自分が知っている姿ではなかった。
25の姿ではなく、どう見ても10代半ばにしか見えず。
熱にうなされながら、一晩を過ごし、目を覚ました目の前にはやたらとおしゃべりな猫が二本足で立っていた。
異世界転移をした水兎。
その世界で、元の世界では得られずにいた時間や人との関わりあう時間を楽しみながら、ちょいちょいやらかしつつ旅に出る…までが長いのですが、いずれ旅に出てのんびり過ごすお話です。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる